コパ・アメリカではメッシの躍動ぶりもみられたが、大会としてより魅力を感じるのはやはりEUROか。(C) Getty Images

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 6月も色々あった。

 EURO、コパ・アメリカが始まった。欧州の1番を決めるEUROとアメリカ大陸王者を決めるコパ・アメリカ。

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 以前は南米の一番を決めるコパ・アメリカだったが、今ではアメリカ、カナダ、メキシコと次回ワールドカップ開催国に、コスタリカやパナマ、ジャマイカなどが入り、少し拡大した感があるが、やはり注目はブラジルとアルゼンチンだろう。

 EUROはスペイン、ドイツ、フランスを筆頭にイタリアやクロアチア。数えれば興味のある国は多い。まだグループリーグが終わったところでなんとも言えないが、オランダ、デンマーク、チェコにセルビア、ベルギーまで、Abemaが51試合を無料配信なんて…本当に感謝。楽しみでならない。どのカードを見ても面白い。

 コパ・アメリカもプレミアムチャンネルで配信だが、南米となるとヨーロッパとは違う。

 以前の僕であれば南米サッカーをマニアックに楽しみたかったが、ブラジル代表もパッとしないだけでなく、興味はブラジルーアルゼンチン戦くらいで、アルゼンチンとカナダが戦っても、ブラジルがどこ何処と戦っていても、サッカーを知るという勉強の意味では見なければと思うが、いちファンとしてはやはりEUROになってしまうのは…、日本のサッカーの流れだけではなく、世界のトレンドでありスタンダードなのであろう。

 残念だが、アルゼンチンーカナダにチャンネルを合わせてもテンションは上がらない。しかし見れば違う。学ぶべき部分も新しいこと知ることもできる。カナダ代表の進化や世界の流れを見ることは出来た。

 ただ、単純に僕が今の立場で感じるのは、EUROには華やかさとエンターテイメント性があり、見ていてシンプルに面白いということだ。

 それはそうであろう。南米のクラブも選手も、ほとんどがヨーロッパでプレーさせること、プレーすることを目指している。ブラジルにとって若手選手はレアル・マドリーでプレーさせるための原石なのだ。ブラジル代表の10番、9番を育てるのではないのだ…。

 南米の欧州化が進む中、南米にあって欧州にないものは…見比べればただ一つ。メッシがいるのが南米。いないのは欧州。世界でもメッシに次ぐスーパースターは育っていないようにも思える。
 
 次の話題はJリーグだ。

 リーグ首位の町田ゼルビアが筑波大学が天皇杯でPK戦の末に敗戦した。歴史ある天皇杯でリーグの台風の目になっている町田の姿が消え、同じタイミングで名古屋グランパスも地域リーグのJAPANサッカーカレッジ(JSC)に0-1で破れ、優勝を狙える力のある、しっかりした予算を持って戦っているクラブがいなくなるのは残念でもある。

 しかしリーグ、カップ戦と過密日程の中に代表で選手を奪われ、勝ち進むのがなかなか簡単ではない「天皇杯」という大会は、歴史的にもジャイアントキリングが起こりやすくなっているのだ。

 僕もかなり前の話だが、リーグ優勝した年に天皇杯2回戦で国士舘大学に町田と同様でPK戦により敗退した経験があった。

 当時の読売クラブは、今で言えばJ1リーグのリーダーのようなクラブだった。そのクラブが大学生に負けたのだが、今のようにSNSが発達していたら、どんなことになっていたのだろうか。

 しかし当時、個人を誹謗中傷することはあまりなかった。想い出作りに必死にファウル覚悟で怖いものなしで掛かって来る天皇杯の大学生ほど、怖く強いチームはない…笑。

 町田の黒田監督はひとりで責任を被り、相手チームのプレーに対して少し強めのコメントをし、その結果として監督が批判されたように見えるが、それも彼の戦略だろう。

 興味は黒田監督の発言に集まり、選手への責任の声は一切上がらなかった。そして、その後のJリーグではマリノスにしっかり勝利して現在、首位をキープ。

 プロの監督として大学チームに対して批判めいたコメントをするのは大人気ないように思えるが、彼はチームのため、チームを勝たせるために、敢えて嫌われ者を買って出ているのであろう。 

 Jリーグは後半戦に入る。ここからが本当のプロフェッショナルとしての時期になる。良い距離で確認していきたい。

 そして最後はカズが日本に戻り、アトレチコ鈴鹿クラブへの加入が決まった。25日にはサッカーの聖地、国立競技場で記者会見が行なわれた。
 
 やはり会見での立ち居振る舞いに華がある。そんな良い雰囲気の会見であった。さすがカズ。

 ポルトガルで1年半、10試合出場。得点を奪うという目標は叶わなかったが、良い経験を積んで戻って来たのであろう。

「ベテランらしくないプレーをしたい」という会見でのコメントは、カズの選手としての成長であろう。そして得点にこだわるカズが亡き父のために奪いたかった得点。奪えなかった悔しさ、出場時間。それを鈴鹿という新天地で思う存分、果たしてほしい。

 カズを勘違いしてはいけない。カズは60までプレーしたくて鈴鹿を選んだのではない。すぐプレーしたいからグラウンドでプレーしたいから、その確率の高いチーム、カテゴリー、状況、環境を選んだのだと思う。

 そして、そのJFLというカテゴリーでもそれが難しく簡単ではないということを知っているから、また努力をするのであろう。

 努力の数(かず)ほど、またカズが輝くチャンスと運とツキが訪れることを祈りたい。

 6月もたくさん色んなことが起きた。そして7月もまたサッカーは続く。

 EUROとコパ・アメリカの結果が出る。どこが優勝するのであろうか? 目が離せない。楽しみな月になりそうだ。

2024年6月30日
三浦泰年