バウアー投手(写真:AP/アフロ)

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プロ野球横浜ベイスターズ、日本ハムでプレーした野球解説者の高木豊氏(65)が2024年4月21日にユーチューブを更新し、23年シーズンまでDeNAでプレーしていたトレバー・バウアー投手(33)の日本復帰の可能性に独自の見解を示した。

メキシカンリーグで大リーグ球団にアピールするバウアー

バウアーは23年シーズンの5月に1軍に合流し、19試合に先発して10勝4敗。防御率は2.76で2度完投した。マウンド上では闘志を露にするなど気迫あふれる投球で、日本の野球ファンの心をつかんだ。

だが、シーズンオフの12月1日に自由契約選手と公示され、DeNAを退団。大リーグ復帰を目指すもシーズン開幕までにバウアー獲得に名乗りを挙げる球団はなく、現在はメキシカンリーグでプレーしながら、大リーグ球団にアピールしている。

バウアーの大リーグ復帰に関して、高木氏は「もうないよ。ここまでないのならないよ。獲得した球団はファンが騒動を起こすよ」と否定的な見解を示しつつ、日本復帰については「心情的にはイヤだな」とした。

米メディアの報道によると、バウアーは大リーグ復帰にあたり「大リーグの最低年俸でも構わない」とし、復帰に向けて条件を大幅に譲歩しているという。

高木氏はこの件に関して「お金ではないのなら、日本でもお金ではないと来てくれればいいのに。『日本に行く場合はお金はいりますよ』みたいな......そんな虫のいい話があるか。でも、払っても欲しいくらいのピッチャーだよね」と複雑な心境を語り、DeNAファンの心境をこう「代弁」した。

「DeNAファンも『もういいよ』という感じじゃないの? たとえばバウアーが来た。それで優勝ができました。バウアーの力だというのもしゃくじゃない。DeNAファンは賢いと思うし、温かいと思うから『もうバウアーはいいでしょう』と。今永(昇太)とかバウアーの新たな穴はみんなで埋めますよと。ファンも応援してみんなで埋めますよという心境じゃないかと思う」

「バウアーを取った球団は力になることは間違いない」

23年シーズンオフには、左のエース今永昇太投手(30)がポスティングシステムを利用して大リーグのシカゴ・カブスに移籍。24年シーズンは先発ローテーションの柱だったバウアーと今永の、両エースを欠いている。

チームは、今永とバウアーが抜けた戦力補強としてアンドレ・ジャクソン投手(27)、アンソニー・ケイ投手(29)ら外国人投手を獲得した。

だが、高木氏は開幕からここまでのジャクソンとケイの内容を疑問視。「彼らがあれだけの実力しかないとは思えないけども、ああいう状態をみると、今永とバウアーの穴を埋めるのはなかなか大変だなと思う。そりゃ(バウアーを)欲しいよ」と語った。

このまま大リーグ球団がバウアー獲得に名乗りを上げず、日本復帰となれば、複数球団の争奪戦になる可能性も。横浜のOBである高木氏は日本に復帰するならば「DeNAに帰ってくるのが筋といえば筋」と強調。

そのうえで、「取った球団は力になることは間違いない。5月から来ても10勝できるポテンシャルはある。いいピッチャーだよ。投げる姿は好きだけどね。闘志あふれるああいうピッチャーは素敵だと思う」と語った。

スポーツ紙の報道によると、現在メキシカンリーグのメキシコシティ・レッドデビルズに所属するバウアーは22日(日本時間)のレオン・ブラボス戦に登板し、14奪三振の好投で同リーグ初勝利を飾った。バウアーはメキシコシティと登板数を限定した条件で契約しているという。