【六川亨の視点】2024年4月14日 J3リーグ第10節 大宮アルディージャvsアスルクラロ沼津
J3リーグ第10節 大宮 1(1−0)1沼津
14:03キックオフ NACK5スタジアム大宮 入場者7,094人
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8試合で4失点と堅守で首位に立つ大宮。対する沼津は8試合で18得点と攻撃陣の爆発で2位につけていた。そんな特徴的な両チームの対戦だったが、立ち上がりの沼津の前線からのプレスは大宮に負けず劣らず強烈だった。ベースは4−3−3だが、大宮ボールになるとインサイドハーフの持井響太が前線に上がり、4トップに近い形で大宮の3BKにプレスをかけてビルドアップを分断した。ただ、大宮には2トップに187センチのFW杉本健勇がいる。無理してパスをつながずロングボールからのこぼれ球を拾って攻撃できるのも今季の大宮の強みだ。前半39分にはFW藤井一志のパスを受けた杉本が冷静にミドルシュートを叩き込んで先制点を奪う。カップ戦も含めJ1通算73ゴールのストライカーはチャンスを確実に決めて大宮を牽引した。
ところが後半9分、沼津は中央にいた安在達弥からのパスを右サイドに開いていたFW津久井匠海がワンタッチでゴール前に送る。速くて強いグラウンダーを大宮GK笠原昂史は飛び出してクリアしたものの、これが戻ろうとした味方DFに当たって自陣ゴールに飛び込むOGで同点に。長澤徹監督は「好調なチームはオウンゴールも起こせる。失点に関してはフワッと入ってしまった」とホームでのドローを悔やんだ。しかし監督に就任して8試合目で中山雅史監督に「プレースピード、判断スピード、フィジカルスピードをますます早めないといけない。体感した強度を日々の練習で落とし込んでいかないといけない」と言わしめたのは、チームが確実に成長している証ではないだろうか。
六川亨(ろくかわ・とおる)
東京都板橋区出身。月刊、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長を歴任し、W杯、EURO、南米選手権、五輪を取材。2010年にフリーとなり超ワールドサッカーでコラムを長年執筆中。「ストライカー特別講座」(東邦出版)など著書多数。