「アレルギー性鼻炎」の原因・症状をご存知ですか? 風邪との見分け方を医師に聞く

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鼻水やくしゃみなどの症状が出ると、まずは「風邪」や「アレルギー性鼻炎」を疑うと思います。似たような症状が起きる2つですが、どのような違いがあるのでしょうか。今回はアレルギー性鼻炎の原因・症状について「山本耳鼻咽喉科」の山本先生を取材しました。

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監修医師:
山本 一博(山本耳鼻咽喉科)

北里大学医学部卒業。その後、北里大学病院、横須賀市立市民病院、国立病院機構相模原病院などで勤務医として経験を積む。2008年、東京都町田市に「山本耳鼻咽喉科」を開院。北里大学病院、町田市民病院など近隣の医療機関と連携をはかりながら、小さい子どもからお年寄りまで、安心して受診できる環境づくりを心がけている。日本耳鼻咽喉科学会専門医。日本鼻科学会、日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー感染症学会、耳鼻咽喉科臨床学会の各会員。

編集部

どういった物質を異物として認識してしまうのですか?

山本先生

よくあるのは、ハウスダストやダニ、花粉、カビなどです。とくに患者さんが多いのは花粉症で、花粉の中でもスギやヒノキ、イネ科の植物の花粉は、アレルギー性鼻炎を引き起こしやすいとされています。

編集部

そもそも、なぜ免疫システムの過剰反応が起きるのですか?

山本先生

遺伝的な問題もありますが、疲労やストレス、偏った食生活、不規則な生活なども原因となり得ます。とくに現代人は大気汚染の影響を受けたり、日常的に化学物質に多く触れていたりするため、近年はアレルギー性鼻炎の患者数が増加傾向にあります。

編集部

アレルギー性鼻炎になると、どのような症状がみられますか?

山本先生

鼻や喉、目、耳、頭、皮膚など全身に現れます。鼻に現れる症状として多いのは、「透明でサラサラした鼻水が止まらない」「くしゃみが立て続けに出る」「鼻が詰まって苦しい」などです。喉に現れる症状としては「喉がかゆい」「イガイガする」などが目立ちます。そのほかにも、皮膚がかゆくなったり、頭痛がしたり、集中力がなくなったりと、様々な症状が現れます。

編集部

全身に症状が現れるのですね。

山本先生

そうです。そして、それが風邪と見分けるポイントになります。とくにスギ花粉が飛散する時期は、風邪やインフルエンザが流行する時期と重なっています。そのため、「花粉症と思ったらインフルエンザだった」ということも散見されます。

編集部

アレルギー性鼻炎と風邪やインフルエンザを見分ける方法はありますか?

山本先生

風邪やインフルエンザであれば発熱もありますし、1週間程度で症状がおさまります。一方で花粉症の場合は、熱が出ることはほとんどなく、症状が長く続きます。また、風邪の場合は途中から鼻水の色が濁ってきますが、アレルギー性鼻炎の場合は透明の鼻水が続きます。