日本時間2024年7月19日午後に発生した「Windowsがブルースクリーンになり、強制的に再起動を繰り返す」というトラブルは、日本だけでなく世界同時多発的に発生しており、一般企業だけでなくさまざまな業界に甚大な影響をもたらしています。特に被害が拡大しているのが航空業界で、デルタ航空ではこれまでに4000便以上のフライトがキャンセルされています。

Delta Air Lines faces widespread flight cancelations after IT outage | Reuters

https://www.reuters.com/business/aerospace-defense/more-us-flights-cancelled-wake-global-cyber-outage-2024-07-21/



2,800 US flights are canceled as a global computer outage wreaks havoc on businesses, 911 systems and government agencies | CNN Business

https://edition.cnn.com/2024/07/19/business/delta-american-airlines-flights-outage-intl-hnk/index.html

Major Windows BSOD issue hits banks, airlines, and TV broadcasters - The Verge

https://www.theverge.com/2024/7/19/24201717/windows-bsod-crowdstrike-outage-issue

この問題はサイバーセキュリティサービスプロバイダーのCrowdStrikeがアップデートの際に問題のあるファイルを配信したことが原因とされており、ジョージ・カーツCEO名義で顧客に対して謝罪文を掲載する事態に至っています。

CrowdStrikeによると、この問題に対する修正パッチがすでに適用済みとのことですが、記事作成時点でも影響は依然として続いています。デルタ航空では、今回の問題によって乗務員の追跡関連ツールの1つが影響を受け、システムを停止しています。そのため、問題が発生した2024年7月19日と20日には約2400便のフライトがキャンセル。続く21日は記事作成時点で1200便、22日にはすでに258便の欠航が決定しています。



デルタ航空のエド・バスティアンCEOは「今回の問題は、旅行で最も忙しい夏の週末に発生しました。一連の問題によって影響を受けた皆さま全員にお詫び申し上げます」と述べています。なお、デルタ航空は今回の問題の影響を受けた顧客に対し、別のフライトで利用できるマイルとバウチャーを提供するとともに、ホテルや食事などの費用を負担することを表明しています。

アメリカ連邦航空局(FAA)は「アメリカの航空会社のITシステムに影響を与えている技術的な問題を注意深く監視しています。いくつかの航空会社が、問題が解決するまでの運行停止に関してFAAの支援を要請しています」と報告しました。





CrowdStrikeの問題の影響は航空会社だけにとどまらず、病院や連邦機関にも大きな打撃を与えていることが報告されています。シンシナティ小児病院は「Microsoftベースのコンピューターシステムの多くが世界的な技術障害の影響を受けています。当病院のチームは、患者のケアとシステム運用の中断を最小限に抑えるために懸命に取り組んでおり、システムの可能な限り早い復旧を目指しています」と述べていました。





その後、シンシナティ小児病院は尽力の結果、一部の例外を除き業務が復旧したことを報告しています。





また、アメリカ司法省は今回の問題によって業務が停止しており「復旧のめどは立っていない」と述べているほか、社会保障局ではオンラインでの対応が困難になり、電話対応に限られるケースも発生していました。さらにアラスカ州やニューハンプシャー州などでは、多くの緊急通報コールセンターなどが適切に機能していなかったことが報告されました。





海外メディアのBBCは、一連のCrowdStrikeの問題に関して時系列ごとのレポートをまとめています。