デビュー戦を制したラインパシオンと大江原比呂騎手(今年6月撮影、ユーザー提供:逃亡者スズカさん)

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 史上6人目の偉業なるか。今年デビューの大江原比呂騎手が、函館2歳ステークス(2歳・GIII・芝1200m)のラインパシオン(牝2、美浦・水野貴広厩舎)で重賞に初挑戦する。

 大江原騎手は04年8月17日生まれの19歳。今年3月にデビューして、これまでJRAで120戦2勝。6月9日の東京4R・3歳未勝利のズイウンゴサイで待望の初勝利。6月29日には福島6R・2歳新馬をラインパシオンで制し、2勝目を手にした。そのラインパシオンで今週末は函館2歳Sに参戦する。ダートでの勝ち上がり、しかも中1週での長距離輸送となるが、人馬ともに今後に生きるチャレンジとなるだろう。

 仮に勝利となれば記録尽くめだ。JRAの重賞初騎乗初勝利は一昨年の北九州記念をテイエムスパーダで制した今村聖奈騎手以来で史上6人目。JRA所属の女性騎手の重賞制覇は藤田菜七子騎手、今村聖奈騎手、永島まなみ騎手に続き、史上4人目となる。そして馬にも快挙あり。前走が函館以外だった馬が函館2歳Sを勝てば、札幌開催だった09年のステラリード以来となるが、この年はスタンド改築工事で函館開催がなかったので参考外。実質的には76年のソーウンムサシ以来、実に48年ぶりとなる。そして前走が本州の競馬場だった馬の勝利となれば史上初だから凄い。

 記録ラッシュの戴冠で、北のファンを沸かせることができるか。19歳の思い切った手綱捌きを期待したい。