日本に敗れたマリ。写真:金子拓弥 (サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

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 そんなバカな…。

 現地時間7月27日、パリ五輪のグループステージ2戦目で終盤の82分、日本に先制されたマリの選手たちはそう思ったはずだ。それまで試合を優勢に進めていたのは明らかにマリで、シュートらしいシュートを打てなかった印象の日本にいわばワンチャンスを決められたのだから、想定外の被弾によるダメージは計り知れなかった。

 実際、0-1になってからのマリは焦りの色が色濃くなりミスが目に付いた。あの失点によってメンタル的に動揺しているように見えたマリを象徴する出来事が、終了間際のPK失敗だろう。

 後半のアディショナルタイム、日本のハンドでPKを獲得したマリ。ここでプレッシャーがかかったのは間違いなく彼らだった。
 
 決められても同点の日本と、外せば負けが濃厚となるマリでは状況が違いすぎたというのが個人的な見解だ。堂々たる佇まいでゴールマウスに立ったGK小久保玲央ブライアンが何かやってくれるのではないかと期待したファン・サポーターも多かったのではないか(結果、キッカーを務めたシェイクナ・ドゥンビアのシュートは枠外に)。

 結果的に終盤にどうにかもぎ取った1点が日本にとっては大きかった。あれでマリのメンタルを打ち砕いたと言っても大袈裟ではないだろう。メンタルスポーツでもあるサッカーの試合において、こうした精神のブレがゲームの流れ、プレーに影響を及ぼすことは多々ある。その点で、日本対マリはサッカーの醍醐味を味わえる一戦だったとの見方はできるかもしれない。

文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)

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