ビッグジョンのビンテージ風シリーズ第1号を資料館に寄贈「採算抜きで本当のジーンズを目指して作った一本」
国産ジーンズ発祥の地として知られる岡山県倉敷市児島地区のメーカーの歴史的な製品を集めた「児島・国産ジーンズ資料館」(同市児島小川)に、新たな希少資料が加わった。ジーンズメーカー・ビッグジョン(同市児島田の口)が1980年代前半に発売したビンテージ(年代物)風シリーズの第1号。当時の開発担当者から寄贈され、資料館は「マニア垂ぜんのアイテムを見てほしい」としている。
同社がビンテージブームに先駆けて企画・開発した「RAREジーンズ」。太さにむらがある特注の糸を旧式のシャトル織機で織り、表面に凹凸があるクラシックなジーンズの風合いを再現した。シリーズ最初の製品を示す「R001」のタグが付いている。
寄贈したのは創業者・故尾崎小太郎さんの三男で、元社員の善教さん(77)=同市。製品の企画・開発に携わり、第1号を記念に自宅で保管していたが「多くの人に見てもらいたい」として6月初旬に贈った。
資料館は片山章一さん(76)=同市=がビッグジョンの協力を得て自身のレストランに併設。前身のマルオ被服が米国「CANTON(キャントン)」ブランドで作ったジーンズ(65年発売)、ビッグジョンの名を初めて冠した「M1002」(67年発売)など同社から譲り受けた製品を中心に約100本を収蔵している。
「本場の米国メーカーへの対抗心もあり、採算抜きで本当のジーンズを目指して作った一本。大切にしてほしい」と善教さん。片山さんは「日本のジーンズ史に残る名品。産地の宝として大切に受け継ぎたい」と話している。
同資料館は火曜日定休で要事前申し込み(086―472―1480)。
(まいどなニュース/山陽新聞)