Appleが2024年度第2四半期(1〜3月)の業績を発表しました。同期におけるAppleの売上高は中国におけるiPhoneの売り上げ低迷などが影響して、前年同期比で4%減の908億ドル(約13兆9000億円)、純利益も前年同期比で2%減の236億ドル(約3兆6200億円)となっています。

Apple、第2四半期の業績を発表 - Apple (日本)

https://www.apple.com/jp/newsroom/2024/05/apple-reports-second-quarter-results/

Apple (AAPL) earnings report Q2 2024

https://www.cnbc.com/2024/05/02/apple-aapl-earnings-report-q2-2024.html

Apple beats Wall Street consensus with $90.75B revenue

https://appleinsider.com/articles/24/05/02/apple-blows-away-wall-street-earnings-guesses-even-with-weak-china-iphone-sales

Appleの2024年度第2四半期の決算報告によると、同期の総売上高は前年同期比で4%減の908億ドル、純利益は前年同期比で2%減の236億ドルです。

Appleの売上高は5つのカテゴリに分けられており、それぞの内訳は以下の通り。iPhone・iPad・MacといったAppleの主力製品が軒並み前年同期比で売上高を減らしている中で、サービス部門だけが好調を維持しています。Appleによると、サービス部門は2024年度第2四半期に過去最高の売上高を記録。なお、ウェアラブル・ホーム&アクセサリカテゴリにはApple WatchやAirPods、HomePodなどの製品やアクセサリーの売上が含まれてます。

iPhone:460億ドル(約7兆500億円):前年同期比10%減

iPad:55億6000万ドル(約8520億円):前年同期比17%減

Mac:74億5000万ドル(約1兆1400億円):前年同期比4%増

ウェアラブル、ホーム&アクセサリー:79億1000万ドル(約1兆2100億円):前年同期比10%減

サービス:239億ドル(約3兆6600億円):前年同期比14%増

2015年第2四半期以降のAppleの四半期ごとの総売上高(Revenue)と純利益(Net Profit)をまとめたのが以下のグラフ。



Appleのティム・クックCEOは「本日、Appleは、1〜3月期の売上高が908億ドルとなり、サービス事業の売上で過去最高を達成したことを報告します。当四半期中に、私たちはApple Vision Proを発売し、空間コンピューティングが開く可能性を世界に示したことを嬉しく思います。また、来週のエキサイティングな製品発表と、来月の素晴らしいWorldwide Developers Conference(WWDC)を心待ちにしています。これまで通り、私たちは、お客様に最高の製品とサービスを提供すること、また、私たちの原動力であるコアバリューに沿ってそれを行うことに注力しています」と述べています。

また、クックCEOは2022年に発売されたiPhone 14は供給の問題で販売が遅れたことを挙げ、2023年度と2024年度の第2四半期売上高を単純に比較することは難しいと言及。さらに、「2023年度第2四半期の業績から50億ドル(iPhone 14の供給遅れにより2023年度第2四半期に生まれた売上高の伸び)を差し引くと、今期の四半期は成長したことになります」と述べ、iPhone 14の供給問題などを考慮すると、2024年度第2四半期の業績は悪いものではなかったと説明しました。

Appleのルカ・マエストリCFOも、「非常に高い顧客満足度とカスタマーロイヤルティのおかげで、アクティブデバイスのインストールベースがすべての製品と地域セグメントにおいて過去最高を記録し、私たちの業績は1〜3月期としては最高のEPSを達成しました。Appleの将来およびAppleの株式に見られる価値に対する信頼を考慮して、取締役会は追加で1100億ドル(約16兆9000億円)の株式買い戻しを承認しました。また、私たちは12年連続で四半期配当を増やしています」とコメント。なお、今期におけるAppleは減収減益を記録していますが、株式買い戻し額は前年同期比で22%も増加しており、Birinyi AssociatesのデータによるとAppleの自社株買いとしては過去最高額となるそうです。



Appleは普通株式1株につき、前年同期比で4%増となる0.25ドル(約38円)の現金配当を発表。この配当金は、2024年5月13日の市場取引終了時点で株主名簿に記載されている株主を対象に、2024年5月16日に支払われます。

Appleは次の四半期の業績予想を発表していませんが、同社のクックCEOはCNBCに対して2024年度第3四半期の総売上高は1桁台前半の成長となるだろうと語りました。

なお、Appleの売上高を地域別に比較するとアメリカ(約41%)・ヨーロッパ(約27%)・中国(約18%)・日本(約7%)・その他アジア圏(約7%)の順に大きくなっているのですが、Appleにとって3番目に大きな売上高を記録している中国での売上高が前年同期比で8%減少しています。ただし、この数字は市場アナリストの予想を上回るものだそうで、「iPhoneが中国で中華スマートフォンにシェアを奪われているのではないか」という懸念を和らげる結果であるとCNBCは指摘しています。