「逆流性食道炎」を発症しやすい人の特徴はご存知ですか?医師が監修!

写真拡大

ストレスで咳が出るとき、身体はどんなサインを発している?Medical DOC監修医が主な原因や考えられる病気・対処法などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

≫「逆流性食道炎」を発症しやすい人の特徴はご存知ですか?医師が監修!

監修医師:
木下 康平(医師)

防衛医科大学校卒業
聖マリアンナ医科大学病院呼吸器内科にて専門研修
自衛隊病院にて呼吸器内科・一般内科診療に従事。
資格:内科認定医

「ストレスで咳が出る」症状で考えられる病気と対処法

ストレスで咳が出たことはあるでしょうか?心理的なストレスと咳には関係がないように思えるでしょうが、心理的な影響で咳が出ることがあります。
ただし、咳の原因がストレスによるものなのか、それとも他に原因があるのかわかりませんよね。ここでは咳の原因となるストレスと、それ以外の原因に関して対処法も含めて説明いたします。

ストレスで咳が出る症状で考えられる原因と対処法

まず心理的なストレスで咳が出ることを心因性咳嗽といいます。
この心因性咳嗽の特徴は、日中に咳が多く寝ているときには症状がない、何か他のことに熱中している場合は咳が出ないことなどです。
特に女性に多く1ヶ月程度咳が持続するものの、レントゲンや採血で明らかな異常を認めないため診断が難しくなります。まずはレントゲンや呼吸機能検査を行ったのちに、他の数ヶ月咳が続く病気の治療を行い、その治療で改善しない場合は心因性咳嗽として治療を開始します。

ストレスで咳が出て痰が絡む症状で考えられる原因と対処法

咳と痰が絡む場合はストレスが直接的な原因とは考えづらいでしょう。
ただ副鼻腔炎という鼻の横にある空洞に炎症が起きている状態が、悪化していると考えられます。この悪化の原因としてストレスが候補に上がります。この副鼻腔炎の場合、汚い鼻水や痰が出てくることが特徴であり、場合によっては頭痛や臭い匂いが出現することがあります。対処法としては鼻うがいで予防できることがあります。ただしまずは副鼻腔炎の確定診断を受けるために耳鼻咽喉科または内科に受診することをおすすめします。

ストレスで咳が出て動悸がする症状で考えられる原因と対処法

動悸が不整脈によるものの場合、心臓の機能が低下する不整脈という状態になっている可能性があります。その場合は動悸と共に咳と息苦しさが出現する可能性があります。
動悸が持続する場合はまずは内科を受診して心電図検査を行い、不整脈かどうか調べるようにしましょう。

ストレスで咳が出て気管がムズムズする症状で考えられる原因と対処法

喉周囲に違和感があり咳が出る場合は逆流性食道炎の可能性があります。これはストレスで胃から胃酸がこみ上げてくることにより喉周囲に炎症が起こり、咳が出現することによります。
ストレスの他にはコーヒーなどのカフェイン飲料のとりすぎや、飲酒や脂っこい食事も逆流性食道炎のリスクになります。ストレスで飲酒や暴飲暴食を繰り返すことで二重に悪化する可能性があるため注意が必要です。
逆流性食道炎の場合は制酸薬(胃酸の分泌を抑える薬)による治療が効果的ですので、まずは受診し確定診断を受けることをおすすめいたします。

ストレスで咳が出て止まらない症状で考えられる原因と対処法

咳で日常生活がままならない、夜間も咳で寝られない場合は百日咳やマイコプラズマなどの感染症の可能性が否定できません。これはストレスで感染するものではありませんが、学校などで流行ることがあり、新学期などのストレスが多いタイミングで感染した場合は、上記の心因性咳嗽と誤診される可能性はあります。
治療は抗生剤の内服ですので、咳嗽が止まらない場合はまずは内科にて診断を受けることをお勧めいたします。

ストレスで咳が出て吐き気がする症状で考えられる原因と対処法

ストレスで咳が続き嘔吐することはあまり多くはないでしょう。ただストレスで嘔気が出ることはあり得ます。その際に吐いた吐瀉物を誤嚥し、咳が出ている可能性もあります。
嘔吐を繰り返すようならばまずは内科に受診し、診断を受けることをお勧めいたします。

すぐに病院へ行くべき「ストレスで咳が出る」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

長期間続く、どんどん悪くなる場合は、内科へ

咳はその持続期間によって分類がされます。まず長期間咳が出る(8週間以上)ものは咳喘息などの疾患が考えられます。この場合は吸入薬などが必要になるため、まずは呼吸器内科への受診をお勧めいたします。
また、発熱などを伴い、悪化傾向にあるようならば肺炎の可能性が否定できません。その場合は早急な治療が必要なので、できるだけ早めに内科への受診をお勧めいたします。

受診・予防の目安となる「ストレスで咳が出る」症状のセルフチェック法

ストレスで咳が出る以外に歩く時に息苦しさが出る場合

ストレスで咳が出る以外に数週間咳が持続する場合

ストレスで咳が出る以外に咳の際に痛みがある場合

「ストレスで咳が出る」症状が特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「ストレスで咳が出る」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

心因性咳嗽

ストレスで咳が出る病気で代表的なものが心因性咳嗽になります。
これは肺や気管には全く問題がないのに咳が続く疾患で、ストレスによって病状が悪化します。日中に咳が多い一方で、就寝時には咳が減るのが特徴です。
ただし、この特徴のみで心因性咳嗽の診断は困難であり、咳喘息やアトピー咳嗽などの除外を行ったのちに診断となることが多いです。
治療はストレスの除外の他に抗不安薬の内服があります。咳の原因がストレスにあると伝えるだけで、改善することもあります。

咽喉頭異常感症

喉(喉頭)に違和感を感じるが、カメラなどでは明らかな異常を認めない疾患になります。心因的な原因もありますが、アレルギーや悪性疾患などが原因となっていることも稀ながらありえます。
まずは他に咳を引き起こす原因がないか十分に検査して、それ以外に原因が見当たらない場合に咽喉頭異常感症と診断されることが多いです。
心因的な要因があれば、心療内科や精神科の受診が必要になることがあります。

「ストレスで咳が出る」症状の正しい対処法は?

咳が数週間持続しているようであれば自己判断せずにまずは呼吸器内科または内科を受診することをお勧めいたします。
薬局に売っている咳止めも内服することは問題ありませんが、咳止めは原因を治すものではないため疾患の進行を見落とす可能性は否定できません。

「ストレスで咳が出る」症状についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「ストレスで咳が出る」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

ストレスによる咳の特徴は何ですか?

木下 康平(医師)

日中にのみ多く、就寝時は咳が出ないことが多いです。

ストレスによる咳が原因で肺炎になる可能性はありますか?

木下 康平(医師)

肺炎から咳が出ることはありますが、咳が原因で肺炎になることはありません。

まとめ 咳が続く時は呼吸器内科で相談

ストレスが原因と思っていても、隠れている原因があることが多々あります。
ストレスによる咳と自己判断せずに、まずは受診することをお勧めいたします。

「ストレスで咳が出る」症状で考えられる病気

「ストレスで咳が出る」から医師が考えられる病気は5個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

循環器系の病気

心不全

心療内科・精神科の病気

咽喉頭異常感症

心因性咳嗽

耳鼻咽喉科の病気

副鼻腔炎

消化器の病気

逆流性食道炎

心理的なストレスが原因とは限りませんが、身体的に負荷がかかる場合に心臓の負担が悪化して心不全から咳症状が出る可能性があります。またこれまでご紹介したように、ストレスが直接的な原因になっていなくても、副鼻腔炎、逆流性食道炎などからせきにつながることもあります。ストレスが原因で咳が出る病気としては、心因性咳嗽が代表的ですが、これは他の病気を除外してからの診断になります。

「ストレスで咳が出る」に似ている症状・関連する症状

「ストレスで咳が出る」と関連している、似ている症状は3個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

咳が長期間続く

起きている間だけ咳が出る

のどの部分に違和感がある

「ストレスで咳がでる」以外に上記の症状が見られる場合にも心因性咳嗽の可能性は考えられます。しかしまずは喘息などの呼吸器疾患、そのほかの内科的異常がないか確かめる必要がありますので、まずは内科を受診しましょう。

【参考文献】
・咽喉頭異常感症の診断と治療 耳鼻臨床 97:6;568-569, 2004
・心因性咳嗽の臨床的検討 日耳鼻 124:1485-1491, 2021