長谷部誠が現役ラストシーズンを終えた【写真:Getty Images】

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長谷部が引退会見を実施

 今シーズン限りで現役を引退した元日本代表MF長谷部誠が5月24日、都内で現役引退記者会見を行った。

 ドイツ1部フランクフルトのマルクス・クレシェSDとともに登壇。現役引退に対して「後悔はない」とし、2つの理由を明かした。

 40歳の長谷部は今年4月17日に今シーズン限りでの引退を発表。現地時間5月18日にフランクフルトのホームで行われたRBライプツィヒとの最終節がラストマッチとなったなかで、後半アディショナルタイムから数分間ピッチに立ち、多くのファンに見守られながら現役最後の瞬間を迎えた。

 最終的にブンデスリーガ通算出場試合数を384に伸ばし、外国人の選手としては、1位のクラウディオ・ピサーロ(490試合)に次ぎ、ロベルト・レバンドフスキ(FCバルセロナ)と並んで歴代2位タイに。アジア人選手としては歴代1位の出場記録を保持し、現役キャリアに幕を下ろしている。

 長谷部は24日に東京で現役引退記者会見を開催。キャリアを終えたばかりの自身について「1週間ぐらい経った今も、正直まだあんまりあの実感はそんなに湧かない。毎年のオフに入ったぐらいの感覚で頭はすごく理解しようとしている。ただ自分の身体がもう今すぐにでもボールを蹴りたいというふうにうずいているので身体が理解してくれないというかそういう感覚がある。ただ今回それで後悔しているかと言われれば自分のキャリアに対しては全く後悔もしていなくて、大きな満足とともにキャリアを終えられたと思っています」と率直な気持ちを明かした。

 その理由としては2つあるという。まず1つは「やはり自分でこの引退の時期を決められた。そのことはすごく大きかった。ここにいるマルクス初めアイントラハトは辞める、続けるという決断を僕に託してくれていた。クラブに対してマルクスに対しても非常に感謝しています」と、契約満了や負傷などではなく、自身で決断できたことだったという。

 さらにもう1つは、自身のキャリアに対しての満足感だという。

「やはり自分をよく1人のサッカー選手をして、常に客観視することをして、そのなかで、自分はサッカー選手の能力として、3点を取れるわけでもなく、すごく目立つプレーするわけでもなく、フィジカル的にすごいとか、抜きん出たものがあるわけではない。それとパーソナリティーというか、人としても全く目立つわけでもなく、見た目も恐らく20年間ぐらい同じ髪型している。美容室も行っても20年間、毎回同じ感じで(笑)。

 サッカー選手の能力、パーソナリティーとしても目立つような発言をするわけでもなく、そういう選手がここまでのキャリアを築けてそのタイトルもたくさん取らしていただきましたし、これだけ長くプレーさせてもらって、これ以上のキャリアはもう自分の能力の中では後悔ないんじゃないかなと思う。本当のMAXの評価、周りの人も評価してもらったと思うし、自分自身もやり切ったんじゃないかなという、そういう思いがあるので、なのでもう1回同じキャリアを積めるかといったら正直積める気がしないですね。だからそういう意味で本当に後悔というものはないですね」

 自身のキャリアを全うした長谷部。その表情は清々しかった。(FOOTBALL ZONE編集部)