「西遊記」を題材にした中国発のアクションRPG「黒神話:悟空」が、発売から83時間で累計販売本数1000万本に達したことがわかりました。Steamでは同時接続者数約240万人という歴代第2位の記録を達成するなど世界中で話題となっていて、特に中国ではPlayStation 5(PS5)の売上増加にも寄与していると伝えられています。





China’s ‘Wukong’ Hit Sells 10 Million Copies in Three Days - Bloomberg

https://www.bloomberg.com/news/articles/2024-08-24/china-s-wukong-hit-sells-10-million-copies-in-three-days

Sony Playstation cops dose of monkey magic as Wukong sends China sales soaring | NYSE:SONY

https://www.proactiveinvestors.com/companies/news/1054555/sony-playstation-cops-dose-of-monkey-magic-as-wukong-sends-china-sales-soaring-1054555.html

「黒神話:悟空」はシングルプレイ専用のゲームで、素早い動作と独特のスキルで敵を倒していくアクションRPGとなっています。中国に語り継がれる「妖怪」が多数登場し、それら妖怪に関する膨大なテキストが提示されるのも特徴的。ローカライズのクオリティも高く、またSNS上では「翻訳が間に合っていないことを丁寧に説明するテキスト」がゲーム内に登場することが話題となりました。





ゲーム開発元のGame Scienceによると、「黒神話:悟空」は発売から約83時間で1000万本を売り上げたとのこと。これは3日で1000万本を販売した「ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム」に肉薄する勢いで、発売後2週間で1200万本に達した「ホグワーツ・レガシー」や、発売後18日で1200万本を販売した「エルデンリング」の記録を上回ることも確実。データトラッカーサイトのSteamDBでは、発売から1週間で同時接続者数のピークが241万5714人に達したことが示されています。

アナリストによると、「黒神話:悟空」は発売初日に黒字を達成し、最初の3日間で4億5000万ドル以上(約650億円)の収入を得たと見られるとのこと。また、PS5版が発売されたことでPS5本体の販売促進にもつながり、量販店でPS5が売り切れる様子も見られたとのことです。

中国の国営通信・新華社のインタビューを受けたGame Scienceの馮驥(Feng Ji)CEOは、「シングルプレイ専用のゲームが海外で主流になった当時、国内の消費能力と技術レベルは限られていたと考えている。ネットワーク時代に突入した後、オンラインゲームは瞬く間に主流となり、シングルプレイ専用ゲームはニッチなゲームと見なされ、研究開発チームは開発意欲が低かった。しかし、過去10年間で中国人の消費水準とシングルプレイ専用ゲームの消費需要が高まり、ゲーム製品に対する要求が高まった。技術レベルでは、市場の開発ツールが徐々に成熟し、国際的な一流の水準に匹敵する製品をサポートできるようになった」と話しました。

加えて、中国の小説を題材にした物語が海外でも受け入れられていることについて、「外国の顧客に中国の物語を伝えることは贈り物をするようなもので、他人が必ずしも好きとは限らないものを詰め込むのは難しく、押し付けられると嫌がるかもしれない。しかし、絵や特殊効果といった美しい装飾で包めば、人々は興味を持つだろう。そして、自然な美しさを目の当たりにすれば、文化の核を自然に理解するだろう」とも語っています。

新華社によると、「黒神話:悟空」の撮影に使われた中国・晋城市の晋城玉皇廟が観光客でごった返しているとのことです。

日本語のローカライズを担当した壇上(@lasthopelonger)氏は、「知っておくとチョットダケ黒神話:悟空の楽しさ深まるガバガバ西遊記知識」としていくつかの豆知識を紹介しています。