タバコの禁断症状を乗り越えるには? 医師お勧めの禁煙のコツとは

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禁煙ができないのはニコチン依存症という病気のせいです。禁煙外来では、医師のサポートの元、禁断症状を和らげられるといいます。そのほかにも禁煙のコツを、とだ小林医院に小林先生に教えてもらいました。

※この記事はMedical DOCにて【タバコに含まれるタールやニコチンの有害性を医師が解説 禁煙のコツやメリットもご紹介】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

≫ タバコに含まれるタールやニコチンの有害性を医師が解説 禁煙のコツやメリットもご紹介

監修医師:
小林 隆之(とだ小林医院)

千葉大学医学部卒業。千葉市立青葉病院、JR東京総合病院、千葉大学医学部附属病院での勤務後、千葉大学大学院を修了し、現職へ。呼吸器内科が専門だが、それ以外の幅広い症状にも対応している。医学博士。日本呼吸器学会専門医、日本内科学会認定医。

編集部

では、禁煙すると健康になるのでしょうか?

小林先生

そうですね。「SGR」と呼ばれるアメリカの公衆衛生長官の報告書では、「禁煙は性別・年齢・喫煙による病気の有無を問わず、全ての人々に大きく、かつ迅速な健康改善をもたらす」と報告しています。この報告書のほかにも、世界中で様々な研究データが禁煙の健康効果を示しています。

編集部

例えば、禁煙にはどのような効果があるのでしょうか?

小林先生

一例を挙げると、禁煙して数日後には味覚や嗅覚が改善し、朝の目覚めも良くなると言われています。また、禁煙2週間以降から心臓や血管などの循環機能が改善し、早ければ1カ月で、呼吸機能も改善します。さらに、数年後の発がんリスクが低下することも期待できるとされています。(※)

※厚生労働省 e-ヘルスネット「禁煙の効果」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/tobacco/t-08-001.html#:~:text

編集部

禁煙のコツはありますか?

小林先生

禁煙後2~3日は、ニコチンの離脱症状(禁断症状)が最も強く出ます。そのため、禁煙を開始して3カ月くらいは、「できる限り喫煙者と会う予定を入れないようにする」「周りの人にも禁煙を宣言して協力してもらう」などを心がけることで禁煙に近づけると思います。

編集部

ほかにもあれば教えてください。

小林先生

禁煙の経済的なメリットは、モチベーションにつながる人が多いようです。仮に1日1箱タバコを吸う人が禁煙すると、1年で20万円ほどの節約になります。これを10年続けると、車が買える金額が節約できますよね。ほかには、禁煙外来などを利用するのもおすすめです。医師のサポートを受けながら、パッチや飲み薬などを使って禁断症状を和らげます。一定の基準を満たせば保険が適用されますので、まずはお近くの禁煙外来をおこなっている医療機関に相談してみてはいかがでしょうか。

編集部

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

小林先生

喫煙によるメリットは一切ないです。その一方で、ご自身や周囲の人たちの健康への悪影響、経済的負担などのデメリットはたくさんあります。また、妊娠中・子育て中の人は、赤ちゃんやお子さんの健康や発達への悪影響があります。喫煙者はタバコを吸うと集中力が上がると思いがちですが、それはニコチン依存症による錯覚にすぎません。禁煙ができないのは、ご自身の意思が弱いからではなく、ニコチン依存症という病気だからです。禁煙をする際には、サポートしてくれる人はたくさんいますので、1人で悩まずお近くの禁煙外来にご相談ください。