紀子さま

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 本誌(「週刊新潮」)は7月25日号にて、秋篠宮妃紀子さま(57)の実弟で東京農大准教授の川嶋舟(しゅう)氏(51)が取締役を務める農業関連会社「グッドソイルグループ」で、金銭トラブルが生じている件を報じた。その後も取材を続けると、同社の代表にだまされたと訴えるまた別の被害者が現れるなど、次々に新事実が明らかになってきた――。

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【写真を見る】怪しいNPO法人の広告塔を務めたことも 紀子妃の弟・川嶋舟氏

 グッドソイルは荒殿忠一(69)なる人物が代表を務める会社で、川嶋氏が取締役に就いた2021年6月の前々月、登記簿の〈目的〉の欄に6点の農業関連ビジネスを追加した。

 現在はホームページを見ると、土壌の開発やレモン圃場(ほじょう)の経営を手がけているようだが、それはあくまで表面上の姿に過ぎない。裏では、荒殿代表の詐欺的な資金集めに泣かされたと訴える人間がいることを、本誌は確認済みである。

紀子さま

「将来、悠仁さま(17)が即位された暁には、川嶋氏は天皇の叔父となります。そんなご身分の川嶋氏はグッドソイルで会合やイベントに参加する要員として、同社の信用力を高めるために利用されたとみられています。しかし、取締役に就いている以上は経営責任を有しており、単に名義を貸しただけという逃げ口上は通用しない。被害者に対して賠償義務を負う可能性があり、重い責任が課せられているといえるでしょう」(経済ジャーナリスト)

“荒さんはすごい”

 さらに、川嶋氏をはじめとするさまざまな著名人との関係を誇示していた荒殿氏は、かねてテレビ制作会社を経営する妻(63)の人脈を利用していたことが判明した。

 さる荒殿氏を知る人物によれば、

「荒殿の奥さんは本当にNHKの番組も手がけていました。例えば、『ファミリーヒストリー』で何度もプロデューサーを務めており、16年に歌手の森山良子さんを取り上げた回は、全日本テレビ番組製作者連盟の優秀賞を取っています」

 荒殿氏はそんな妻から仕入れた情報をもとに、

「著名人の裏話を得意気に語ったり、放送前の『ファミリーヒストリー』の内容を明かしたりしていたのです。そして、“荒さんはすごい”となったら、怪しい投資案件をチラつかせるのがいつもの手でした。ある時は奥さんと共に、オノ・ヨーコさんの妹で芸術家の小野節子さんに会いにアメリカまで行き、一緒に写真を撮っていた。その後は個展をオファーしたと吹聴していましたが、やはり実現しませんでした」(同)

実態の分からない金銭をせびるように

 荒殿氏にだまされ、500万円以上を支払ったと訴える人物の話はこうだ。

「私は8年ほど前、出会ったばかりの荒殿にフジテレビの元社長、豊田皓(とよだこう)さん(78)を紹介してもらいました。当時、私は人工肛門の方が使う便座を売っていたのですが、豊田さんのおかげでフジテレビに二つ売ることができ、荒殿を信用してしまったのです」

 だが、徐々に本性を現していった荒殿氏はイベントへの協賛金など、実態がよく分からない金銭をせびるようになったそうだ。19年10月、他の被害者たちと共に話し合いを持ったが、結局、金銭を返してもらうことはできずに、決別したという。

登記簿は“事件中”に

 豊田元社長に聞くと、

「荒殿さんとは広告代理店の友人を介して知り合いましたが、複数人いる席で何度かお会いしただけ。詳しい素性は存じ上げません」

 NHKの回答は、

「当該の制作会社にご協力いただいた番組はありますが、制作過程に関することはお答えできません」

 川嶋氏と荒殿氏は期限までに返事がなかった。

 今、グッドソイルの登記簿は“事件中”となっており、取締役としての川嶋氏の名前を抹消している最中だと思われる。しかし、これまで川嶋氏が取締役を務め、会合やイベントに参加するなどの業務をこなしてきた事実を消すことはできない。この先、“次代の天皇の叔父”はどのように重い責任と向き合っていくのだろうか。

 関連記事「『1億5000万円以上投資したのに…』 紀子さまの弟が取締役の会社で金銭トラブルが」では、川嶋氏が取締役を務めるグッドソイルグループで役員大量解任という異常事態が起こっていることや、過去に同社に多額の金銭を投資し、同社の代表である荒殿氏と金銭トラブルを抱える人物の告発を紹介している。

「週刊新潮」2024年8月8日号 掲載