代表的な撮影アクセサリーのひとつといえば、昔も今も三脚であることに変わりはありません。長秒撮影のとき、じっくりと被写体と対峙したいとき、アングルをしっかりと固定したいときなど必要不可欠な存在で、カメラアクセサリーの中でも定番中の定番と述べてよいでしょう。

そんな三脚ですが、このところ中国を中心とした新興メーカー/ブランドが台頭しており、日本国内でもシェアを急激に伸ばしてきています。CP+2024でも多くの三脚が展示されていますが、ここではそのような新興メーカー/ブランドの三脚を紹介していきます。

【コンテンツ追加】会場で話題を呼んだRevolve Tec社の新機軸の三脚の記事を追加しました(2月25日22時30分)。



【動画】Revolve Tec社の三脚。ローラーボールチューブといわれる特殊なマテリアルを脚の素材としています。縦に巻けば三脚の脚に、横に巻けば小さくなり、専用のポーチに収納できます。何はともあれ、この動画を見てください

三脚は非常に軽量。指1本で持つことができます。写真は同社のマネージャー、ハリー・テリー氏。ローラーボールチューブの開発は約20年かかったといいます

三脚を収納したところ。小、中、大の3つの脚とスパイダーがこの中に入っています。この三脚は、イギリスとアメリカではすでに発売済み。日本も販売代理店が見つかればすぐにでも発売したいとのことでした

通常の三脚のような脚の長さは調整できないため、必要に応じて小、中、大3つのローラーボールチューブを使用します。価格は500〜600ドルで販売したいとのこと

VANGUARD(ヴァンガード)のブース。三脚のほかカメラバッグなども展示。新興のブランドとしては以前からCP+にはブースを構えているので、お馴染みのひとも多いことと思います

VANGUARD最新の三脚「TRADITIONAL FULL SIZE TORIPOD VED5」。センターポールが取り外せるため、超ローアングルでの撮影に対応。カーボン製とアルミ製があり、それぞれ5つのサイズから選ぶことができます

同じくVANGUARD最新のトラベラータイプの三脚「TRADITIONAL TRAVEL TORIPOD VESTA GO AB/CB」。雲台が外せ、センターポールの分割もできます。こちらもカーボン製(写真では左)とアルミ製(写真では右)があり、それぞれ3つのサイズから選択可能。脚のロックは、カーボン製はナットタイプ、アルミ製はレバータイプとしています

Leofoto(レオフォト)の日本総代理店であるワイドトレードの上田晃央社長が手に持つのは、最大伸長158cm、収納時の長さ43.5cmのミドルクラスの三脚「LY Mr.Y」

Leofoto「LY Mr.Y」に付属する自由雲台はアルカスイス対応。雲台自体を真横にすることができ、縦位置撮影でもよりしっかりカメラが固定できるとしています

「LY Mr.Y」のカラーはブラックのほか、写真のピンクとグリーンが用意されています。撮影が楽しくなりそう。なお、ピンクとグリーンに関しては直販限定となります

Leofotoのブース。このブランドの三脚を愛用するプロの写真家、カメラマンが増えてきています。川口にあるショールームにはギャラリーを併設するなど勢いのある三脚ブランドです

中華料理店の円卓のようなLeofotoの雲台ハンズオンコーナー。さまざまなタイプの雲台が触ることができます。中央には小型の三脚も置いてありました

細かな部品なども展示されていました。どのアイテムを使えばより撮影が快適に楽しめるのか、係員と相談しながら試すことできます。このような心配りもLeofotoならでは

SAEDAの取り扱うGoocong(グーコング)のブース。SAEDAは広島の企業で、GoocongのほかLEDライトのPhottixなども取り扱っています

脚が自由自在に柔らかく動く「Goocong F1C」。手摺りなどに固定することができます。一般的な標準レンズを装着したミラーレスなど適しているとのこと。参考出品

こちらも脚が自由自在に曲がる「Goocong Yoga pod」。展示では雲台自体に脚がひとつくっついているものもあり、動画撮影時などその脚に光源やハレ切りなど装着できそうに思えました。参考出品

おなじくGoocongの三脚「Model 04」。装着された雲台は動画撮影用です。脚ロックはレバータイプを採用。アルミ製のようでしたが、かなり軽量でした。参考出品

おしゃれなGoocongのミニ三脚「TK-04」。雲台は一般的なカメラ装着のネジのほか、スマートフォンを固定できるホルダーにもなります。参考出品

ご存知よしみカメラの一木社長が手に持つのは、同社が日本での代理店となる「COMAN ZERO X」。軽量に仕上がっており、855gを実現。脚自体をひねって伸縮を行います

「COMAN ZERO X」の雲台周辺。アルカスイスタイプの雲台で速やかなカメラの着脱を実現しています。雲台は好みのものに変えることもできます

最大伸長は148.8cm、収納時の長さ41cmとしています。この三脚と忍者レフを持って夜景撮影に挑戦してみるのもありかもしれませんね

中国製の三脚メーカーとしては最古参のひとつSIRUI(シルイ)のブースの様子。会場内メイン通りの面したところにブースはあり終日賑わっていました

SIRUIの新しいアイテムはRapid System「SVM-145」。雲台と一脚、そして支持脚を一体とするカーボン製モノポッドとなります。自立することと、極太の一脚ながら軽量に仕上がっているのが特徴です

SIRUIのRapid System「SVM-145」(左)と、従来製品である「P-325FL+VA-5」を並べた状態。「SVM-145」は脚ロックがナットタイプで、一部金属の部品がブラック仕上げとしています

ドローンユーザーには馴染みのあるPGYTECH(ピージーワイテック)のブース。三脚のほか、カメラバッグやストラップなど展示しています。など同ブランドの日本代理店は、やはりドローン関連の販売でよく知られたセキドとなっています

PGYTECHの多機能ミニ三脚。Bluetoothを使い録画のON/OFFに対応。折り畳めばアクションカメラやミラーレスなどのグリップにもなる形状としています

製品名、発売日、価格など未定するPGYTECHのカーボン三脚。脚の最大径は25mm、最大伸長は150cmとしています。関係者の話によりますと、今年の6月か7月にまでには発売したいとのことでした

カーボン三脚のセンターポールのなかには、スマートフォンをこの三脚に載せるためのホルダーを収納。写真はセンターポールからそのホルダーを引き抜こうとしているところです

センターポールはスパイダー部のボタンを押して上下させます。従来のものと異なりワンタッチでセンターポールの高さが調整できます

雲台を載せる台は傾かせることも可能としています。水準器も備わっていますので、動画撮影のときなど便利そうです

BENRO(ベンロ)も以前からCP+に参加している中国の三脚メーカー。時折面白いアイディアの三脚を出してくれるので目が離せません。今回もびっくりするような三脚を出してきました。紹介は次の段で

係員が手に持つのは、自動で雲台を水平にするBENROの自動レベリング三脚「THEAT」。発売日、価格とも現時点では未定ですが、すでに海外ではクラウドファインディングを行なっているそうです

スパイダーのところにくっついているのが自動レベリングのスイッチ。駆動はモーターによるギアのようです。「THEAT」の最大伸長は155cm。170cmとする「THEAT MAX」もラインナップされる予定です



【動画】「THEAT」が自動的に水平を保つ様子。静止画のパノラマ撮影や動画撮影で特に効果を発揮しそうです

長年プロやアドバンスドアマチュアに訴求するアイテムを提案する銀一のブース。今回同社が提案する三脚はイギリスの「3 Legged Thing」(スリーレッグドシング)。これまでにないカラーリングが特徴的な三脚です

「3 Legged Thing」のなかで最もグレードの高いLegends Rangeの「Legends Bucky」。カーボン製でトラベルタイプの三脚となります。最大伸長は180cm、最大パイプ径26mm。カーボン製で5段となります

左よりトップエンドの「Legends Bucky」、ミドルレンジであるPro Rangeの 「PRO Albert 2.0」(カーボン製)、ローエンドPunks Rangeの「Punks Corey 2.0」(マグネシウム合金)。いずれもカラリーングが独特で個性ある三脚です

銀一が日本総代理店となる人気の「peak design」(ピークデザイン)。「トラベル トライポッド カーボン」はそのブランドが提案する三脚です。最大伸長は152.4cm、質量1.29kgで、縮めた時の長さは39.1cmとコンパクト

著者 : 大浦タケシ おおうらたけし 宮崎県都城市生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業後、雑誌カメラマンやデザイン企画会社を経てフォトグラファーとして独立。以後、カメラ誌および一般紙、Web媒体を中心に多方面で活動を行う。日本写真家協会(JPS)会員。 この著者の記事一覧はこちら