花粉はとにかく体に入れないことが大事! 花粉症を漫画でチェック【おしえて!トリートマン】

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子どもがかかりやすい病気について、知っておくといざというとき安心! トリートマンといっしょに楽しく学びましょう。



花粉症ってどんな病気?

花粉症は、体の中に入った花粉に対して人間の体が起こす異物反応(免疫反応)です。体の内に侵入した花粉を異物と認識し、この異物(抗原)に対する抗体をつくり、再び侵入した花粉を排除しようとする反応です。花粉を排除しようとして、くしゃみや鼻水、涙という症状が出るのです。

免疫反応は、一般的には体にとって良い反応ですが、ときには免疫反応が過剰になり、 生活に支障が出てしまうアレルギーになります。

花粉症になる人とならない人がいるのはどうして?

花粉が体内に入ってもアレルギーの素因を持っていない人は花粉症にはなりません。アレルギーの素因を持っていてもすぐに花粉症になるわけではなく、体の中に入った花粉(抗原)に対応するための抗体をつくります。人によって期間が違いますが、数年から数十年間花粉を浴びているとやがて抗体が充分な量になり、この後に再び花粉が体の中に入ってくると、くしゃみや鼻水、涙などの花粉症の症状が表れるのです。

花粉症の患者数は小さな子どもも含め年々増え、社会問題に

近年は飛散する花粉の量が増加しているために、小さな子どもでも花粉症にかかることが多くなりました。
2019 年に行われた全国的調査の年齢層別のスギ花粉症有病率では、10〜19 歳 で 49.5%、5〜9歳で30.1%と以前の調査に比べ、小児の有病率の増加が明らかになっています。
子どもの場合とくに、目がかゆかったりはなが出るので集中できにくい、外出したくなくなるなど日常生活に支障が出るので、対策はしっかりしたいものですね。

まずは花粉を遮断! 舌下免疫療法も有効

治療や予防の第一歩は、体に入る花粉の量を減らすこと。上の漫画のポイントはとても大切で、さらに玄関で服や髪を払って花粉をしっかり落としてから室内に入り、すぐに洗顔やシャワーを浴びることも効果が高いです。
また、口の中にタブレット(薬)を入れて1分間おく「舌下免疫療法」もおすすめ。
3〜5年と長い期間毎日続ける大変さはありますが、治療1年目くらいから効果が出はじめることが多いようです。2018 年にスギ花粉症に対しての舌下錠が小児においても保険適用となり、今のところ安全に施行されており、有効性も期待できるといえます。

参考文献:花粉症環境保健マニュアル
アレルギー性鼻炎ガイド2021年版


監修/工藤紀子
小児科医・医学博士。 順天堂大学医学部卒業、同大学大学院 小児科思春期科博士課程修了。栄養と子どもの発達に関連する研究で博士号を取得。 現在2児の母。アメリカにて子育てを経験。「育児は楽に楽しく安全に」をモットーに、年間のべ1万人の子どもを診察しながら、子育て中の家族に向けて育児のアドバイスを行っている。 https://noriko-kudo.com/


作/(キモト)
准看護師免許を持つ漫画家。「子どもたちに健康と元気を届けたい」という思いで、子どもがかかりやすい病気や、体のことについてユーモラスなキャラクターで紹介している。「親子で一緒に学んで、病気に負けない強い体づくりを日頃から心がけてほしい」。 
公式サイト:「なおせ!トリートマン」
X:https://twitter.com/136teatman