ガソリンの給油ノズル「実は…“太さ”が違う」のはなぜ? 隠された工夫とは?「本当はすごい」ガソリンスタンドの「深い話」
実は…給油ノズルは太さが違うんです!
街中のガソリンスタンドを見ると、スタッフが給油してくれるフルサービスのガソリンスタンドのほか、近年ではセルフサービスのお店が増えてきています。
それに伴って、自分でガソリンを給油するドライバーも多くなっています。
そんな日常的に触れる機会のあるガソリンスタンドの給油ノズルですが、それぞれの油種によって「太さ」に違いがあります。
1998年の消防法の改正により「顧客に自ら給油などをさせる給油取扱所」が認められ、セルフのガソリンスタンドは普及が進みました。
【画像】えっ!…これが給油口の 「ビックリな構造」です(24枚)(24枚)
ちなみに日本初のセルフのガソリンスタンドは、静岡県静岡市にあるセルフ清水草薙SSだといわれています。
2023年8月に一般財団法人日本エネルギー経済研究所石油情報センターが発表した「セルフSS出店状況調査結果について」によると、2023年3月末時点でセルフのガソリンスタンドは全国で1万721店舗あり、年々増加しています。
セルフのガソリンスタンドはスタッフのサービスがない分、ガソリン価格が安いことが多く、自分で好きな量だけ給油できるため、利用者が増えていると考えられます。
また有人のフルサービスと異なり、24時間営業しているところが多いというのも嬉しいポイントです。
油種にはハイオクガソリン、レギュラーガソリン、軽油の3種類があり、車両に適したものを給油する必要があります。
具体的には、「オクタン価」と呼ばれるエンジン内部での異常燃焼を防ぐ指標がハイオクガソリンとレギュラーガソリンとでは異なり、ハイオクは96.0以上、レギュラーは89.0以上(日本工業規格)と定められています。
もしハイオクガソリン車にレギュラーガソリンを入れると、本来の性能が発揮されず、故障や火災の原因になる可能性があります。
いっぽう軽油は「ディーゼル車用の燃料」です。
ガソリン車に軽油を入れたり、逆にガソリンをディーゼル車に入れると、エンジンが止まって、部品交換が必要になることがあります。
また、過去には「軽自動車だから軽油」と誤解して給油する事例もありました。
そんな誤給油を防ぐため、ガソリンスタンドの給油ノズルの色は法令で決まっており、ハイオクは黄色、レギュラーは赤色、軽油は緑色と定められています。
さらに、軽油用のノズルはガソリン用より太く設計されているため、軽油用のノズルをガソリン車に差し込もうとしても入らないように工夫されています。
ノズルを差し込んだときに違和感があれば、油種を確認することが大切です。
また、給油ノズルの先端には検知口があり、給油タンクが満タンになるとその穴が塞がり、センサーが満タンを検知して給油が自動的に停止するようになっています。
それ以上に給油を続けるとガソリンが吹きこぼれることがあるため、注意が必要です。
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まとめとして、給油ノズルには誤給油を防ぐために、油種によって給油ノズルの色や太さを変える工夫が施されています。
他にも、本来無色透明のガソリンをあえてオレンジに着色することで、灯油と区別しやすいようにするなど、クルマの故障や事故を防ぐために対策されています。