前走で待望の初勝利を手にしたテンペスト(昨年8月撮影、ユーザー提供:zatsumuさん)

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 復帰戦で成長を示すことができるか。名牝シーザリオの最後の仔となるテンペスト(牝4、美浦・国枝栄厩舎)が、日曜東京6Rの4歳上1勝クラス(芝1800m)で半年ぶりの実戦を迎える。

 テンペストは父ロードカナロア、母シーザリオ、母の父スペシャルウィークの血統。母は05年にオークスとアメリカンオークスを制した名牝。きょうだいも優秀で、半兄のエピファネイアは13年の菊花賞と14年のジャパンCを制し、同じくリオンディーズは15年の朝日杯FS覇者。全兄のサートゥルナーリアは18年のホープフルSと19年の皐月賞を制している。そのうち2頭は既に種牡馬として活躍していることが、この血統が優秀であることを証明している。

 ここまで4戦1勝。デビュー戦から2着、3着、5着と悔しいレースが続いたが、前走の未勝利(新潟芝1600m)で待望の初勝利。終始左にモタれる面を見せて、決して褒められた内容ではなかったが、勝ったことに価値がある一戦だった。その後は放牧でリフレッシュされて、今回が6カ月ぶりの実戦。最終追い切りではダイヤモンドSに出走するサリエラと併せて、上々の動きを見せた。休み明けに加えて昇級戦となるので楽ではないが、しっかりと走ることさえできれば勝ち負けになっていい。

 兄姉の成績を見ると、牡馬は優秀な一方、牝馬は4頭中2頭のみの勝ち上がり。ファーストフォリオがオープンまで出世したとはいえ、やや物足りなさが残る。それだけに最後の仔となるテンペストにかかる期待は大きい。まずは復帰戦をしっかりとモノにして、今後の飛躍につなげてほしい。