現場の人を振り回す? “ジジイの壁”の問題とは!?
2月14日「大竹まことゴールデンラジオ」(文化放送)、大竹メインディッシュのコーナーに健康社会学者の河合薫さんが出演した。CAや気象予報士などの経歴を持つ河合さんが、発売中の新刊『働かないニッポン』について語った。
河合薫「私もちゃんと働けたことでいい先輩やいろんな先輩と出会って、『働くことっておもしろいじゃん』と思っているうちにここまでたどり着きました」
壇蜜「働くことに価値を見出せた、という方の視点から、いまの働かない社会をぶったぎる。そんな本(『働かないニッポン』)でしたね」
河合「ぶったぎりました」
壇蜜「だから出てくるワードが辛辣なんですよ。『ジジイ』、普通に出てきます。『日本的マゾヒズム』……なんだそりゃ」
大竹まこと「すごいね。帯にも『“ジジイの壁”あり』ってありますよ」
壇蜜「養老孟司先生もビックリですよ(笑)」
大竹「内容について伺いますけど、ジジイの壁とは大雑把に言うとどういうことですか?」
河合「ここでいうジジイとは何も、年をとった男性のことを指しているではないんですね。自分の保身のために、手に入れた権力であるとか、社会的地位、そういったものを使っていく人のことです。会社組織、あるいは日本組織の中で。人のために、と言いながら自分のために権力を使うなどしている人のことをジジイと呼んでいます」
大竹「いまの与党の政治家のこととか、浮かんできますけど」
河合「そのとおりです。だから女の人で“ジジイ”になっている人、若くてジジイ化している人もいます」
大竹「なるほど」
河合「問題は、そのジジイが結託することでジジイの壁を作っていて、その中でいろいろなことが自分たちのために行われている。そういう社会構造ができているということに警鐘を鳴らしたくて書きました」
大竹「企業も含めてですか?」
河合「含めてです」
壇蜜「ジジイアイランドができている……」
河合「できています(笑)。だって現場の人はみんな一生懸命、働いているわけです。たとえば大阪の万博建設が進まない、実際にできるかもわからない状況になってしまった……」
壇蜜「辞退している国もあります」
河合「なんでそんなことになっているか。階層上階のジジイの壁の人たちの怠慢ですよ。その人たちがちゃんと仕事をしなかったから、現場の人たちは無駄な仕事をして汗水をたらしてしまった。あるいはいろいろな不正問題が発生しましたけど、現場の人たちからしたら一生懸命、働いただけですよね。上からの要求に従うために。でも上の人は働く人ではなく金だけを見て『生産性を上げろ』とか言ったり、数字だけを見てやってきたりした。現場の人たちは報われていないわけです。賃金は上がらない、能力を発揮する機会もない……」
大竹「なるほど」
河合「非正規雇用で、雇用形態が違うというだけで生活は不安定だし、安い労働者として扱われている。なんでやねん、と」