新庄ハム 8月は貯金7で勝負の9月に突入 背景にある「戦力の厚み」とは

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新庄監督のタクトにも注目が高まる(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 日本ハムは8月最終戦となった西武戦(ベルーナドーム)に1-2と痛恨の逆転負けとなった。

 7回まで先発のドリュー・バーヘイゲンが2安打無失点と試合を作り、8回から継投に入ったが、2番手の生田目翼が二死三塁のピンチを招き、左腕の河野竜生にスイッチしたところを代打の栗山巧に2ランを被弾。試合をひっくり返された。

【動画】3番手の左腕、河野が栗山に代打本塁打を浴びた

 打線では7回に上川端大悟のスクイズで1点をもぎ取るなど、ベンチワークもさえたが、一歩及ばず。一方、8月は16勝9敗1分けの貯金7を積み上げ、勢いを加速させた。

 2位をキープと新庄剛志監督となって初めてのCS出場も見据えるが、開幕からここまで好調を維持している大きな要因となっているのが、新戦力の台頭をはじめとした戦力の底上げだろう。

 自身初の開幕スタメンキャッチャーを務めた田宮裕涼は一時首位打者に躍り出るなど好調な打撃と持ち前の強肩を評価され、正捕手を掴みかけるところまでに成長。田宮と同じく自身初の開幕スタメンを勝ち取った水野達稀は、安定した守備と勝負強さの光るバッティングでショートのポジションに定着。

 6月下旬に走塁中の負傷で無念の離脱となったものの、8月上旬に一軍に復帰。絶好調の中でのアクシデントということもあり、復帰後の復調が心配されたが、戦列復帰後も攻守共に安定した活躍を見せている。

 さらに、交流戦で一気にブレイクし、交流戦歴代最高の打率.438を記録した水谷瞬。交流戦後もコンスタントに結果を残し、今シーズンだけでここまで3本の先頭打者アーチも記録。昨季まで1軍出場経験なしとは思えないほどの活躍ぶりだ。こうした新戦力の活躍もあり、昨季に比べかなり選手層に厚みが増している。

 昨年までは戦力見極めのための日替わりオーダーの側面もあったが、今季は各選手に確実に力がついて、それぞれに切磋琢磨している。ときには松本剛、郡司裕也、アリエル・マルティネスがベンチウォーマーとなる試合もあり、SNS上では「ベンチが豪華すぎる」「ベンチにいるメンバーでもう1オーダー組めそう」など、層の厚さが指摘されている。

 レギュラーシーズンも残すところ約1ヶ月。新庄政権初のAクラス入りへ、指揮官がどのような形でナインの背中を押していくのか。引き続き、高い注目を集めそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]