ドル円はNY時間に入って買い戻しが強まっており、再び147円台に上昇している。先ほど発表の米新規失業保険申請件数が予想を下回ったことでドル買いの反応が見られている。先週末の米雇用統計の非農業部門雇用者数(NFP)が予想を大きく下回ったことで、市場ではFRBのより積極的な利下げを織り込む動きが出ている。

 このところ米新規失業保険申請件数は増加傾向にあるが、それは季節性やハリケーンなどで若干の歪みがあるとの指摘も出ていた。先週の弱い米雇用統計を受けて、市場が米雇用指標への警戒を強めている中で、きょうの結果はひとまず安心感をもたらしたようだ。

 市場が一旦落ち着きを取り戻す中で、円キャリー取引の巻き戻しも収まっている。ドル円も買い戻しが膨らんでいるが、150円を試す動きまでは見られていない。景気の先行きやFRBの利下げ、中東やウクライナの地政学リスク、そして秋の米大統領選を控える中で、ドル円のセンチメントは、これまでのように上値を積極的に試す雰囲気までは回復していないようだ。

 なお、日本時間23時のNYカットでのオプションの期日到来は現行付近には観測されていない。

8日(木)
現行付近にはなし

USD/JPY 147.36 EUR/JPY 160.55
GBP/JPY 187.03 AUD/JPY 96.59

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美