美味しいのに廃棄される「未利用魚」を使ったカレーの缶詰「SpiSea Blue(スパイシーブルー)」とは?
画像提供:株式会社おのざき |食楽web|
●美味しいのに廃棄される「未利用魚」を使ったカレーの缶詰「SpiSea Blue(スパイシーブルー)」。福島県いわき市の企業が生み出したスパイスカレーの魅力に迫ります。
例えば、コバンザメなど漁で獲れても市場に並ばない魚を「未利用魚」と呼びます。収穫量が不安定だったり、不揃いだったり、下処理に時間がかかることから廃棄されることが多い魚です。
しかし、味にはまったく問題ないどころか、中にはめっぽう美味しい未利用魚もあり、近年の日本近海の漁獲量の減少を受けて、その活用方法を模索する企業やレストランも増えています。
福島県いわき市で水産業を営む「株式会社おのざき」も、未利用魚の活用に力を入れる企業のひとつ。魚に対する目利きと知見は言うに及ばず、販売におけるコンセプトづくりにも強みのある同社は、これまでもイメージのわきにくい「煮こごり」に目をつけ、「金曜日の煮こごり」というキャッチーなコンセプトのオリジナル商品などを開発してきました。
今回、その「おのざき」が新たに未利用業であるカナガシラを活用し、新メニューを開発。缶詰のココナッツカレー「SpiSea Blue(スパイシーブルー)」を作りました。
美味しさの資源を有効活用
カナガシラ。ホウボウとそっくりだが、違いは胸ビレ。ほうぼうは大きく青いのに対し、カナガシラのものは小さく赤い
カナガシラは、かつては「君代」とも呼ばれ、殿様に献上される高級魚でした。しかし現在は、ホウボウに似ているものの、骨が多くて硬いなどの理由により、ほとんど食卓に並ぶことはありません。
そこでおのざきが開発したのが、スパイスカレー。青唐辛子やスパイスとココナッツミルクのハーモニーを味わえるカナガシラのスパイスカレーの開発に成功。さわやかな南国の海を思わせるような水色のパッケージの缶詰で販売を開始しました(1缶180gで972円・3缶セットは2916円)。
使用するカナガシラは宮城県産。東北の食を支える「一般社団法人 東の食の会」と協業してメニュー作りを行ったとのこと。今後、第2弾としてアカエイを使ったカレー缶が販売される予定。購入先は、いわき市に展開する4店舗の「おのざき」もしくはECサイトです。
●DATA
https://www.onozaki100years.com/