【妊婦さん必見】これって陣痛? 病院に行くタイミングや即連絡が必要な場合を医師解説
出産予定日が近づくとそわそわする妊婦さんは多いと思います。いわゆる「臨月」に入ったらどのように過ごすのが良いのでしょうか? また、どんな兆候があれば病院へ連絡・向かって良いのでしょうか? 今回は産婦人科医の大高 究先生(大高医院 院長)に出産間近の過ごし方や病院へ行くタイミングについてお話を伺いました。
監修医師:
大高 究(大高医院)
昭和58年 東邦大学医学部卒業後、東邦大学医療センター大森病院や東邦大学医療センター佐倉病院 産婦人科にて経験を積んだのち、現職。日本産科婦人科学会産婦人科専門医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医、母体保護法指定医師。
そろそろかも? 出産が近づいているサインは?
編集部
臨月になると、いつ陣痛が来るのかソワソワします。具体的には、いつが「臨月」と呼ばれる期間ですか?
大高先生
そうですね。妊娠36週以降、つまり出産予定日までの最後の1ヶ月がいわゆる「臨月」と呼ばれており、「赤ちゃんがいつ生まれてもおかしくない時期」とされています。
編集部
妊娠36週以降~出産予定日までに生まれるのが通常ですか?
大高先生
医学的にいうと、少し異なります。実は「臨月」は医学用語ではなく、最近ではあまり使われることがなくなってきました。似ている意味の医学用語として「正期産」があります。こちらも「いつ生まれても良いとされる時期」を指すのですが、期間は妊娠37週0日~41週6日です。
編集部
36週からではないのですね。
大高先生
そうですね。医学的には37週からが正期産なので、例えば36週で出産となると「早期産」となり、赤ちゃんの周産期センターなどでの管理が必要になることもあります。ですので、36週を迎えた妊婦さんには「あと1週はお腹にいてもらいたいですね」とお話しています。
「もうすぐ出産」この期間はどのように過ごすのが良い?
編集部
37週以降の過ごし方として、知っておいた方が良いことはありますか?
大高先生
お腹が圧迫されるような動作は避け、長距離・長時間の移動も控えましょう。あくまで体調をみながらですが、無理のない範囲でのウォーキングのような軽い運動を積極的に取り入れていただけたらと思います。ただし、帝王切開予定の方や医師から安静の指示が出ている方は、その指示に従ってください。
編集部
例えば、家の近くをお散歩するなどは良いのですね。
大高先生
はい。身体的な影響だけでなく気分転換にも大変良いと思います。ただし、いざという時速やかに連絡できるように、産院やタクシー会社の連絡先がわかるようにしておく、母子手帳を携帯するなど、いつ陣痛が来てもいいように万全の準備をしておきましょう。また、インフルエンザなどの流行期は人混みをなるべく避けてください。
編集部
陣痛が来る前には、どのような体の変化がありますか?
大高先生
個人差はありますが、まずお腹が張りやすくなります。さらに、赤ちゃんが骨盤までおりてくると、お腹の膨らみが下に下がってきたり、胎動がややおとなしくなったり、おりものが増えたりします。
いよいよ陣痛 病院に行くタイミングはいつ?
編集部
陣痛がきたらどうしたら良いでしょうか?
大高先生
お腹の張りが強くなったりおさまったりするので、その間隔を測りましょう。当院ですと、初産の場合は10分おきくらいの張りが1時間くらい持続したら陣痛が来たと判断し、経産婦の場合は15~20分おきくらいになったら連絡してくださいとお伝えしています。
編集部
陣痛中はどう過ごしたら良いですか?
大高先生
無理のない範囲で食事や水分補給、体を温めるなどをしてみてください。「階段昇降やスクワットをした方が良いですか?」などと聞かれることもあるのですが、当院では「休める時に休んでおいてください」とお伝えしています。また、本格的な陣痛がくる前に、母親教室などでやった呼吸法を再度練習しておくと良いですね。ただし、状態によっては早急に産院へ連絡する必要がある場合があります。
編集部
どのような場合に、即連絡したら良いでしょうか?
大高先生
「急激な強い腹痛」「おしるしレベルではない大量の出血」「破水感」この3つがあった場合は、様子見ではなくすぐに連絡してください。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
大高先生
とくに初産の場合は、「これは陣痛なの?」という感覚や破水感などは分からないと思いますので、違和感があった時には自己判断せず、すぐに連絡していただけたらと思います。相談いただければ、スタッフがそれを聞いて適切な指示をするので、深夜や早朝でも遠慮なく連絡してください。
編集部まとめ
初めて出産を経験する場合は、分からないことが多くて不安を感じる人はたくさんいらっしゃいます。臨月になれば陣痛が来るかもしれないとソワソワするかもしれませんが、正しい知識をもっておけばある程度落ち着いて行動できます。また、分からずに一人で悩まず、迷ったらすぐにかかりつけの医療機関や専門病院へ連絡・相談しましょう。
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