日本最大級のサラブレッドセリ市 四半世紀の歴史持つ「セレクトセール」とは何?
北海道・苫小牧のノーザンホースパークで8日(月)、9日(火)の2日間にわたり、「セレクトセール2024」が行われる。億超えは当たり前で、ときに5億円、6億円とジャンボ宝くじの一等に匹敵する落札金額もとび出す、日本最大級のサラブレッドセリ市。だが、“セレクトセール”の名前や言葉を知っていても、実際にどんなセールなのか、知らないファンもいるのではないか。
スタートしたのは1998年のこと。日本競走馬協会がそれまで市場に登場することが無かった良血馬を上場させることにより、サラブレッドの開かれた流通体制を構築。第1回から50億円にせまる取引額を記録し成功を収めると、規模は年々拡大していき、昨年は2日間で売上が281億円を超えた。今では、「セレクトセールの誕生が日本の競走馬市場を変えた」との声も。毎年多くのGIホース、重賞ウイナーが出ており、関係者だけでなく、ファンからも注目を集めている。
最大の特徴は選定委員会が存在し、そこで選ばれた馬だけが上場できるところ。種牡馬や繁殖牝馬の血統や将来性、近親を含めた競走成績などを勘案して選出。上場可能頭数の範囲内で、上位に選考された馬だけがセールに出てくる。競走成績に関しても詳細な決まりがあり、一例を挙げると、最優先されるのは以下の馬たち。
■中央競馬
重賞レース、リステッド、国際せり名簿基準書に掲載されたオープン競走の勝ち馬。
■地方競馬
ダートグレード競走、およびグレード導入前の南関東重賞、東海三大競走(東海ダービー、東海菊花賞、東海桜花賞)や、1着賞金3000万円以上の主要競走勝ち馬。
■海外競馬
国際G1~G3競走、およびカナダのローカルグレードレース、パートI国のリステッドや、それに準ずる北米ステークスの勝ち馬。
また、公益性を期すための規定も存在。選定にかかわる順位付けの結果、上場馬が特定の所有者に偏る場合などは、優先順位にかかわらず、販売者の了承を得て特定の馬を選定外とすることができる。以上のようにさまざまな決まりが選定委員会の中で設けられており、質の高い上場馬が揃うように仕組みづくりがされている。
今年も2日間で当歳、1歳ともにそれぞれ200頭以上が上場予定。平日昼間の開催にはなるが、将来のスターホースを探して見てはいかがだろうか。