唯一無二の穴開きヘッドホン。こう見えて音漏れ対策も音質も完璧
あれ? ヘッドホン着けてるのに耳が見えてるぞ?
オープンイヤーな耳スピーカーで話題のブランドnwm(ヌーム)から、フラッグシップなオーディオ製品が登場しました。
その名は「nwm ONE」。価格は3万9600円で、すでにAmazonや家電量販店にて販売中です。
nwmはNTTソノリティ(NTTを親会社とするベンチャー企業)発の音響ブランド。過去にはワイヤレスイヤホンや有線イヤホンを手掛けており、今回の製品は待望のヘッドホン型になります。でも、ただのヘッドホンじゃあないんです。
耳をふさがないヘッドホン
こちらが「nwm ONE」。ヘッドホンのような見た目ですが、耳を覆うイヤーカップ部分がスカっと穴開きになってるんです。耳が来る位置にはスピーカーがぶら下がっていて、ここから音が出る仕組み。
いわば、ながら聞きができるヘッドホンといえますね。耳をふさがないオープンイヤー型のイヤホンは近年増えてきましたが、調査によるとオープンイヤー型の国内市場規模は昨年の2倍にも増えているそうな。
ヘッドホンでオープン型というと密閉しないタイプを指しますが、こちらはもっとオープン。
公式はオーバーヘッド型イヤースピーカーと呼称しており、ヘッドホンとはやや異なる性格をしているわけです。だって耳周りスカスカだからね。
本体重量は185gと非常に軽量。ご覧のように耳周辺に空間があるので、耳が蒸れることもなし。バッテリー時間は約20時間。
首にかけるとこんな感じ。耳をギュっと圧迫しないのでピアスや髪を挟まないで済むのも利点です。
nwm初、独自技術をダブルで搭載
こうもスピーカーが丸出しだと、気になるのは音漏れ。
nwmは独自のPSZ(Personalized Sound Zone)技術という、耳付近にのみ音を作り出す技術を持っており、音漏れ対策には自信があります。
仕組みとしては逆位相の音を打ち出すことで、耳周囲の一定距離のみ音が聞こえるようにするイメージ。
ここが音が出るスピーカー部分。
低域用の35mmドライバー+高域用の12mmのドライバーを同軸に揃えた、独自のデュアルドライバー設計になっています。
頭を挟む側圧部分はシリコンのような柔らか素材を採用。
こちらはドライバーが見えるよう分解されたもの。
いわく、ドライバーの開発はもっとも時間がかかったとのこと。それぞれのドライバーは独立したアンプで駆動し、歪みも極力抑えられています。
加えて、騒がしい場所でもクリアな音声を届ける「Magic Focus Voice」も搭載。これはnwmが今年発表した有線イヤホンに採用している技術で、ビームフォーミングによる発信位置の特定とスペクトルフィルターを組み合わせたもの。
PSZとMagic Focus Voice。この2つの技術を搭載した製品は、nwmにとって本機が初めてになります。フラッグシップらしい技術全部乗せで、リスニングもテレワークもお任せってなわけです。
Bluetooth接続のほか、USB Type-CによるUSBオーディオ接続にも対応。PCに繋いで充電しながら使えば、実質永久に使えますね。
低音も高音も聞こえる、でも音漏れはしない
気になる聴き応えですが、こんなに耳周りスカスカなのに驚くほどはっきりと音が聞こえました!
ドラムのキックもロー部分がよく出てるし、ピアノのキラキラ感も十分。iPhoneに繋いで音量5割でも十分な迫力を感じました。
と同時に、耳をふさいでいないから周囲の環境音も耳に入ってくる。
音漏れもチェックしてみましたが、音量7割でヘッドホンの数センチ近くまで寄ってようやくわかるかなといった具合でした。これより音漏れするイヤホンやヘッドホン、いくらでもあるぞ…。
スピーカー部分はわずかに回転します。回転させると耳に対してドライバーをまっすぐ向けられ、より音圧が向上。高音が特に聞きやすくなった気がします。
音楽は「没入」から「共存」へ
CES2024で見かけた際は変わったヘッドホンだなと思ってましたが、いざ試聴してみると想像以上に「しっかり聞けた」というのが素直な感想。
オープンイヤー型のイヤホンは音量や低音が物足りないと感じることもありましたが、本機はどちらも十分に出ています。そもそもドライバーを2種搭載してるってかなり音質に本気な証ですよ。
デザインについても、穴開きの特異性よりもプロダクトとしての美観が目につきます。写真で見るとインパクトあるけど、実物を触ると「意外とアリじゃん」と思えるタイプです。
耳の蒸れや圧迫感といったヘッドホンの課題をまるっと解決した「nwm ONE」。ながら聞きヘッドホンという新境地の開拓が、ここから始まるかもしれません。
Source: nwm, GREENFUNDING