公開練習でミット打ちを披露したジョナサン・ロドリゲス【写真:浜田洋平】

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那須川天心の次戦相手ロドリゲスが練習公開

 ボクシングの那須川天心(帝拳)と対戦するWBA世界バンタム級4位ジョナサン・ロドリゲス(米国)が12日、都内の帝拳ジムで練習を公開した。20日に東京・両国国技館で120ポンド(約54.43キロ)契約10回戦を予定。ボクシング転向4戦目の那須川を指導する元世界2階級制覇王者・粟生隆寛トレーナーが練習を視察した。戦績は25歳の那須川が3勝(1KO)、25歳のロドリゲスが17勝(7KO)2敗1分け。

 ロドリゲスはシャドー、ミット打ちをそれぞれ2回ずつ披露。軽快な動きで父・インディオトレーナーの持つミットに拳を叩きつけた。視察した粟生トレーナーは「印象は特にない。本気でやっていないし、やる時期でもないので」と踏まえた上でこう続けた。

「雰囲気として『勝てるな』という感覚は出てきました。タイベルトと初めて会った時の感覚です。これなら勝てるなと」

 現役時代の2010年、WBC世界スーパーフェザー級王者ビタリ・タイベルト(ドイツ)に判定勝ち。2階級制覇を達成した。当時に似た雰囲気を感じ取ったという。「試合を見ても特別なスピードはないです。近い距離の右のスイング(パンチ)は警戒しないといけないですが、なるべく入らずに遠い距離で試合を組み立てて、行く時に行けばいい。なんとなくのプランはできた」と自信を深めた。

 ロドリゲスはアマチュア時代にジュニア五輪に出場し、2017年に州王者になった。18年にプロデビュー。昨年11月には元WBA世界スーパーフライ級王者でWBA世界バンタム級4位だったカリド・ヤファイ(英国)に初回KO勝ちした。世界ランクはWBA4位につけ、死角からの右フックが脅威。那須川にとっては初の世界ランカー対決となる。

 インディオトレーナーは「全てにおいてスキルが高い。平均的に穴がない選手」と胸を張る。ロドリゲスは米国以外で試合をするのは初めて。「全く心配も不安もない。環境は違うけど、試合をしに来た。リングに入れば関係ない。最終的にどうなるかわからないが、彼はスピードがあって良い選手だと知っているけど、タイミングが合えば当たる。当たらなくても当てに行く」と思い描いた。

 減量は残り5ポンド(約2.27キロ)という。那須川は13日にスパーリングを打ち上げ予定。粟生トレーナーは「ここに来て“やっとめっちゃ”上がってきました。“やっと上がった”ではなく、“やっとめっちゃ”です。この時期によく動くけた」と強調。「気を緩ませるのはよくないので、しっかり注意すべきところを伝えたい」と愛弟子の舵取りを約束した。

○…今興行はトリプル世界戦。WBC世界バンタム級王者・中谷潤人(M.T)が指名挑戦者の同級1位ビンセント・アストロラビオ(フィリピン)と初防衛戦を迎える。WBO世界スーパーフライ級王者・田中恒成(畑中)も、同級12位ジョナタン・ロドリゲス(メキシコ)と初防衛戦。WBO世界フライ級王座決定戦では、同級2位・加納陸(大成)と同級3位アンソニー・オラスクアガ(米国・帝拳)が対戦する。「Prime Video presents Live Boxing」の第9弾として、Amazon プライム・ビデオで生配信される。

(THE ANSWER編集部)