有村架純

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前向きな声目立つ

 Snow Man目黒蓮が主演する「月9」ことフジテレビ系ドラマ「海のはじまり」(月曜午後9時)の評価が上がり始めている。5日に放送された第6話は「パリ五輪男子バレー日本VSイタリア戦」の裏かぶりとなり、世帯平均視聴率が6.1%と前回から1.1ポイント減(ビデオリサーチ、関東地区調べ)だったが、視聴者からは「涙腺が崩壊した」「脚本が凄まじい」などといった前向きな声が目立つようになってきた。(※以下、ネタバレを含みます)

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 連続ドラマをウォッチングしている放送ライターがこう話す。

「目黒演じる主人公・夏の学生時代の恋人・水季(古川琴音)の死、残された6歳の娘(泉谷星奈)の存在、弥生(有村架純)の妊娠と中絶、罪悪感との葛藤などが、これまで丹念過ぎるほど描かれてきました。視聴者からは『重い』、『暗い』、『もう無理』などの声が上がっていました。ただ、第6話では『ええっ?』と声を上げたくなるとんでもない“偶然”が描かれ、視聴者のハートを揺さぶりました。じっくり見ると凄まじい脚本であることが分かります」

有村架純

 7月1日にスタートした同ドラマは、目黒初の月9主演。川口春奈と目黒が共演して大ヒットした22年10月期の同局系ドラマ「silent」の村瀬健プロデューサー、脚本家の生方美久氏、AOI Pro.の風間太樹監督が再結集して、完全オリジナルストーリーとして制作している。

 当初、目黒は急死した元恋人の葬儀で初めて自分に6歳の娘がいることを知る、という設定が議論を呼んだが、村瀬プロデューサーは自身のXアカウントで「最後までじっくりご覧ください」と繰り返し視聴者に呼びかけてきた。第6話はその意図がはっきりと分かる巧みな展開だった。

 人工中絶による心の葛藤と苦しみを、産婦人科に備えられたノートに綴った弥生。そのノートをさりげなく開いたら、弥生の魂の文章を見つけた水季。弥生の言葉こそが、水季に出産を決意させるきっかけとなったのだ。同じ病院に通っていた弥生と水季が重なるような映像に、心を打たれた視聴者は多かったのではないか。

撮影の美しさは格別

 視聴者からは「『海のはじまり』には、夏くんと水季さんだけでなく、弥生さんもしっかり関わっていたことが分かった」「人に影響されることのない水季が、弥生さんの言葉に救われ、弥生さんの紡いだ言葉によって生まれてきてくれた海ちゃん。とんでもない繋がり方」などと感動を伝える声が多く上がっている。

 もちろん、このようなシーンがあっても「弥生の書いたノートが産むきっかけに、は美談にしすぎじゃないかな」「暗いし楽しいドラマではない。とりあえずは最後まで見ようと思っているけど」などという意見もある。

「賛否両論が渦巻く理由は、世代によって家族観や恋人との付き合い方の感覚や価値観の違いがあるためでしょう。ただ、撮影の美しさは格別です。前回の第5話で、人工中絶手術を終えた弥生が自宅の浴槽で泣き崩れるシーンは、子宮や羊水のメタファーだったと思われます。第6話の弥生と水季の思わぬ繋がりを描くシーンは、弥生と水季の再生と希望を重ねる秀逸な演出でした。何より海を演じている子役・泉谷星奈の無垢で可愛すぎる笑顔に魅了されている視聴者は多いことでしょう。今後の焦点は夏と弥生の関係。夏と弥生は結婚するのか、弥生と海は親子になるのか、目が離せません」(前出の放送ライター)

「海のはじまり」は折り返し点を過ぎた。“はじまりの終わり”はどんな結末になるのだろうか――。

デイリー新潮編集部