世界中から結果に疑いの目が向けられているベネズエラの大統領選挙において不審なデータパターンが見つかる
2024年7月28日に投票が行われたベネズエラの大統領選挙では、現地の選挙管理委員会がニコラス・マドゥロ大統領が得票率の51%超を獲得し、当選したと発表しています。しかし、アメリカや中南米の国々が加盟する米州機構の選挙監視部門は、ベネズエラの選挙管理委員会が発表した投票結果は認められないという見解を発表しました。世界中から疑念が向けられているベネズエラの大統領選挙の結果について、疑わしいデータパターンが見られたとコロンビア大学の統計や社会科学についてまとめたブログが指摘しています。
https://statmodeling.stat.columbia.edu/2024/07/31/suspicious-data-pattern-in-recent-venezuelan-election/
2024年7月28日(日)、ベネズエラの大統領選挙の投票が締め切られてから6時間以上が経過した時点で、国家選挙管理委員会の委員長がマドゥロ大統領の当選を発表しました。国家選挙管理委員会は「投票の80%が集計され、強い傾向が続いています。本日の投票の公式結果が発表されます」と述べ、以下の投票結果を発表。
候補者名票数得票率ニコラス・マドゥロ515万92票51.2%エドムンド・ゴンザレス444万5978票44.2%その他46万2704票4.6%合計1005万8774票100.0%
このデータの内、得票率を小数点以下7桁まで詳細に記すと以下のようになります。
候補者名票数得票率ニコラス・マドゥロ515万92票51.1999971%エドムンド・ゴンザレス444万5978票44.1999989%その他46万2704票4.6000039%合計1005万8774票100.0000000%
この結果についてブログでは「まるで投票数から得票率を計算したのではなく、得票率を決めてから投票数を計算したかのようです」と指摘されています。つまり、選挙結果はあらかじめマドゥロ大統領が当選することが前提で作成されたデータであると指摘されているわけです。
例えば、最初に総投票数を決めて、マドゥロ大統領の得票率を51.2%、対立候補のゴンザレス氏を44.2%、その他候補を4.6%とした場合、各候補の投票数は以下の通りになります。しかし、このままデータが公表されてしまえば、データが改ざんされたことは明らかです。
候補者名票数得票率ニコラス・マドゥロ515万92.288票51.2000000%エドムンド・ゴンザレス444万5978.108票44.2000000%その他46万2703.604票4.6000000%合計1005万8774票100.0000000%
そこで小数点以下を切り捨てると、ベネズエラの国家選挙管理委員会が発表した投票結果の通りになってしまいました。
候補者名票数得票率ニコラス・マドゥロ515万92票51.2%エドムンド・ゴンザレス444万5978票44.2%その他46万2704票4.6%合計1005万8774票100.0%
なお、ブログでは本当にリアルな投票で上記のような数字が出てることがあるのかを検証すべく、ランダムに分布する得票率を候補者に割り当てて、得票率の小数点未満を四捨五入してから投票総数の「1005万8774」を乗算し、最も近い整数に四捨五入するというシミュレーションを実施し、これが投票総数の「1005万8774」と同じ数字になるかどうかを検証しています。しかし、シミュレーションを100万回繰り返しても一度も四捨五入がうまくいくことはなかったそうです。
この他、ブログでは選挙管理委員会がまだ20%の票が残っている状態でマドゥロ大統領の当選を発表したことは少し異常に思えると指摘しています。