裁判を起こした男性が、女性上司に返信していたメール。仕事とはあまりにも無関係の内容だった(『New York Post 「San Francisco DA employee sues city after losing job over racy ‘reply-all’ email ― claims sent by accident」』より)

写真拡大

米サンフランシスコの地方検事事務所で働いていた男性が、不当解雇などで訴訟を起こした。男性は女性上司にメールを返信した際、「何色のパンツをはいているの?」と他の職員のアドレスも含めて一斉送信し、それが原因で解雇されていた。男性は「友人に送るはずの文面だった」と主張しているという。米ニュースメディア『New York Post』などが伝えた。

【この記事の他の写真を見る】

サンフランシスコ地方検事事務所の職員だったジョヴァン・トーマス氏(Jovan Thomas、56)は今月19日、女性検事のブルック・ジェンキンス氏(Brooke Jenkins)と彼女の事務所、及び従業員対する訴状を最高裁判所に提出した。

ジョヴァン氏は、ブルック検事の事務所で被害者代理人として勤務していた。ある日、事務所では1998年に殺害されたゲイの学生マシュー・シェパードさん(Matthew Shepard)を追悼する会を計画しており、ブルック検事は事務所の職員全員にメールを一斉送信した。ジョヴァン氏はブルック検事から届いたこのメールに対して、「何色のパンツをはいているの?」と不謹慎な返信をしたことを理由に今年1月26日、解雇された。

ジョヴァン氏は当時、亡くなった父親の納骨のためにニュージーランドにいる長年の友人とテキストメッセージでやり取りしていたという。落ち込んでいた友人を元気づけるため、おふざけのつもりで問題の文章を送ろうとしていた。ところが送信しようとしたところ、ブルック検事からのメールが届き、友人に送るはずだった文章をそのメールに送ってしまった。

誤送信をした直後、ジョヴァン氏は送った文章が誤りであると訂正して謝罪のメールを送った。ジョヴァン氏は「私は敬意や品位を持って振る舞う人間であり、今回の件は普段の私とは違うということを心に留めておいてください」とも説明したが、その日に解雇を告げられた。

その数日後、ジョヴァン氏が送ったメールがネット上で拡散され、多数のメディアが取り上げる事態となった。ブルック検事の事務所の広報担当者ランディ・ケサダ氏(Randy Quezada)は、ジョヴァン氏のメールについて「女性差別的な行為であり、同事務所の行動規範に違反しているため解雇しました」と述べている。

そして解雇されてから半年が経過した今月19日、ジョヴァン氏は「該当のメッセージに性的及びいかがわしい、または猥褻な内容や女性差別性差別的な意図はなかった」と主張し、不当解雇、プライバシーの侵害、名誉棄損、深刻な精神的苦痛を与えられたことを理由に裁判を起こした。ジョヴァン氏は陪審裁判と、填補的損害賠償や懲罰的損害賠償を求めている。

なお、ジョヴァン氏はかつて仕事で担当していた顧客からセクハラ被害で訴えられたが、「セクハラ行為をしたという証拠はない」として2021年12月に棄却されていた。

ジョヴァン氏が今回、訴訟を起こしたことが各メディアに報じられると、「この人は本気で訴えようとしているの?」「自分だったら恥ずかしくて翌日から出勤できないし、訴えるなんてもってのほか」「父親を亡くした親しい友人にこんなメッセージ送る?」など、ジョヴァン氏の行動に疑問を呈する声が相次いでいる。

画像は『New York Post 「San Francisco DA employee sues city after losing job over racy ‘reply-all’ email ― claims sent by accident」(AP)』より
(TechinsightJapan編集部 iruy)