「野菜は全て野菜室へ」ではない…?

写真拡大

 小分けにしたり、ジッパー付きの袋に入れたりと、野菜の保存は案外大変なもの。「すぐに使い切らなきゃいけないけど、気付いたら使い物にならなくなって、もったいないけど捨ててしまった…」という経験のある人も多いのではないでしょうか。もしかしたら、いつも行っている保存方法が、実は間違っているかもしれません。そこで、野菜の長持ちも期待できる正しい保存方法について、管理栄養士の桜井このさんに教えていただきました。

野菜が“育っている状態”を保つ

Q.家庭でよく使われる野菜の正しい保存方法を教えてください。

桜井さん「野菜は『とりあえず野菜室で保存した方がいい』と思われがちですが、季節や保存場所によっては常温の方がいい場合もあるのです。土の中で育つ根菜は暗い場所で保存するなど、“育っている状態”を保つことも重要ですよ。

例えば、根菜の代表格であるジャガイモやニンジン、ダイコンなどは新聞紙にくるんで、常温で保存するとよいです。一方、タマネギや長ネギなどは冷蔵室で保存しましょう」

Q.「意外と間違えている人が多い」野菜の保存方法はありますか。

桜井さん「『野菜を冷蔵する場合は全て野菜室』と思う人も多いかもしれませんが、実は間違いです。野菜室は普通の冷蔵室よりも3度程度温度が高く設定されていて、湿度も高くなっています。この環境に適した野菜が多いのは事実なのですが、逆に適していない野菜もあるのです。例えば、白菜やキャベツ、ホウレンソウなどは、冷蔵室の冷たい環境に適しています。

なお、カットして残ったダイコンやニンジンなどは、早めに食べていただくことを前提に、冷蔵室で保存するとよいでしょう」

Q.野菜の保存期間の目安は。

桜井さん「切っていない状態のタマネギやジャガイモ、ニンジンは、だいたい1カ月以上はもちます。ダイコンやネギなどは1週間程度、しおれやすい葉物野菜なども1〜2週間程度が目安です。

ただし、カットしてしまった場合は、断面から酸化や腐敗が始まりやすいため、一般的な目安よりもなるべく早く使い切るようにしましょう」

* * *

 野菜は生育方法や産地によって適切な気温や保存方法があるため、少しでもおいしく食べる期間を延ばしたいのなら、適切な方法で保存することが重要なのだそう。もし「使い切れなくて困っている」という場合は、水気をよく切って冷凍保存するのもよいかもしれませんね。