大画面15.6インチから約2万円モデルまで。アイリスオーヤマのタブレットは価格と使い勝手のバランスで勝負
アイリスオーヤマが3月21日と22日、メディア向けに「黒物家電事業説明会」を開催し、タブレットの新製品5モデルを発表しました。いずれもAndroid 13搭載モデルで、エントリーモデルとミドルモデルはそれぞれ8インチと10.1インチの2サイズで展開。さらに、業界最大クラスを謳う15.6インチの大画面モデルも発売されます。
白物家電のイメージが強いアイリスオーヤマですが、ここ数年、黒物にも力を入れつつあります。2018年に4K対応テレビを発売し、翌年から黒物家電事業に本格参入。2021年には「東京R&Dセンター」を開設し、同年に8インチと10.1インチのタブレットを発売。2022年に業界最大クラスの15.6インチモデルを発売しています。今回発表されたモデルは、それらの後継モデルという位置付けです。
▲3つの画面サイズのタブレットを展開。左から15.6インチ、10.1インチ、8インチ
■大画面タブレットが待望のピボットに対応
5モデルの中で最も注目すべきは大画面の「TM153M6V1-B」。昨年発売された前モデルと同等のサイズで、15.6インチの液晶ディスプレイを搭載。解像度は1920×1200ピクセルなので、映像コンテンツを観るには最適で、オンライン会議での画面分割表示にも適しています。
▲15.6インチ画面のTM153M6V1-B。CPUはMT8788(8コア)、RAMは6GB、ストレージは128GBという構成。外部ストレージはmicroSD(最大512GB)に対応。カメラはフロント(8メガピクセル)+リア(8メガピクセル)。バッテリーは9200mAh
最大の特徴は、専用のスタンドに装着でき、縦向きにしても使えること。オンライン会議に使ったり映画を観たりするときは横画面で、ドキュメントを見たり画面を分割してマルチウィンドウで使ったりしたい場合は縦画面にするなど、フレキシブルに使えるのが利点。
▲スタンドに取り付けたタブレットを縦向きにした状態。左右90°に回転させられる
スタンドはマグネット式で簡単に装着でき、充電用のUSBケーブルを装着できるので、充電クレードルとしても使えます。
▲背面カバーにある円形を蓋を外すと、スタンドとの装着部が現れる
▲スタンドにはこのように装着する。USBケーブルで充電しながら使うことも可能
実はこのギミックは、前モデルの開発時から想定されていたもので、前モデルもスタンドの取り付けに対応しています。
TM153M6V1-Bは5月15日発売予定で、価格は7万9000円前後と想定されています。なお、タブレットスタンド「IST-A151A-B」は4月8日発売予定で、5900円前後となっています。
■エントリーとミドルは2〜3万円台
エントリーモデルとミドルモデルは、スペックに差をつけて、それぞれ2サイズを用意するというわかりやすいラインナップ。
エントリーモデルは、低価格で必要十分な機能を使いたい人に向けたモデル。液晶ディスプレイはHD画質(1280×800ピクセル)なので、Webを見たり、電子書籍を読んだりするには十分。ミドルモデルに比べると画質は劣るものの動画視聴も楽しめます。
▲8インチ画面のTM084M4V1-B、10.1インチ画面のTM104M4V1-Bともに、CPUはUnisoc T606(8コア)、RAMは4GB、ストレージは64GBという構成。外部ストレージはmicroSD(最大512GB)に対応。8インチモデルのカメラはフロント(2メガピクセル)+リア(5メガピクセル)で、バッテリーは5000mAh。10.1モデルはフロント(5メガピクセル)+リア(5メガピクセル)で、バッテリーは6000mAh
低価格モデルながら地磁気、ジャイロ、加速度センサーを搭載し、GPSも内蔵しているので、地図アプリを使ったり、位置情報を使うゲームで遊ぶこともできます。
ミドルモデルはフルHD画質(1920×1200ピクセル)の液晶ディスプレイを搭載。内部ストレージ容量はエントリーモデルの2倍の128GBなので、高画質の映像コンテンツを保存して楽しみたいという人に向けています。多目的に使うことを想定している場合も、ミドルレンジを選ぶのが得策でしょう。
▲8インチ画面のTM083M4V1-B、10.1インチ画面のTM103M4V1-Bともに、CPUはMT8781(8コア)、RAMは4GB、ストレージは128GBと。外部ストレージはmicroSD(最大512GB)に対応。8インチモデルのカメラはフロント(5メガピクセル)+リア(5メガピクセル)で、バッテリーは5000mAh。10.1モデルはフロント(5メガピクセル)+リア(8メガピクセル)で、バッテリーは7100mAh
エントリーモデルの8インチ「TE084M4V1-B」は4月1日発売予定で、2万1000円前後。10.1インチ「TE104M4V1-B」は4月15日発売予定で、2万2000円前後。ミドルモデルの8インチ「TE083M4V1-B」は3月25日発売予定で、2万9000円前後、10.1インチ「TE103M4V1-B」は3月25日発売予定で、3万2000円前後となっています。
■デザインよりは、まずは価格と機能のバランスを重視
アイリスオーヤマでは、黒物の開発理念として「引き算」と「選択」を掲げ、必要十分な機能で価格を抑えることを重視しているそう。
8インチと10.1インチのタブレットは、一見オーソドックスすぎて地味に思えたので、筆者は「もっとデザインに凝ってもいいのでは? 白やシルバーなど、カラバリがあったらいいのに…」と聞いてみました。開発を担当された方いわく、そういう声があることは承知の上で、価格と使い勝手のバランスを最優先しているとのこと。
実際、低価格ながら豊富なセンサーを搭載しているため、ストレスなく操作できたり、エントリーモデルは子どもやシニア層の利用を想定して、背面パネルが滑りにくい質感になっていたりと、細かい使い勝手にまで配慮されています。
▲左がエントリーモデル、右がミドルモデル。画質の差は一目瞭然
▲左がエントリーモデル、右がミドルモデル。エントリーモデルはマットで指が滑りにくい質感。ミドルレンジは硬質感があり、タブレットの王道のデザインという印象
15.6インチのタブレットは、前モデルの発売当時の価格は10万円を超えていたそうですが、新モデルは円安と物価高騰が続く中、7万円台に抑えられています。価格を重視する人は要チェック。Amazon、楽天市場など、オンライン中心での販売となるそうです。
<取材・文/村元正剛(ゴーズ)>
村元正剛|iモードが始まった1999年からモバイル業界を取材し、さまざまな雑誌やWebメディアに記事を寄稿。2005年に編集プロダクション「ゴーズ」を設立。スマホ関連の書籍・ムックの編集にも携わっている。
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