冬の終わりは薪作りのための丸太入手に最適。薪づくりに欠かせない「玉切り台」を自作しよう
冬から春にかけての時期、焚き火マニアや薪ストーブユーザーに欠かせない作業が「薪づくり」。
自分で作った薪が燃え上がり、美しい炎になる瞬間は格別のものがあります。
■この時期は丸太入手のチャンス!
全国的に冬から春になるこの時期、各地の山林や果樹園などで樹木の間伐が行われ、薪の材料となる丸太入手のチャンスです。焚き火が大好きで“自分の手でつくった薪”を使いたい人は、ぜひ「薪づくり」に挑戦してみてましょう。
丸太の入手には、人とのご縁が大切。まずは各地の森林組合や公園管理事務所、自治体、造園業者などに問い合わせてみると良いですよ。
さて無事に丸太が手に入ったら、薪づくりのスタート。多くの人が薪をつくると聞くと思い浮かべるのが「薪割り」だと思います。台の上に40cmくらいの丸太を置いて、大きな斧でパッカーンと割るのは気分爽快、とても楽しいです。
ですがその前に、重要な仕事があるのです。それが「玉切り」と呼ばれる作業。
玉切りとは長い丸太をチェーンソーを使って、薪にちょうど良い長さに切り分けること。薪に最適な長さは、使用目的や好みによって色々ですが、通常は30〜40cmくらいが使いやすいです。これよりも長いと、焚火台や薪ストーブに入らないことがあるので注意しましょう。
多くの人が玉切り作業では、丸太を地面に置いた状態で切断します。しかしこれが、体勢的に腰に負担がかかるうえ、チェーンソーが地面に接触してしまう恐れがあり、非常にやりづらい。ちなみにチェーンソーが回転中に地面に接すると、一発で刃がダメになるのでご注意ください。
■「玉切り台」をDIY
そこで今回は、安全で楽ちんに丸太を切断できる「玉切り台」を作ってみようと思います。
使用する材料は幅105mm、厚さ30mm、長さ3mの杉材を6本。そして直径10mm、長さ80mmのボルトが4セット。それから65mmの木ネジです。
まず材木を1mの長さで8本、切り出します。丸ノコがあると楽ですが、手で切るノコギリでも大丈夫。これが台の脚になります。
切り出せたら、端から350mmのところに直径10mmのドリルで穴を開けます。その穴にボルトを通し、脚2本を接続すると「X」フレームになります。これを4セット作りましょう。
次に残りの材木を1m8cmの長さに3本切り出します。この材木を使ってXフレームを繋ぎ合わせましょう。
これで「玉切り台」の完成です。うまくできていれば、畳んだり開いたりできます。もし開閉しないならネジを打つ場所がおかしいので、チェックしてみてください。それから、脚の先端を丸くカットすると土の地面でも安定しやすいですよ。
■早速、自作玉切り台を使ってみよう
玉切り台の使い方は簡単です。まず開いておいた台の上に丸太を置きます。
Xフレームの間をチェーンソーで切れば丸太は下に落ちます。
このとき、切る位置に注意すると、より安全に作業できます。チェーンソーや丸ノコで材木を切るとき、切断後にVの字型に材料が落ちる切り方をすると、回転刃が挟まれてキックバックと呼ばれる危険な現象が起きます。
これを防ぐため、材木の切り落とす場所をよく考えて作業しましょう。
姿勢も楽ですしチェーンソーも痛まず、また丸太を同じ長さに切りやすいので、とても楽しく作業が進みます。さあバンバン玉切りして、自分だけの薪をたくさん作ってみてください!!
<写真・文/阪口 克>
阪口克|旅と自然の中の暮らしをテーマに国内外を取材するフリーカメラマン。秩父郡長瀞町の自宅は6年かけて家族でセルフビルド。著書に『家をセルフでビルドしたい』(文藝春秋)、『ビジュアル版焚き火のすべて』(草思社)、『ファイアーサイドクラフト』(山と渓谷社)ほか多数
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