今こそ行くべき旅行先と、最新の節約テクニックを伝授!

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今年もGWが近づいてきた! カレンダーどおりなら、3連休と4連休の2連発! 去年のように「2日休めば9連休」とはいかないが、旅行に行くなら絶好の機会だ。今こそ行くべき旅行先と、最新の節約テクニックを航空・旅行アナリストの鳥海高太朗氏に聞いてきた!

【写真】オススメの旅行先と往復航空券目安

■今からでも間に合うGW旅行!

もうすぐゴールデンウイーク(GW)。旅行に行くなら、どこがいいだろうか? それとも今から準備しても、もう手遅れ?

「いえ、そんなことはありません。GW旅行は、今からでも十分に間に合います」

こう語るのは、航空・旅行アナリストの鳥海高太朗氏。

「去年、新型コロナウイルス感染症が5類に移行してから、夏休みや秋のシルバーウイーク、年末年始と、どの観光地も"コロナ禍明け"を満喫する人々でごった返しました。

その反動と、さらには間に3日間の平日を挟む影響もあってか、今年のGWの交通機関や宿の予約の出足はやや鈍く、今からでもリーズナブルに手配できます」

なるほど! 海外&国内の激推し旅行先も聞いてみた!


航空・旅行アナリスト 鳥海高太朗氏

■意外と安い!? 海外旅行編

「海外旅行なら、前半の3連休もしくは後半の4連休で、アジアなどの近場への旅行を楽しむパターンと、間の平日も休みを取って欧米などを目的地とするパターンに分かれます。

昨年末から今年初めにかけて航空燃料の相場が下がり、燃油サーチャージを設定している航空会社は4月1日発券分から料金を引き下げたため、航空券が買いやすくなったのも見逃せません」

では、具体的にどこが激推しなのだろうか?

●ロサンゼルス(アメリカ)


ロサンゼルス (アメリカ)大谷翔平選手の本拠地「ドジャースタジアム」【往復航空券目安(5/3〜7)】・14万3010円(ユナイテッド航空/羽田)・15万8162円(ZIPAIR/成田)・16万5710円(ANA/羽田)

「今、最もホットな旅行先です。もちろん話題の中心はロサンゼルス・ドジャースに所属する大谷翔平選手。本拠地『ドジャースタジアム』では現地時間5月3〜5日(日本時間4〜6日)にアトランタ・ブレーブスとの3連戦が組まれています。

チケットは3月の半ばからやや値下がりしていて、安い席だと35ドル(約5300円)くらいから、そこそこいい席で200〜300ドル(約3万〜4万5000円)くらいです。チケットはドジャースの公式サイトから購入可能ですが、スマホアプリをインストールすれば、より簡単に入手できます。

海外旅行に慣れていない人、また海外でのスポーツ観戦が初めての人でも安心でしょう。予算を抑えるなら、ZIPAIRがオススメで、往復15万円台で手配できます」

●ホノルル(アメリカ)


ホノルル(アメリカ)海水浴客でにぎわう、常夏の「ワイキキビーチ」【往復航空券目安(5/3〜7)】・9万9310円(ANA/成田) ・10万3980円(ZIPAIR/成田) ・11万3710円(ハワイアン航空/羽田)
「例年、GWには航空運賃が高騰するハワイですが、コロナ禍明け以降も日本人観光客の戻りがいまひとつであること、さらに各航空会社の増便やANAの大型機A380の本格稼働、ZIPAIRの就航などで供給座席数が増えていることもあり、今年はリーズナブルです。

特にハワイアン航空が意欲的な価格を出していて、日程によってはエコノミークラスが往復で10万円を切っています。南国で海を眺め、ローカルのグルメを楽しみ、のんびり過ごしてみてはいかがでしょうか」

●ケアンズ(オーストラリア)


ケアンズ (オーストラリア)「グレートバリアリーフ」に広がるサンゴ礁【往復航空券目安(5/3〜6)】・6万5259円(ジェットスター航空/成田) ・10万7320円(ヴァージン・オーストラリア航空/成田)

「南半球のオーストラリアは現在秋ですが、GWのケアンズは温暖で、乾期に入るため雨も少なく、観光にはベストシーズンです。日本との時差も小さく、時差ボケに悩まされる心配もありません。

ケアンズの魅力は『グレートバリアリーフ』。ダイビングやシュノーケリングなどのマリンアクティビティが楽しめます。航空運賃はジェットスターやヴァージン・オーストラリア航空がお手頃です」

●アジアの各都市


ソウル(韓国)1395年創建の古宮「景福宮(キョンボックン)」【往復航空券目安(4/27〜29)】・4万4890円(エアソウル/成田) ・4万7620円(チェジュ航空/成田)

「3連休か4連休にコンパクトに旅を楽しみたい人は、ソウル、バンコク、シンガポール、香港など、アジアの都市がオススメです。

これらの都市へは、AirJapan、ZIPAIRの国内勢をはじめ、海外のLCCなど割安な航空会社の路線網が充実していて、タイミングが合えば往復10万円以下で購入できます。浮いたお金で高級なホテルに泊まったり、贅沢なグルメを楽しんだり、比較的リッチな旅が楽しめるはずです」


バンコク(タイ)王室寺院「ワットポー」の黄金の釈迦像【往復航空券目安(4/27〜30)】・9万9440円(AirJapan/成田) ・10万5510円(エアアジア/成田)

■海外旅行の最新節約テクニック

続いて、最新の節約テクニックも教えてもらおう!

「海外旅行でぜひ使ってほしいのが、UberやGrabといった『ライドシェア』です。どちらも日本にはないサービスで、"白タク"を連想して使い難いと思っている人もいるでしょう。

しかし、ライドシェアはアプリでドライバーを探し、出発地と目的地を指定することで料金も確定するので、海外のタクシー利用で問題になりやすい言葉の壁、料金のトラブル、目的地の間違いなどを回避できます。

もちろんサービスを展開している国では合法です。それでいて、たいていの場合はパブリックタクシーより3割程度安くなるので、一度使うと手放せません。

ただ都市や地域によって、Uberのドライバーが多い、Grabのドライバーが多い、もしくは地域のライドシェアサービス会社が強固な地盤を持っているなどの違いがあるので、下調べは必要ですね」


シンガポール(シンガポール)世界遺産の植物園「ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ」【往復航空券目安(4/27〜30)】・7万8538円(AirJapan/成田) ・9万2780円(ZIPAIR/成田)

ライドシェアにも必須のスマホは、海外ではどうやって使うべきだろうか?

「かつて海外ローミング(日本のスマホを現地の通信会社のサービスで使うこと)は非常に高額でしたが、現在では比較的低廉になっています。特にNTTドコモの『ahamo』は、標準の20GBの月間データ量が、海外でも追加料金なしにそのまま使えます。

また『楽天モバイル』も、月2GBまで無料です。それ以外のキャリア/サービスでは、1日あたりなど追加料金を支払って利用することになります。

物理SIMを交換して利用することもできますが、最近ではe−SIMが利用できるスマホが増えており、現地の空港などでe−SIMを購入し、通話はいつものSIM、データ通信はe−SIMという『デュアルSIM』を使ってもいいでしょう」


香港(中国)「ビクトリア・ピーク(太平山)」から望む夜景 【往復航空券目安(4/27〜29)】・4万9850円(香港エクスプレス/成田) ・6万1430円(グレーターベイ航空/成田)

そして円安傾向でもできるだけ有利なレートで外貨に両替したいところだが......。

「私はソニー銀行のサービスを使っています。Visa加盟店であれば、キャッシュカードがそのままデビットカードとして使えるほか、ATMで自分の預金を現地通貨で引き出すことも可能です。

クレジットカードでの買い物は現金を持ち歩く必要がなく便利ですが、手数料が高額になるため、注意しましょう。カード会社によっては、現地のATMでキャッシングして現金で払い、帰国後に繰り上げ返済したほうがオトクになるケースもあります」

海外の都市、特に欧米ではホテル代がかなり高くなることも多い。その対策は?

「家族旅行など5、6人以上で旅する場合は、一般のホテルよりも『Airbnb』で一軒家を借りたほうが安くなる場合があるので、チェックしてみてください」

*運賃は3月25日時点での各社公式サイト、航空券予約サイトなどで、エコノミークラス大人1名分を編集部が調査したもの(税諸費用など含む)。日付は日本時間

★明日は国内編を配信予定です

●鳥海高太朗(とりうみ・こうたろう)
1978年生まれ、千葉県出身。食品会社勤務、城西国際大学観光学部助手を経て、2013年より帝京大学理工学部航空宇宙工学科非常勤講師。航空会社のマーケティング戦略を主研究に、各航空会社への取材およびリサーチを精力的に行なう。経済誌やトレンド雑誌などでの執筆に加え、テレビ・ラジオへの出演も多数

取材・文/植村祐介  イラスト/川原瑞丸