GLAY・TERUが語るバンドの哲学とサマーソニック 「伝説の地」幕張に再び立つことの意味
デビュー30周年を迎えたGLAYがサマーソニックに初出演。なんと、これがバンド史上初の夏フェス出演になるという。GLAYといえば、1999年7月31日に幕張メッセ駐車場特設ステージで行なった20万人ライブ「GLAY EXPO '99 SURVIVAL」が伝説となって今も語り継がれている。単独アーティストによる有料コンサートで当時の世界最大動員を記録したライブは日本全国のニュースでも報じられた。CD売り上げがピークを迎える98年には「誘惑」で年間シングルチャート1位を獲得するなど、国民的バンドとしての圧倒的地位を確立しながら、ここに来てENHYPENのメンバー・JAYとのコラボ曲をリリースするなど、30周年を迎えた今もなお挑戦を続ける4人。そんなバンドの哲学をTERUに訊いた。
「GLAY EXPO」と少年期の終わり
─GLAYは2024年5月25日にデビュー30周年を迎えました。TERUさんはどんな思いで30周年を迎えられたんでしょう?
TERU:30周年をファンの子たちが楽しく満足に過ごせたら、40周年にいけるなという思いで、いまは頑張っていますね。
─すでに40周年を見据えてらっしゃっているのは、びっくりです。
TERU:40周年の頃に62歳になっていることを考えると、今ちゃんとした活動をすることによって次に繋げていけるんじゃないかという思いでやっているんです。僕は、10年後もアリーナツアーも絶対やっていたい。そう考えると、今しっかり日本全国のGLAYファンの人たちに良いライブを見てもらって、次に繋げていけるものを作りたいんです。20周年の時も30周年を見据えてと言っていたので、40周年を見据えてのスタートラインとして30周年を迎えていますね。
─TAKUROさんがラジオで、99年の「GLAY EXPO '99 SURVIVAL」のことを話されているのを聞いたんですけど、あの時は規模を大きくしていくことに目が向いていたけれど、炎天下の中でライブをやることによるホスピタリティの悪さにも気がついて反省点も多かったとおっしゃっていたのが真摯的だなと思って。
TERU:そういう反省点はいっぱい出てきましたね。
─あのライブを振り返って、ある種GLAYの少年期が終わりだった、ということも話されていたんですけど、TERUさんとしてはどういう風に振り返られますか。
TERU:夢を追いかけるバンドマンとして、より多くの人たちの前でやりたい思いが形になったのが20万人ライブだったと思うんです。実際にやってみたことで、音が最後尾まで届かないなど、わかることもたくさんあって。20万人ライブをやった時の1つの活動テーマとして、より多くの人たちに見てもらうっていうのはあったんですけど、コンサートに関しては、もっと音楽を届ける場所ということに目を向けていこうと意識が変わりました。「GLAY EXPO」は、2001年と2004年もやっているんですけど、音を届けるところに注視しながら活動していくようになったきっかけではありますね。
─とはいえ、20万人規模のワンマンは類を見ない規模のライブですよね。
TERU:ステージから見た景色を今でも思い出せますね。驚いたのは、次の日で。ニュースで空撮からの映像を見て、こんなに人いたの?! すごいことやったんだな!って、冷静に感じましたね。
─後ほどサマーソニックの話も聞かせていただくんですけど、幕張という場所は思い出の土地になっているんじゃないですか?
TERU:99年の20万人ライブもそうですし、2000年の年越しライブ(GLAY LIVE in MESSE "COME TOGETHER")も幕張でやったんです。あと、ファンクラブの周年ライブも幕張だったので、すごく思い入れの強い場所になっていますね。
バンドを続けていくことの美学
─先ほどの話に戻ると、99年はGLAYデビューからまだ5年の年でした。そこを少年期の終わりと仮定すると、そこからの活動は、どのような意識の変化があったんでしょう?
TERU:あの時期は、忙しすぎて音楽を作る時間を十分に取れなかった時代でもあって。そこでフラストレーションを溜めすぎてしまったJIROが、このままだったら本当にいい音楽を作れないということになり、当時の事務所と相談し合いながら、3年後まで決められたスケジュールを一回白紙に戻したんです。まずはアルバム作りに専念させてほしいって話をして、音楽をしっかりやっていきたいよねってところに目を向けたんです。その後、いかにライブの中で音楽を届けるかってことで、サポートキーボードなし、映像なしで、3年ぐらい自分たちの力をつけるために、ホールツアーだったり、どさ回りに近いことをやって。僕たちはロックバンドっていうカテゴリーをあまり気にしないタイプではあったんですけど、ロックバンドとして地固めしていきたいと思ったんです。その時期が青年期ではあると思いますね。少年期からが長いので、今はもう中年期になってると思うんですけど(笑)。
─国民全員がGLAYを知っている状況の中、そこまで削ぎ落とせたことがすごいですよね。
TERU:ある種、バンドを長く続けていく上では必要だったと思うんです。当時ちょっとした解散ブームもあって。2000年を迎える時、友達のバンドの解散も多かった。JUDY AND MARYもそうだし、当時のLUNA SEAもそうだった(※2000年に終幕を宣言し一度解散したが、2010年に活動を再開)。その中で、GLAYは続けることを美学として掲げていたバンドでもあって。絶対解散しないバンドって言い続けながら活動していたんです。10年後、20年後、本当におじいちゃんになるまで一緒にやっていこうよってことをファンの子たちと共有しながら活動してるってこともあって、そのための選択肢として、演奏力を上げたり、色んな音楽を勉強したり、しっかりとやってきたんじゃないかなと思います。
Photo by Masato Yokoyama
─続けていくことの美学はいつぐらいからあるものなんでしょう。
TERU:2000年に入ってからだと思いますね。さっき言ったJIROがフラストレーションを溜めて、これじゃあ音楽をちゃんと作っていけないって時期は、忙しすぎて、本当に寝る間もなく活動してた時期でもあって。テレビ、雑誌、ラジオとか、音楽以外に時間を取られることが多かった。そのとき、解散の危機があったんです。それを乗り越えた時に、メンバーの中で、解散する必要ないよねって話になって。メンバー同士の話ではなく、会社と戦おうみたいな感じで、バンドの結束力を確認できたのが一番大きな要因だったんじゃないかなと思いますね。
─2019年のデビュー25周年のときに、GLAYはデモクラシー宣言をされました。民主主義バンドっていうのもGLAYの特徴ですが、その意識も2000年前後にはあったものなんでしょうか?
TERU:そういうことを意識はしていなかったと思うんですけど、何かを決める時にも4人の意見が1つに固まらない時は絶対動かないってルールが自ずとできていて。GLAYは、メンバーファーストなんです。本当にメンバーがやりたいことを、しっかりと話し合ってやっていく。それは、当時からずっと言っていましたね。TAKUROから提案があったのが、マネージャーも介さずメンバーで直接話していこうということで。何か悩みがあったら直接話をする。車の移動も必ず4人でする。それぞれのマネージメントをつけて1台1台行くんじゃなくて、みんなで固まっていこうよって。その提案が今でもずっと守られているのもまたGLAYらしいし、今の結束力に繋がる要因の1つなんじゃないかと思います。
─ある意味で、GLAYがJ-POPやJ-ROCKといったものを時代とともに作り上げた功績もあると思うんですけど、そうしたものを背負っている感覚はありますか?
TERU:デビューした時は、ポストBOØWYみたいなことを言われたり、途中でヴィジュアル系って呼ばれたり、テレビだったり音楽雑誌だったりで、いろんなカテゴリーにはめられてきて。結局J-POPとかJ-ROCKってところに落ち着いて今活動していますけど、あまりそういう意識はしていなくて。背負っているのかどうかはわからないですけど、次の世代に、今のビートとか、日本特有のロック感を残していきたいとは思っています。そういうところでは第一線で背負っていっているものはあるんじゃないかなと思いますね。さっき10年後もアリーナツアーをやっていきたい思いで活動しているという話をしましたけど、僕個人としては、第一線で立てるだけの体力をつけて、音楽に対するひたむきな姿勢を次の世代に伝えていきたい想いはありますね。
─これもTAKUROさんがラジオで話していたんですけど、「世界の音楽シーンとの差が開いてるように感じている。ただ、J-POPとかJ-ROCKは日本独自に進化を遂げているから、そこを突き進んでいく決心がついた」って発言が印象的でした。
TERU:世界を意識はした時代もあったんですけど、J-ROCKって独特じゃないですか? 日本の文化になり得る。世界で通用するのか通用しないのかっていうよりも、独特な世界観はそのまま残していきたいなと思いますよね。しかも僕らは、それが純粋に好きでやっているので。日本語の綺麗な表現の仕方とかTAKUROは重んじて歌詞を書いていたりするので、もし残せるのであれば、GLAYが先頭を切って残していきたい思いで今はやっています。
「攻めのシングル」JAYとの制作秘話
─その中で、今回のシングル「whodunit-GLAY × JAY(ENHYPEN)-」はかなりびっくりしました。ENHYPENのメンバーであるJAYさんとコラボを果たしています。
TERU:TAKUROが2年前ぐらいから、「TERUがどんどん進化していくから、その歌力にぶつけて楽しめるような人を当ててみたいんだよね」ってことを言っていて。いろんな候補があがってきたんですけど、JAYくんが候補にあがったとき、面白いと思ったんですよ。世界で活躍しているアーティストとGLAYとぶつかったらどうなるんだろうなって面白さがあった。ダメ元でオファーしたら快諾をいただいて。カップリングの「シェア」っていう曲が僕たちが残していきたい世界のJ-POPだとしたら、これはまた違った世界の僕らのアウトプットとして楽しんでもらいたい曲になっていますね。
─25周年のインタビューもそうですし、最近のインタビューでも、TERUさんは歌い方や体のケアのことをお話してらっしゃいます。TERUさん自身、ご自身の進化というものに意識的なんでしょうか?
TERU:15年前ぐらいに、ポール・マッカートニーの東京ドーム公演を観に行ったんですけど、変わらない声で歌っていたんですよ。水も飲まないし、どうなっているんだろうと思って。当時すでに60歳を過ぎていましたけど、あんなすごい歌を歌うんだと驚いたんです。そこで自分の中で開花したというか、自分もああなりたい!と思った。ポールはめちゃくちゃ音楽が好きで、普段から歌っていて、リハーサルで、じゃあ今日これやろうみたいな感じでセットリストを決めたりする時もあるという話を聞いて。自分もそういった60代を迎えたいなと思ったら、ちゃんとケアもしなきゃいけないし、歌えるような体力もなきゃいけないっていうことで、歌に向き合ったというか。自分が思うクオリティの歌を毎回届けていきたいなと思うようになりましたね。
─「whodunit」は、実際に韓国に行ってボーカルレコーディングをされたんですよね。そのあたりのやりとりはいかがでしたか?
TERU:元々データのやり取りでデモを送りあって仮歌も歌ってもらっていたので、JAYの歌唱力をしっかりと理解した上で、レコーディングするだけの状況で行くことができました。一声出した瞬間は、インパクトの強さというか、世界で戦っているボーカルだなと思いましたね。
GLAY × JAY (ENHYPEN) のアーティスト写真
─他のインタビューで、GLAYはそのとき何を思っているのかを正直に伝えるバンドとも発言されていました。そういう意味でいくと、リリック自体は穏やかじゃないというか混沌とした感じの内容ですよね。
TERU:世界では戦争が起きていますし、自分の人生は有限でそんなに長くないんだ。そういうことをTAKUROは伝えたいんだなと思う内容で。今回、JAYも作詞をしているんですけど、その質感は理解してくれた上で、言葉の選び方をしていると思っていて。JAYの部分はすごくわかりやすいし、TAKUROにはTAKUROの言い回しがある。そこは2人の持ち味をちゃんと出しているんじゃないかなと思います。
─JAYさんとのコミュニケーションについて、印象的だったことはありますか。
TERU:ロックが大好きなことですね。しかもギターが大好きすぎて、HYBE社屋の中に個人で音楽制作をするような場所があって。ギターを練習してる部屋があるから見てほしいってことで、JAYの個人の部屋を見せてもらったんです。そしたらコンパクトエフェクターがいっぱい置いてあって。アンプに繋いで、これこんな音するんですよ!ってバーンと弾いて。本当にギターキッズなんだなって思いました(笑)。すごく意外でしたね。ワールドツアーで何十万人も動員しているアーティストが、こんなふうにロックバンドを好きで、ギターを弾いている。TAKUROが「好きなミュージシャンはいるの?」って聞いたらスティーヴィー・レイ・ヴォーンと言ってましたけど。そういう時代なのかなって。「誘惑」が好きだから一緒に演奏したいって言われて一緒に撮ったので、TikTokで配信されると思います。
@enhypen
─サウンド面でいうと、現行のダンスチューンにロックが融合したハードかつポップな楽曲になっていますよね。めちゃめちゃ格好いい。
TERU:HISASHIが頑張ってアレンジしてくれて。ボーカルのエフェクトに関しても今やりたいことがあって。エンジニアの工藤雅史さんと一緒にMelodyne(ピッチ補正ソフトウェア)を使って色々と調整したり、3つ上のコーラスも機械的に作ってみたり、そういうところで実験的な、普段のGLAYがやらないことをやってみたりしていますね。
─TERUさんの伸びのある声をエフェクトで抑えているのも、挑戦的な試みですよね。
TERU:ちょっと寒々した感じというかね。熱い歌ではあるんですけど、機械が入ることによって、その熱の半分ぐらいで抑えられている感じがします。
サマーソニック初出演の意義
─GLAYはここ数年で、驚くような人たちとのコラボも増えています。これはどういった思いからのことなんでしょう?
TERU:HISASHIがやりたいって言ってサクライケンタ君にお願いしたり、中心となって動いてくれていて。Tomi Yoくんは僕が本当に好きで、Facebookのメッセージで直接お願いしました。いきなり会社からメッセージがいくと失礼かなと思って自分で送って(笑)。80KIDZもそうですけど、メンバー発信でチャレンジしたいことに対して、いろんな人たちをチョイスしてお願いする。流行っている流行っていないとかじゃなくて、自分たちが絶対この人たちとやりたいってことに挑戦している感じですね。
─TERUさんは、普段音楽リスナーとしてはどういう視聴経験をされているんでしょう?
TERU:函館に自分のスタジオを構えてから6年経つんですけど、最初の頃は自分の好きな音楽をずっと日常的に聴いて過ごしていました。最近、レトロなステレオをリサイクルショップで見つけて買ったので、1日中ジャズを聴いたり、そういった音楽に触れ合う機会も多くなってきています。一方で東京にいると、なんとなく音楽を耳から入れたいという気持ちにならないというか。それよりも日常のニュースとかを欲してしまう。僕は穏やかな環境にいるときに音楽を聴きたくなるみたいです。
基本的に新しいものを探すことはしないですね。でも、ニュースで見かけて気になったものに関しては、配信で聴いたりしています。マネスキンとかもそう。格好いいバンドが出てくると聴きたくなることは多いですね。
─マネスキンは、今年のサマーソニックにヘッドライナーとして来日しますね。
TERU:嬉しいですね。(イタリア北東部の)ヴェネツィアにガラス工房を持つ土田康彦さんと15年来の親友で、家に遊びに行ったとき、音楽のコンテスト(ユーロヴィジョン)を教えてくれて、「このバンドは絶対、最後まで残るから!」と言っていたんです。それで実際、(イタリア出身の)マネスキンが1位になって。そういうところから音楽が繋がっていくのも面白いですよね。
デビュー30周年イヤーのキックオフライブ「GLAY EXPO 2024 - 2025」でのステージ。2024年6月9日、埼玉・ベルーナドームにて(Photo by Keiko Tanabe)
─今年2月にはクイーンの42年ぶりとなる札幌公演のスペシャルゲストとしてGLAYが出演しました。そのときのライブ音源も『whodunit-GLAY×JAY(ENHYPEN)- / シェア』に収録されていますけど、ライブを振り返ってみていかがでしたか?
TERU:ご褒美ですね、本当に(笑)。昨年の12月頭ぐらいから、もしかしたらクイーンからオファーが来るかもしれないと聞いて、メンバーでどうする?って話していたんですよ。もちろん無条件でやるでしょ!みたいな。1月の頭ぐらいに正式オファーが来たので、ミリオンを獲ったシングル曲だけで構成したセットリストで臨んで。高校時代、友達がクイーンを大好きで。寮だったんですけど、毎日遊びに行っていたらクイーンが流れているような環境で、僕も大好きになったんです。もしかしたら一緒に歌えたりするのかな、みたいな欲もありました(笑)。さすがにそれは叶わなかったですけど、バックステージで一緒に写真を撮ってもらったりもして。僕らが学生の頃から見てきたブライアン・メイもロジャー・テイラーも健在で、すごいなと思いながら見ていました。
─まさにTERUさんもキッズのような状況で楽しんでいたんですね。
TERU:あと、GLAYのデビューのきっかけになったのがYOSHIKIさんなんですけど(デモテープが認められ、94年のデビュー曲「RAIN」をYOSHIKIがプロデュース)、その頃にミュージックステーションで、YOSHIKI & ROGER TAYLORと一緒に出させてもらって。そうした縁もあったので、30年ぶりにちゃんとお会いできたのも嬉しかったですね。
─シングル曲だけで構成したとおっしゃっていましたが、すごいセットリストですよね。
TERU:そうですね(笑)。初めてGLAYを観る人たちに対して、名刺を渡すようなセットリストだったと思います。ファンの方たちも本当に優しくて。「こういった曲があって、一緒に歌うシーンがあると思うのでぜひ聴いてください」ってファン同士の交流がSNSであったりもしたので、すごくいいコラボになったんじゃないかなと思います。
〈クイーン42年ぶりの札幌公演で大合唱、スペシャル・ゲストGLAYと共演〉より、クイーン+アダム・ランバート、GLAY(Photo by Hiroyasu Hatakeyama)
─その話でいくと、サマソニへの出演もびっくりしました。
TERU:どうなるんでしょう(笑)。
─GLAYにとってバンド史上初の夏フェス出演になるんですよね。どうして今、出演を決めたんでしょう?
TERU:もともと30周年だし夏フェスに出てみたいねって話をしていて。どのイベントがいいのか考えた結果、サマソニがいいんじゃないって。いろんな夏フェスがありますけども、サマソニに絞ったのはJIROの意見だったりして。僕らもよくサマソニは観に行っていて、本当にいいイベントだと思っていますし、楽しみにしています。
─夏フェスに初めてかつ、デビュー30周年で出るのは、どんな心境なんでしょう。
TERU:バンドが主体となったイベントーーそれこそVISUAL JAPAN SUMMIT(※2016年にX JAPAN、LUNA SEA、GLAYが共演)だったり、YOSHIKIさん主宰のエクスタシー・サミットなどに出してもらって雰囲気を味わってはいるんですけど、これまでは仲間内のフェスが多かったんです。今回に限っては、知らない人が多すぎて、一体僕たちはどうなってしまうのか不安はありますけど、音楽と夏のお祭りが大好きな人たちが、気軽にGLAYを楽しんでもらえるような環境を作りたいなと思います。
Photo by Masato Yokoyama
─セットリストはもう決めているんでしょうか?
TERU:HISASHIが「俺が決めていい?」と名乗りを上げまして(笑)。なので、シングルだけの構成には絶対ならないですね。ちょっとひねった感じで来るんじゃないかなと思います。HISASHIのことだから、いろんなバンドが好きな人たちが楽しめるようにアプローチした選曲が来るんじゃないかな。クイーンとやった時とはまるで違うテイストになるんじゃないかなと思うので、楽しみにしていてほしいですね。
─サマソニの出演者で気になる方はいますか?
TERU:最近SUPER BEAVERの(柳沢)亮太くんと曲を一緒にやったので(「はなむけ」)、彼らは楽しみですね。あと、Tempalayのドラムのナツキ君(藤本夏樹)とたまたまカフェでお会いしたとき、「僕らもサマソニ出るんですよ」という話になって。同じ出演日になったので、そこも盛り上がりたいなと思います。BAND-MAIDも、小鳩(ミク)ちゃんとよく話したりするので楽しみです。あとは初対面の人ばかりですね。
─サマソニで色々交流が生まれることも期待しております。
TERU:楽しみです。出番が終わったらバックステージで飲んでいるかもしれないので、気軽に声をかけてほしいですね(笑)。
─若いオーディエンスの目には、「こんなにかっこいいバンドがいるのか」って新鮮に映るんじゃないかなと思います。
TERU:最近のライブでは、GLAY世代の方の息子さんや娘さんの世代、大学生くらいのファンも増えているんですよね。そう考えると、初めて観る若い世代の子たちにも楽しんでもらえるんじゃないかなと思います。最初の話じゃないですけど、少年期の終わりの場所に30周年で再び立つことができる。GLAYは何事もやってみないと始まらないって考えで活動しているので、今回夏フェスに出てみて、あまりにも楽しかったら「来年もやりたいね」ってなるかもしれないし、次に繋がるきっかけになってほしいなと思います。
─最後に、30周年イヤーがはじまったばかりですが、どのような1年にしていきたいですか?
TERU:支えてきてくれたファンの子たちが心から楽しめる1年にできたらと思っています。「行きたいけどチケットが取れなくて」という声も聞こえているので、より大きな会場で、よりたくさんライブをやっていきたいですね。
SUMMER SONIC 2024
東京会場:ZOZOマリンスタジアム&幕張メッセ
※GLAYは2024年8月17日(土)18:35〜MOUNTAIN STAGE出演
公式サイト:https://www.summersonic.com/
『whodunit-GLAY×JAY(ENHYPEN)- / シェア』
再生・購入:https://GLAY.lnk.to/62nd_Single_GJ
特設HP:https://www.glay.co.jp/feature/62ndsingle_whodunit
Digital Single「会心ノ一撃」
※TVアニメ「グレンダイザーU」オープニングテーマ
©Go Nagai/Dynamic Planning-Project GrendizerU
配信リンク:https://glay.lnk.to/kaishinnoichigeki
『GLAY 30th Anniversary Museum』
会場:三越前福島ビル (東京都中央区日本橋室町1-5-3 福島ビル)
日程:2024年9月6日(金)〜9月23日(月・祝)
営業時間:土日祝/10:00〜20:30、平日/11:00〜20:30
詳細:https://www.hmv.co.jp/news/article/240619139/
『GLAY 30th Anniversary GLAY EXPO 2024-2025 in BELLUNA DOME』
Blu-ray / DVD
2024年9月18日(水)発売
予約:https://glay.lnk.to/0918_BELLUNADOME_BD_DVD
特設HP:https://www.glay.co.jp/feature/glayexpo_belluna_bddvd
GLAY
17th Album『Back To The Pops』
2024年10月リリース
[Alexandros] presents THIS FES '24 in Sagamihara
会場;相模原ギオンフィールド
※GLAYは2024年10月26日(土)に出演
公式サイト:https://thisfes.com/
GLAY 30th Anniversary ARENA TOUR 2024-2025 "Back To The Pops" Presented by GLAY EXPO
2024年11月8日(金)大阪府 大阪城ホール
2024年11月9日(土)大阪府 大阪城ホール
2024年11月16(土)長野県 長野ビッグハット
2024年11月23日(土・祝)北海道 北海きたえーる
2024年11月24日(日)北海道 北海きたえーる
2024年12月7日(土)東京都 有明アリーナ
2024年12月8日(日)東京都 有明アリーナ
2024年12月14日(土)愛知県 Aichi Sky Expo ホールA
2024年12月15日(日)愛知県 Aichi Sky Expo ホールA
2024年12月21日(土)広島県 広島サンプラザホール
2024年12月22日(日)広島県 広島サンプラザホール
2025年1月3日(金)福岡県 マリンメッセ福岡 A館
2025年1月4日(土)福岡県 マリンメッセ福岡 A館
2025年1月18日(土)神奈川県 横浜アリーナ
2025年1月19日(日)神奈川県 横浜アリーナ
詳細:https://www.glay.co.jp/feature/arena_backtothepops
─GLAYは2024年5月25日にデビュー30周年を迎えました。TERUさんはどんな思いで30周年を迎えられたんでしょう?
TERU:30周年をファンの子たちが楽しく満足に過ごせたら、40周年にいけるなという思いで、いまは頑張っていますね。
─すでに40周年を見据えてらっしゃっているのは、びっくりです。
TERU:40周年の頃に62歳になっていることを考えると、今ちゃんとした活動をすることによって次に繋げていけるんじゃないかという思いでやっているんです。僕は、10年後もアリーナツアーも絶対やっていたい。そう考えると、今しっかり日本全国のGLAYファンの人たちに良いライブを見てもらって、次に繋げていけるものを作りたいんです。20周年の時も30周年を見据えてと言っていたので、40周年を見据えてのスタートラインとして30周年を迎えていますね。
─TAKUROさんがラジオで、99年の「GLAY EXPO '99 SURVIVAL」のことを話されているのを聞いたんですけど、あの時は規模を大きくしていくことに目が向いていたけれど、炎天下の中でライブをやることによるホスピタリティの悪さにも気がついて反省点も多かったとおっしゃっていたのが真摯的だなと思って。
TERU:そういう反省点はいっぱい出てきましたね。
─あのライブを振り返って、ある種GLAYの少年期が終わりだった、ということも話されていたんですけど、TERUさんとしてはどういう風に振り返られますか。
TERU:夢を追いかけるバンドマンとして、より多くの人たちの前でやりたい思いが形になったのが20万人ライブだったと思うんです。実際にやってみたことで、音が最後尾まで届かないなど、わかることもたくさんあって。20万人ライブをやった時の1つの活動テーマとして、より多くの人たちに見てもらうっていうのはあったんですけど、コンサートに関しては、もっと音楽を届ける場所ということに目を向けていこうと意識が変わりました。「GLAY EXPO」は、2001年と2004年もやっているんですけど、音を届けるところに注視しながら活動していくようになったきっかけではありますね。
─とはいえ、20万人規模のワンマンは類を見ない規模のライブですよね。
TERU:ステージから見た景色を今でも思い出せますね。驚いたのは、次の日で。ニュースで空撮からの映像を見て、こんなに人いたの?! すごいことやったんだな!って、冷静に感じましたね。
─後ほどサマーソニックの話も聞かせていただくんですけど、幕張という場所は思い出の土地になっているんじゃないですか?
TERU:99年の20万人ライブもそうですし、2000年の年越しライブ(GLAY LIVE in MESSE "COME TOGETHER")も幕張でやったんです。あと、ファンクラブの周年ライブも幕張だったので、すごく思い入れの強い場所になっていますね。
バンドを続けていくことの美学
─先ほどの話に戻ると、99年はGLAYデビューからまだ5年の年でした。そこを少年期の終わりと仮定すると、そこからの活動は、どのような意識の変化があったんでしょう?
TERU:あの時期は、忙しすぎて音楽を作る時間を十分に取れなかった時代でもあって。そこでフラストレーションを溜めすぎてしまったJIROが、このままだったら本当にいい音楽を作れないということになり、当時の事務所と相談し合いながら、3年後まで決められたスケジュールを一回白紙に戻したんです。まずはアルバム作りに専念させてほしいって話をして、音楽をしっかりやっていきたいよねってところに目を向けたんです。その後、いかにライブの中で音楽を届けるかってことで、サポートキーボードなし、映像なしで、3年ぐらい自分たちの力をつけるために、ホールツアーだったり、どさ回りに近いことをやって。僕たちはロックバンドっていうカテゴリーをあまり気にしないタイプではあったんですけど、ロックバンドとして地固めしていきたいと思ったんです。その時期が青年期ではあると思いますね。少年期からが長いので、今はもう中年期になってると思うんですけど(笑)。
─国民全員がGLAYを知っている状況の中、そこまで削ぎ落とせたことがすごいですよね。
TERU:ある種、バンドを長く続けていく上では必要だったと思うんです。当時ちょっとした解散ブームもあって。2000年を迎える時、友達のバンドの解散も多かった。JUDY AND MARYもそうだし、当時のLUNA SEAもそうだった(※2000年に終幕を宣言し一度解散したが、2010年に活動を再開)。その中で、GLAYは続けることを美学として掲げていたバンドでもあって。絶対解散しないバンドって言い続けながら活動していたんです。10年後、20年後、本当におじいちゃんになるまで一緒にやっていこうよってことをファンの子たちと共有しながら活動してるってこともあって、そのための選択肢として、演奏力を上げたり、色んな音楽を勉強したり、しっかりとやってきたんじゃないかなと思います。
Photo by Masato Yokoyama
─続けていくことの美学はいつぐらいからあるものなんでしょう。
TERU:2000年に入ってからだと思いますね。さっき言ったJIROがフラストレーションを溜めて、これじゃあ音楽をちゃんと作っていけないって時期は、忙しすぎて、本当に寝る間もなく活動してた時期でもあって。テレビ、雑誌、ラジオとか、音楽以外に時間を取られることが多かった。そのとき、解散の危機があったんです。それを乗り越えた時に、メンバーの中で、解散する必要ないよねって話になって。メンバー同士の話ではなく、会社と戦おうみたいな感じで、バンドの結束力を確認できたのが一番大きな要因だったんじゃないかなと思いますね。
─2019年のデビュー25周年のときに、GLAYはデモクラシー宣言をされました。民主主義バンドっていうのもGLAYの特徴ですが、その意識も2000年前後にはあったものなんでしょうか?
TERU:そういうことを意識はしていなかったと思うんですけど、何かを決める時にも4人の意見が1つに固まらない時は絶対動かないってルールが自ずとできていて。GLAYは、メンバーファーストなんです。本当にメンバーがやりたいことを、しっかりと話し合ってやっていく。それは、当時からずっと言っていましたね。TAKUROから提案があったのが、マネージャーも介さずメンバーで直接話していこうということで。何か悩みがあったら直接話をする。車の移動も必ず4人でする。それぞれのマネージメントをつけて1台1台行くんじゃなくて、みんなで固まっていこうよって。その提案が今でもずっと守られているのもまたGLAYらしいし、今の結束力に繋がる要因の1つなんじゃないかと思います。
─ある意味で、GLAYがJ-POPやJ-ROCKといったものを時代とともに作り上げた功績もあると思うんですけど、そうしたものを背負っている感覚はありますか?
TERU:デビューした時は、ポストBOØWYみたいなことを言われたり、途中でヴィジュアル系って呼ばれたり、テレビだったり音楽雑誌だったりで、いろんなカテゴリーにはめられてきて。結局J-POPとかJ-ROCKってところに落ち着いて今活動していますけど、あまりそういう意識はしていなくて。背負っているのかどうかはわからないですけど、次の世代に、今のビートとか、日本特有のロック感を残していきたいとは思っています。そういうところでは第一線で背負っていっているものはあるんじゃないかなと思いますね。さっき10年後もアリーナツアーをやっていきたい思いで活動しているという話をしましたけど、僕個人としては、第一線で立てるだけの体力をつけて、音楽に対するひたむきな姿勢を次の世代に伝えていきたい想いはありますね。
─これもTAKUROさんがラジオで話していたんですけど、「世界の音楽シーンとの差が開いてるように感じている。ただ、J-POPとかJ-ROCKは日本独自に進化を遂げているから、そこを突き進んでいく決心がついた」って発言が印象的でした。
TERU:世界を意識はした時代もあったんですけど、J-ROCKって独特じゃないですか? 日本の文化になり得る。世界で通用するのか通用しないのかっていうよりも、独特な世界観はそのまま残していきたいなと思いますよね。しかも僕らは、それが純粋に好きでやっているので。日本語の綺麗な表現の仕方とかTAKUROは重んじて歌詞を書いていたりするので、もし残せるのであれば、GLAYが先頭を切って残していきたい思いで今はやっています。
「攻めのシングル」JAYとの制作秘話
─その中で、今回のシングル「whodunit-GLAY × JAY(ENHYPEN)-」はかなりびっくりしました。ENHYPENのメンバーであるJAYさんとコラボを果たしています。
TERU:TAKUROが2年前ぐらいから、「TERUがどんどん進化していくから、その歌力にぶつけて楽しめるような人を当ててみたいんだよね」ってことを言っていて。いろんな候補があがってきたんですけど、JAYくんが候補にあがったとき、面白いと思ったんですよ。世界で活躍しているアーティストとGLAYとぶつかったらどうなるんだろうなって面白さがあった。ダメ元でオファーしたら快諾をいただいて。カップリングの「シェア」っていう曲が僕たちが残していきたい世界のJ-POPだとしたら、これはまた違った世界の僕らのアウトプットとして楽しんでもらいたい曲になっていますね。
─25周年のインタビューもそうですし、最近のインタビューでも、TERUさんは歌い方や体のケアのことをお話してらっしゃいます。TERUさん自身、ご自身の進化というものに意識的なんでしょうか?
TERU:15年前ぐらいに、ポール・マッカートニーの東京ドーム公演を観に行ったんですけど、変わらない声で歌っていたんですよ。水も飲まないし、どうなっているんだろうと思って。当時すでに60歳を過ぎていましたけど、あんなすごい歌を歌うんだと驚いたんです。そこで自分の中で開花したというか、自分もああなりたい!と思った。ポールはめちゃくちゃ音楽が好きで、普段から歌っていて、リハーサルで、じゃあ今日これやろうみたいな感じでセットリストを決めたりする時もあるという話を聞いて。自分もそういった60代を迎えたいなと思ったら、ちゃんとケアもしなきゃいけないし、歌えるような体力もなきゃいけないっていうことで、歌に向き合ったというか。自分が思うクオリティの歌を毎回届けていきたいなと思うようになりましたね。
─「whodunit」は、実際に韓国に行ってボーカルレコーディングをされたんですよね。そのあたりのやりとりはいかがでしたか?
TERU:元々データのやり取りでデモを送りあって仮歌も歌ってもらっていたので、JAYの歌唱力をしっかりと理解した上で、レコーディングするだけの状況で行くことができました。一声出した瞬間は、インパクトの強さというか、世界で戦っているボーカルだなと思いましたね。
GLAY × JAY (ENHYPEN) のアーティスト写真
─他のインタビューで、GLAYはそのとき何を思っているのかを正直に伝えるバンドとも発言されていました。そういう意味でいくと、リリック自体は穏やかじゃないというか混沌とした感じの内容ですよね。
TERU:世界では戦争が起きていますし、自分の人生は有限でそんなに長くないんだ。そういうことをTAKUROは伝えたいんだなと思う内容で。今回、JAYも作詞をしているんですけど、その質感は理解してくれた上で、言葉の選び方をしていると思っていて。JAYの部分はすごくわかりやすいし、TAKUROにはTAKUROの言い回しがある。そこは2人の持ち味をちゃんと出しているんじゃないかなと思います。
─JAYさんとのコミュニケーションについて、印象的だったことはありますか。
TERU:ロックが大好きなことですね。しかもギターが大好きすぎて、HYBE社屋の中に個人で音楽制作をするような場所があって。ギターを練習してる部屋があるから見てほしいってことで、JAYの個人の部屋を見せてもらったんです。そしたらコンパクトエフェクターがいっぱい置いてあって。アンプに繋いで、これこんな音するんですよ!ってバーンと弾いて。本当にギターキッズなんだなって思いました(笑)。すごく意外でしたね。ワールドツアーで何十万人も動員しているアーティストが、こんなふうにロックバンドを好きで、ギターを弾いている。TAKUROが「好きなミュージシャンはいるの?」って聞いたらスティーヴィー・レイ・ヴォーンと言ってましたけど。そういう時代なのかなって。「誘惑」が好きだから一緒に演奏したいって言われて一緒に撮ったので、TikTokで配信されると思います。
@enhypen
─サウンド面でいうと、現行のダンスチューンにロックが融合したハードかつポップな楽曲になっていますよね。めちゃめちゃ格好いい。
TERU:HISASHIが頑張ってアレンジしてくれて。ボーカルのエフェクトに関しても今やりたいことがあって。エンジニアの工藤雅史さんと一緒にMelodyne(ピッチ補正ソフトウェア)を使って色々と調整したり、3つ上のコーラスも機械的に作ってみたり、そういうところで実験的な、普段のGLAYがやらないことをやってみたりしていますね。
─TERUさんの伸びのある声をエフェクトで抑えているのも、挑戦的な試みですよね。
TERU:ちょっと寒々した感じというかね。熱い歌ではあるんですけど、機械が入ることによって、その熱の半分ぐらいで抑えられている感じがします。
サマーソニック初出演の意義
─GLAYはここ数年で、驚くような人たちとのコラボも増えています。これはどういった思いからのことなんでしょう?
TERU:HISASHIがやりたいって言ってサクライケンタ君にお願いしたり、中心となって動いてくれていて。Tomi Yoくんは僕が本当に好きで、Facebookのメッセージで直接お願いしました。いきなり会社からメッセージがいくと失礼かなと思って自分で送って(笑)。80KIDZもそうですけど、メンバー発信でチャレンジしたいことに対して、いろんな人たちをチョイスしてお願いする。流行っている流行っていないとかじゃなくて、自分たちが絶対この人たちとやりたいってことに挑戦している感じですね。
─TERUさんは、普段音楽リスナーとしてはどういう視聴経験をされているんでしょう?
TERU:函館に自分のスタジオを構えてから6年経つんですけど、最初の頃は自分の好きな音楽をずっと日常的に聴いて過ごしていました。最近、レトロなステレオをリサイクルショップで見つけて買ったので、1日中ジャズを聴いたり、そういった音楽に触れ合う機会も多くなってきています。一方で東京にいると、なんとなく音楽を耳から入れたいという気持ちにならないというか。それよりも日常のニュースとかを欲してしまう。僕は穏やかな環境にいるときに音楽を聴きたくなるみたいです。
基本的に新しいものを探すことはしないですね。でも、ニュースで見かけて気になったものに関しては、配信で聴いたりしています。マネスキンとかもそう。格好いいバンドが出てくると聴きたくなることは多いですね。
─マネスキンは、今年のサマーソニックにヘッドライナーとして来日しますね。
TERU:嬉しいですね。(イタリア北東部の)ヴェネツィアにガラス工房を持つ土田康彦さんと15年来の親友で、家に遊びに行ったとき、音楽のコンテスト(ユーロヴィジョン)を教えてくれて、「このバンドは絶対、最後まで残るから!」と言っていたんです。それで実際、(イタリア出身の)マネスキンが1位になって。そういうところから音楽が繋がっていくのも面白いですよね。
デビュー30周年イヤーのキックオフライブ「GLAY EXPO 2024 - 2025」でのステージ。2024年6月9日、埼玉・ベルーナドームにて(Photo by Keiko Tanabe)
─今年2月にはクイーンの42年ぶりとなる札幌公演のスペシャルゲストとしてGLAYが出演しました。そのときのライブ音源も『whodunit-GLAY×JAY(ENHYPEN)- / シェア』に収録されていますけど、ライブを振り返ってみていかがでしたか?
TERU:ご褒美ですね、本当に(笑)。昨年の12月頭ぐらいから、もしかしたらクイーンからオファーが来るかもしれないと聞いて、メンバーでどうする?って話していたんですよ。もちろん無条件でやるでしょ!みたいな。1月の頭ぐらいに正式オファーが来たので、ミリオンを獲ったシングル曲だけで構成したセットリストで臨んで。高校時代、友達がクイーンを大好きで。寮だったんですけど、毎日遊びに行っていたらクイーンが流れているような環境で、僕も大好きになったんです。もしかしたら一緒に歌えたりするのかな、みたいな欲もありました(笑)。さすがにそれは叶わなかったですけど、バックステージで一緒に写真を撮ってもらったりもして。僕らが学生の頃から見てきたブライアン・メイもロジャー・テイラーも健在で、すごいなと思いながら見ていました。
─まさにTERUさんもキッズのような状況で楽しんでいたんですね。
TERU:あと、GLAYのデビューのきっかけになったのがYOSHIKIさんなんですけど(デモテープが認められ、94年のデビュー曲「RAIN」をYOSHIKIがプロデュース)、その頃にミュージックステーションで、YOSHIKI & ROGER TAYLORと一緒に出させてもらって。そうした縁もあったので、30年ぶりにちゃんとお会いできたのも嬉しかったですね。
─シングル曲だけで構成したとおっしゃっていましたが、すごいセットリストですよね。
TERU:そうですね(笑)。初めてGLAYを観る人たちに対して、名刺を渡すようなセットリストだったと思います。ファンの方たちも本当に優しくて。「こういった曲があって、一緒に歌うシーンがあると思うのでぜひ聴いてください」ってファン同士の交流がSNSであったりもしたので、すごくいいコラボになったんじゃないかなと思います。
〈クイーン42年ぶりの札幌公演で大合唱、スペシャル・ゲストGLAYと共演〉より、クイーン+アダム・ランバート、GLAY(Photo by Hiroyasu Hatakeyama)
─その話でいくと、サマソニへの出演もびっくりしました。
TERU:どうなるんでしょう(笑)。
─GLAYにとってバンド史上初の夏フェス出演になるんですよね。どうして今、出演を決めたんでしょう?
TERU:もともと30周年だし夏フェスに出てみたいねって話をしていて。どのイベントがいいのか考えた結果、サマソニがいいんじゃないって。いろんな夏フェスがありますけども、サマソニに絞ったのはJIROの意見だったりして。僕らもよくサマソニは観に行っていて、本当にいいイベントだと思っていますし、楽しみにしています。
─夏フェスに初めてかつ、デビュー30周年で出るのは、どんな心境なんでしょう。
TERU:バンドが主体となったイベントーーそれこそVISUAL JAPAN SUMMIT(※2016年にX JAPAN、LUNA SEA、GLAYが共演)だったり、YOSHIKIさん主宰のエクスタシー・サミットなどに出してもらって雰囲気を味わってはいるんですけど、これまでは仲間内のフェスが多かったんです。今回に限っては、知らない人が多すぎて、一体僕たちはどうなってしまうのか不安はありますけど、音楽と夏のお祭りが大好きな人たちが、気軽にGLAYを楽しんでもらえるような環境を作りたいなと思います。
Photo by Masato Yokoyama
─セットリストはもう決めているんでしょうか?
TERU:HISASHIが「俺が決めていい?」と名乗りを上げまして(笑)。なので、シングルだけの構成には絶対ならないですね。ちょっとひねった感じで来るんじゃないかなと思います。HISASHIのことだから、いろんなバンドが好きな人たちが楽しめるようにアプローチした選曲が来るんじゃないかな。クイーンとやった時とはまるで違うテイストになるんじゃないかなと思うので、楽しみにしていてほしいですね。
─サマソニの出演者で気になる方はいますか?
TERU:最近SUPER BEAVERの(柳沢)亮太くんと曲を一緒にやったので(「はなむけ」)、彼らは楽しみですね。あと、Tempalayのドラムのナツキ君(藤本夏樹)とたまたまカフェでお会いしたとき、「僕らもサマソニ出るんですよ」という話になって。同じ出演日になったので、そこも盛り上がりたいなと思います。BAND-MAIDも、小鳩(ミク)ちゃんとよく話したりするので楽しみです。あとは初対面の人ばかりですね。
─サマソニで色々交流が生まれることも期待しております。
TERU:楽しみです。出番が終わったらバックステージで飲んでいるかもしれないので、気軽に声をかけてほしいですね(笑)。
─若いオーディエンスの目には、「こんなにかっこいいバンドがいるのか」って新鮮に映るんじゃないかなと思います。
TERU:最近のライブでは、GLAY世代の方の息子さんや娘さんの世代、大学生くらいのファンも増えているんですよね。そう考えると、初めて観る若い世代の子たちにも楽しんでもらえるんじゃないかなと思います。最初の話じゃないですけど、少年期の終わりの場所に30周年で再び立つことができる。GLAYは何事もやってみないと始まらないって考えで活動しているので、今回夏フェスに出てみて、あまりにも楽しかったら「来年もやりたいね」ってなるかもしれないし、次に繋がるきっかけになってほしいなと思います。
─最後に、30周年イヤーがはじまったばかりですが、どのような1年にしていきたいですか?
TERU:支えてきてくれたファンの子たちが心から楽しめる1年にできたらと思っています。「行きたいけどチケットが取れなくて」という声も聞こえているので、より大きな会場で、よりたくさんライブをやっていきたいですね。
SUMMER SONIC 2024
東京会場:ZOZOマリンスタジアム&幕張メッセ
※GLAYは2024年8月17日(土)18:35〜MOUNTAIN STAGE出演
公式サイト:https://www.summersonic.com/
『whodunit-GLAY×JAY(ENHYPEN)- / シェア』
再生・購入:https://GLAY.lnk.to/62nd_Single_GJ
特設HP:https://www.glay.co.jp/feature/62ndsingle_whodunit
Digital Single「会心ノ一撃」
※TVアニメ「グレンダイザーU」オープニングテーマ
©Go Nagai/Dynamic Planning-Project GrendizerU
配信リンク:https://glay.lnk.to/kaishinnoichigeki
『GLAY 30th Anniversary Museum』
会場:三越前福島ビル (東京都中央区日本橋室町1-5-3 福島ビル)
日程:2024年9月6日(金)〜9月23日(月・祝)
営業時間:土日祝/10:00〜20:30、平日/11:00〜20:30
詳細:https://www.hmv.co.jp/news/article/240619139/
『GLAY 30th Anniversary GLAY EXPO 2024-2025 in BELLUNA DOME』
Blu-ray / DVD
2024年9月18日(水)発売
予約:https://glay.lnk.to/0918_BELLUNADOME_BD_DVD
特設HP:https://www.glay.co.jp/feature/glayexpo_belluna_bddvd
GLAY
17th Album『Back To The Pops』
2024年10月リリース
[Alexandros] presents THIS FES '24 in Sagamihara
会場;相模原ギオンフィールド
※GLAYは2024年10月26日(土)に出演
公式サイト:https://thisfes.com/
GLAY 30th Anniversary ARENA TOUR 2024-2025 "Back To The Pops" Presented by GLAY EXPO
2024年11月8日(金)大阪府 大阪城ホール
2024年11月9日(土)大阪府 大阪城ホール
2024年11月16(土)長野県 長野ビッグハット
2024年11月23日(土・祝)北海道 北海きたえーる
2024年11月24日(日)北海道 北海きたえーる
2024年12月7日(土)東京都 有明アリーナ
2024年12月8日(日)東京都 有明アリーナ
2024年12月14日(土)愛知県 Aichi Sky Expo ホールA
2024年12月15日(日)愛知県 Aichi Sky Expo ホールA
2024年12月21日(土)広島県 広島サンプラザホール
2024年12月22日(日)広島県 広島サンプラザホール
2025年1月3日(金)福岡県 マリンメッセ福岡 A館
2025年1月4日(土)福岡県 マリンメッセ福岡 A館
2025年1月18日(土)神奈川県 横浜アリーナ
2025年1月19日(日)神奈川県 横浜アリーナ
詳細:https://www.glay.co.jp/feature/arena_backtothepops