【フィリーズレビュー・金鯱賞】クラシック戦線を占うなら阪神JFを参考に /長岡一也
【長岡一也=コラム「競馬白書」】
◆ポイントはキャリアと距離適性
一番人気が大苦戦しているフィリーズレビューは、2015年のクイーンズリングまで遡らないとその勝利は見当たらない。阪神内回りの1400米という特殊な条件に対応できる馬を見つけるのが大変なのだが、春のクラシック戦線を占うとき、暮のGI阪神JFをまず参考にしたくなる。事実、この4年は続けて連対馬を生んできた。その連対馬5頭のうち、GI戦5着馬が3頭2着に入っていて、あとの2頭は暮のGI戦では17着の大敗を喫していて、その馬がこのフィリーズレビューで1着と2着にきていたのだからビックリする。
3年前の1着馬シゲルピンクルビーは阪神の1400米の新馬戦を勝って2戦目が阪神JFだったが、2戦目とキャリアが浅くイレ込んで全くいいところがなかった。それからじっくり乗り込んで仕上げられ、モーリス産駒らしいパワーのある走りで好位からぐんぐん加速して勝っていた。そして昨年2着のムーンプローブも阪神JF17着からの変わり身を発揮したモーリス産駒だった。気分が乗りすぎてかかり気味になり失速したGI戦だったが、1400米で折り合い、中団から良く追い込んでいた。キャリアが浅すぎたもの、距離の合わなかったもののここでの変わり身が穴を生んだと言えるし、今年の参考にしたいポイントだ。
金鯱賞は、大阪杯へのステップとして3月開催になったのが2017年、以後7年間で1番人気が5勝、2着3着が1回ずつと圧倒的に人気馬が好成績を残している。そしてもう一点、4歳馬が4勝2着3回3着1回と毎年連対を果たしていたことも気にしておきたい。ただ古馬には大目標のある強豪がいるので、この通過点をどう捉えるかだ。4歳馬はその点、古馬になってからのキャリアが浅いから、成長過程の中での一戦で精一杯力を出し切るので、成績がいいのも頷ける。
今週の2つのGII戦の中で顕著な点をまとめてみて、何頭かピックアップしてみた。
フィリーズレビューでまず目にとまったのが、モーリス産駒のバウンシーステップだ。5戦2勝だが、そのうち3戦が上がり3ハロン最速、その他も3位以内の上がりで1400米の実績も十分ある。そしてコラソンビート、2走前の京王杯2歳S1400米で牡馬相手にレコードで勝っていた。阪神JFでは伸び負けしたが、この距離ならスピードが生きる。あと一頭が、前進気勢が強すぎて阪神JFでは大敗したカルチャーデイが、距離短縮で浮上できるとみた。
金鯱賞には、破竹の5連勝で菊花賞を勝ったドゥレッツァが出てくる。強気の先行策で3馬身半差をつけたのだから、タフさがもとめられる中京の2000米なら、先に目標があるといっても連軸は外ない。そして、中京では6戦5勝、重賞を勝って本格化したヤマニンサルバム、それに距離を重視してモーリス産駒のノッキングポイントを加える。
「走り切る これですっきり 前を見て」