醤(ジャン)は最小限でOKな「麻婆豆腐丼」作ってみた!旨味とコクの主役は…えっ「しいたけ」!?【農家直伝】
みなさん、麻婆豆腐をおうちで作ったことはありますか?「甜面醤」に「豆板醤」、ちょっと凝るなら「豆鼓醤」など、必須な調味料がけっこう多くて大変ですよね。でも、埼玉県のしいたけ農家・貫井香織さんに教わったレシピでは、豆板醤だけでOKとのこと!しかも、風味付けに入れがちな「しょうゆ」を使わず、代わりに「しいたけ」を軸ごと入れてコクと旨味を出すんですって。一体どんなお味になるの~?
しいたけは”軸ごと”使えば旨味倍増!
みなさん、しいたけの軸は「硬いから食べられない」と、捨ててしまっていませんか?
貫井さんいわく、「軸は、しいたけの香りの宝庫。石づきを取って縦に裂き、細かく刻めば食べやすくなります。汁物や炒め物のアクセントにも便利ですよ。これからご紹介する麻婆豆腐にも、投入します!」とのこと。
左が軸で、右が石づきです。
石づきを取ったら、まず手で縦に裂きます。
おぉ、刻んでいる最中からしいたけの豊潤な香りがスゴイです。
これを今まで捨てていたなんて、もったいない!
今回、しいたけの軸の旨味がたっぷり出た麻婆豆腐の汁も余すことなく味わうため、汁ごとご飯にかけて、麻婆豆腐丼として作っていきたいと思います。
つゆだくで召し上がれ♡「しいたけたっぷり麻婆豆腐丼」
材料(2人分)
しいたけ…中3個
豚ひき肉…100g
豆腐…1丁
ニラ…1/2束
にんにく…2かけ
しょうが…1かけ
豆板醤…大さじ1/2~お好みで
ゴマ油…適量
塩・こしょう…各適量
片栗粉…小さじ1
ご飯…2合分
作り方
1.しいたけは石づきを取り、軸も含めてみじん切りにする。
2.にんにくとしょうがはみじん切り、ニラは5cm長さに切る。
3.鍋にゴマ油を熱し、にんにくとしょうがを炒める。香りが立ったら豆板醤も入れる。
4.3の鍋に1のしいたけを入れ、油が回ったら豚ひき肉を入れて炒める。
5.豚ひき肉に火が通ったらニラを入れてさっと炒め、塩、こしょうで味をつける。
「しょうゆ、甜面醤などの調味料は入れなくてもよいですが、好みでプラスしてもOKです」(貫井さん)
今まで、麻婆豆腐には甜面醤やしょうゆは必須だと思っていましたが、しいたけを加えることでその必要がなくなるほど旨味が加わるみたい。しいたけの底力、恐るべし!
6.さいの目切りにした豆腐を加え、ひたひたの水(分量外)を加え、ひと煮立ちさせる。
豆腐がクツクツ踊るくらいの火加減がベストです。
7.片栗粉を小さじ1の水(分量外)で溶き、6に回しかけてとろみをつける。
8.器にご飯を盛り、7を汁ごとかける。
いつもの麻婆豆腐と比べると、つゆがたっぷりですね。
「しいたけの旨味がたっぷりとしみ出ているので、ぜひ、つゆだくで!」と貫井さん。
レンゲでつゆをすくい、パクっとひと口…いきなりガツンとした辛さ!くぅー辛い!!
でも、しいたけの深い旨味が加わっているからか、甜面醤やしょうゆを加えていないのに、しっかりとした奥行きを感じます。
つゆが多めなので、スープや雑炊といった感じもありますね。とろみを軽く付けているのでサラサラと喉を通っていくらでも食べられます。
いや~、麻婆豆腐って奥が深いですね。ん?麻婆豆腐じゃなくて、しいたけがすごいのか!?
とにかく、しいたけの旨味で”中国4000年の歴史”を実感できる麻婆豆腐に仕上がっています(笑)。
「ニラがなければ、長ねぎや青菜など、好みの野菜で大丈夫です。でも、しいたけは忘れないでくださいネ♪」(貫井さん)
これから麻婆豆腐を作るときは、しいたけはマストですね。辛さはお好みで調整していただいて構いませんが、この辛さ、クセになりますよ♡
貫井さんは、今回紹介したレシピの他にも、しいたけに関する情報をホームページなどでも発信しています。そちらもぜひ、ご覧ください。
貫井園
貫井香織さん
埼玉県生まれ。大学卒業後、コンサルティング会社、PR会社を経て、2008年に父親が経営する「お茶としいたけ 貫井園」に就農。原木しいたけ栽培において農林水産大臣賞を5度受賞の同園で働きながら、ワインに魅せられ、2016年に醸造用ぶどうの栽培を開始。2022年から、自家製ぶどうによる醸造ワインの販売を手掛ける。
2015年第10回さいたま輝き荻野吟子賞、2017年農業女子アワード「農業女子の知恵・夢部門」、2018年6次産業化アワード奨励賞を受賞。農業女子プロジェクトメンバー。
●貫井園ホームページ
http://www.nukuien.com/
●インスタグラム @nukuien
https://www.instagram.com/nukuien/