夏休みは空港の“地雷駐車場”に気をつけろ!盗難被害などから身を守るために「確認すべき4つのこと」

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〈お盆期間、空港近くのパーキングを利用する方も多いだろう。特に海外旅行客も多い成田空港は、周囲に100ヵ所近い数のパーキングがあるが、なかにはズサンな管理をする“地雷駐車場”も存在している。愛車が被害に遭わないために、できることはあるのか。自動車生活ジャーナリストの加藤久美子氏が、空港駐車場の最新事情に迫る〉

今年6月に成田空港周辺の民間駐車場2ヵ所で10日に11台、26日に9台の合計20台の乗用車が盗難された。

26日に被害に遭ったスーパーパーキング(空港受け渡し専用駐車場)は、多くのメディアで報道されたのでご存じの方も多いだろう。窃盗された9台は、20名以上のスタッフの執念の捜査の結果、72時間以内にすべてを発見することができた。一方、10日に11台が盗まれた駐車場X社は詳細が公表されておらず、複数のメディアの取材に対しても被害を完全否定しているという。成田署に確認しても、「被害者(X社)の協力が得られないので詳しい説明ができない」という回答だった。なお、被害に遭ったというAさんの車は後日、群馬県内で偶然発見されており、現在は復旧作業が行われている。

成田空港の民間駐車場各社の公式サイトには「防犯カメラで完全に管理」「盗難対策も完璧! 大切なお客様の車を守ります」「何かあればすぐに警備会社が駆け付けます!」などの文言が並んでいる。しかし、それらの文言がすべて事実というわけにはいかない場合が多い。

6月10日にX社で車を盗まれ、Googleマップのレビューなどで実態の告発を行うAさんも、取材に対して次のように語っている。

「カギを預けるタイプの駐車場利用は初めてだったが、防犯対策もしっかりしていると書いてあり安心して預けたら、盗まれた。カギはつけたまま保管していたと聞いている」

もちろん駐車場の中には防犯体制をしっかり整えて万が一の盗難に対応しているところも数多くあり、前述のスーパーパーキングのように盗まれた客の車を全力で探しだすほど誠意にあふれた駐車場もある。一方で、なかにはカギを車にさしたままで、明かりの行き届かない暗く広大な駐車場に停めるという、信じられない保管方法を長年続けているところもある。ほかにも、保管期間中についた傷であるにもかかわらず対応しないといったケースや、車内が泥だらけになっているなどの被害に遭った方もいるのではないだろうか。このような“地雷駐車場”に当たらないための自衛策を紹介する。

成田空港周辺には旅行者のための駐車場が100ヵ所近く存在する。さまざまな種類があるが、“地雷駐車場”かどうか、どのように判断すればいいのだろうか。次回利用の参考にしてみてほしい。

1.ネット予約の場合も必ず「電話確認」をする

言葉遣いや態度が悪いものは言わずもがな要注意だ。接客態度はそのまま、保管時の愛車への対応と言っても過言ではない。値段が比較的安いため予約はネットで行う方も多いと思うが、利用前に必ず電話で問い合わせをしてみることをお勧めする。

2.口コミは必ずチェックする

どんなスタッフがいるのか現地に行くまでわからない。だからこそ口コミのチェックは重要だ。特に「スタッフの態度」「客の荷物や車の扱い方など、金額に含まれないサービスをどこまで自主的にやってくれるか」の2点に注意して情報を集めてほしい。

3.車両保管場所を確認する

成田の駐車場のほとんどは、客から車を預かったあと、かなり遠い場所まで車を移動させる。往復の距離が10kmを超えるケースも珍しくない。電話で「車両はどれくらい離れた場所にどのように保管されるのか」「防犯カメラはあるのか」の2点は最低限確認してみよう。曖昧に答えるかそもそも答えない、あり得ないが怒りだすなどするところは“地雷”の可能性が極めて高いと言える。

4.愛車の状態を記録しておく

繁忙期は傷の確認をしっかりしない駐車場も増える。明らかに駐車場スタッフがこすったであろうキズでも「うちは知らない」「関係ない」などと言って逃げるケースもある。自衛策としては預ける前に、その駐車場でぐるっと車のボディまわりを撮影しておくことだ。正確に状態を録画するため預ける前に洗車しておくのがベストだ。

ここに挙げた注意事項は、成田空港の駐車場以外でも当てはまると考えている。楽しい夏の旅行が残念な思い出にならないよう、最低限の自衛は心掛けるべきだ。“地雷駐車場”に当たらないよう、ぜひ気を付けてほしい。

取材・文・PHOTO:加藤久美子