「白血病の治療期間」はご存知ですか？日常生活への影響についても解説！

2024年2月14日 2時0分

Medical DOC

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白血病とは、がん化した細胞が骨髄で異常に増える病気です。

「白血病の治療期間はどの程度なのだろう」「白血病の原因には何があるのだろう」など様々な疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。

この記事では白血病の治療期間・検査・治療計画・治療方法について解説します。

気になる症状のある方はぜひ参考にしてください。

監修医師：
甲斐沼孟（TOTO関西支社健康管理室産業医）

大阪市立大学（現・大阪公立大学）医学部医学科卒業。大阪急性期・総合医療センター外科後期臨床研修医、大阪労災病院心臓血管外科後期臨床研修医、国立病院機構大阪医療センター心臓血管外科医員、大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、大手前病院救急科医長。2023年、TOTO関西支社健康管理室産業医。日本外科学会専門医、日本病院総合診療医学会認定医など。著書は「都市部二次救急1病院における高齢者救急医療の現状と今後の展望」「高齢化社会における大阪市中心部の二次救急１病院での救急医療の現状」「播種性血管内凝固症候群を合併した急性壊死性胆嚢炎に対してrTM投与および腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行し良好な経過を得た一例」など。

急性白血病の治療期間

急性白血病の治療期間は一般的に個人の状況によって異なります。また治療期間はさまざまな要素によって影響を受ける可能性があります。
1つ目は患者さんの年齢と健康状態です。若い患者さんや一般的に健康な患者さんは、治療への反応が早く、治療期間が短い傾向があります。
一方、高齢者や基礎疾患を抱えている患者さんは、治療に時間がかかる場合があります。
2つ目は病態の特徴です。急性白血病はさまざまなタイプがあり、予後の良いタイプでは治療期間が短く、予後の悪いサブタイプではより長い治療期間が必要な場合があります。
またこれらに加えて、患者さんの個別の治療反応や病気の進行の速さなども治療期間に影響を与える可能性があります。このように治療期間は個別の患者さんの状況によって異なるのが特徴です。

白血病が疑われる場合に行われる検査

急性白血病が疑われる場合に行われる検査は次の3つです。

血液検査

骨髄検査

画像診断

以下でそれぞれについて詳しくみていきましょう。

血液検査

白血病の検査の1つは血液検査です。血液検査では白血球数・赤血球数・血小板数などの数値が測定され、異常な細胞や細胞の割合が確認されます。
また、造血細胞の異常の検査も行われる場合があります。

骨髄検査

骨髄検査は、白血病の診断と治療方針の決定に重要な検査の1つです。
骨髄検査では、顕微鏡で骨髄内の細胞の形態を観察することによって、白血病細胞の存在や細胞の異常性を確認します。

画像診断

急性白血病が疑われる場合に行われる検査には画像診断があり、具体的な方法はX線検査・CTスキャン・MRI・PET検査などです。
これらの画像診断により、リンパ節腫脹・病変の範囲・他の臓器への広がりなどを評価することができます。

急性白血病の治療計画・治療後のアプローチ

急性白血病の治療計画・治療後のアプローチとしては次の5段階に分けられます。

治療計画：医者との相談

治療計画：費用の検討

治療後：回復期の管理

治療後：副作用の確認

治療後：定期的な検査・診断

以下でそれぞれについて詳しくみていきましょう。

治療計画：医者との相談

まずは医師と相談して治療計画を立てることです。
急性白血病の治療計画は、患者さんの年齢・健康状態・急性白血病のタイプ・遺伝子異常の有無など、個々の患者さんの特性に基づいて計画します。
また治療の目標・予想される副作用・患者さんの予後についても話し合います。

治療計画：費用の検討

次に行うのが費用の検討です。急性白血病の治療には、化学療法や造血幹細胞移植など、高額な医療費がかかる場合があります。
治療計画を立てる際には、それに関連する費用についても考慮する必要があります。患者さんと家族は保険の適用や医療費補助制度などを確認し、適切な治療計画を立てることが重要です。

治療後：回復期の管理

治療後に行うことは回復期の管理です。急性白血病の治療の後は、患者さんの回復期に入ります。
この期間は骨髄の機能が回復し、副作用や合併症のリスクが低下する期間です。この期間では再発や合併症の予防に取り組み、加えて予防的な抗菌薬の投与やステロイドの減量などが行われる場合もあります。

治療後：副作用の確認

治療後はさらに副作用の確認も行います。急性白血病の治療における副作用の例としては次の通りです。
1つ目は消化器系の副作用です。吐き気・嘔吐・食欲不振などの消化器系の症状が現れることがあります。
2つ目は骨髄抑制です。化学療法によって正常な造血細胞も抑制されるため、貧血・血小板減少・白血球減少などの骨髄抑制が現れることがあります。
3つ目は免疫系の副作用です。免疫系の骨髄抑制により、感染症に対する免疫力が低下するため発熱や感染症などが起こることがあります。
4つ目は神経系の副作用です。化学療法による神経障害により神経痛の症状がみられる場合もあります。

治療後：定期的な検査・診断

急性白血病の治療後は、定期的な検査や診断が必要とされ、具体的な内容は骨髄検査・血液検査・画像診断・心電図などです。このような定期的な検査と診断が白血病の再発予防や早期発見につながります。
また予防と対策のためには、定期的な検査・診断を受けるだけでなく、健康な生活習慣を維持することも重要です。バランスの取れた食事・適度な運動・禁煙は、白血病予防に大切です。

白血病の治療方法

白血病の治療方法には次の3つが挙げられます。

化学療法

放射線療法

造血幹細胞移植

以下でそれぞれについて詳しくみていきましょう。

化学療法

白血病の治療方法の1つに化学療法が挙げられます。
化学療法の治療手順は次の通りです。まずは強力な化学療法が行われます。急性白血病の白血病細胞を完全に除去し、一時的に正常な造血を阻害するために、シタラビンとアンスラサイクリンを組み合わせた抗がん剤投与を行います。
次に行われるのが寛解療法です。この段階では、補完療法として追加の化学療法が行われる場合があります。

放射線療法

白血病の治療方法には放射線療法があります。治療の主な目的はがん細胞の死滅や骨髄移植前の拒絶反応に対する免疫抑制です。
照射中は痛み・熱さはなく、通常1回の照射は10～20分程で終了します。

造血幹細胞移植

造血幹細胞移植は、白血病の治療法の1つです。造血幹細胞移植は、次の2つの方法があります。
1つ目は自家移植であり、患者さん自身の造血幹細胞が利用される方法です。自己の造血幹細胞が回収されて凍結保存された後、再凍結した幹細胞が患者さんに再注入され、新たな造血系を再構築させます。
2つ目は血縁者や無血縁者のドナーから得られた造血幹細胞が利用される方法です。ヒト白血球抗原の適合性を確認し、最も適合度の高いドナーから幹細胞を採取します。移植後、投与された造血幹細胞は患者さんの骨髄に生着することで、新しい血液細胞が生成されるようになります。

白血病についてよくある質問

ここまで急性白血病の治療期間・症状・治療計画・治療後のアプローチ・治療方法などを紹介しました。
ここでは急性白血病の原因・日常生活への影響についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

白血病の原因はなんですか？

甲斐沼孟（医師）

白血病の原因は明確にはわかっていませんが、2つの要因が関与していると考えられています。
1つ目は遺伝的要因です。白血病は特定の遺伝子異常に関連しており、遺伝的な変異や染色体の異常は、白血病の発症リスクを増加させる可能性があります。
2つ目は免疫系の異常です。免疫系の問題や免疫不全の状態は、白血病の一因となる可能性があります。

白血病は日常生活にどのように影響しますか？

甲斐沼孟（医師）

白血病は治療後に感染しやすい状態となるため、あらゆる面において日常生活に影響します。日常生活に影響する点についてこれから詳しく解説します。
1つ目は定期的な経過観察が必要となることです。治療後は定期的に検査や診察を受けることで、再発や合併症の早期発見につながります。
2つ目は免疫力の回復に注力することです。治療は免疫系を弱める場合があるため、治療後は免疫力を回復させるために健康な生活習慣の維持が重要です。具体的にはバランスの取れた食事・適度な運動・十分な睡眠・ストレス管理などが挙げられます。
3つ目は感染予防を行うことです。免疫力が低下しているため、感染症に対する予防策を徹底する必要があります。手洗いやマスクの着用、感染源との接触を避けるなどの対策が挙げられます。
このように白血病の治療後は、経過観察と予防策を行うことが大切なため、以上の3つのポイントを日常生活において遵守しましょう。

まとめ

白血病では、個々に合った治療計画と、治療後の感染予防などが重要です。また再発予防のためにも、定期的な受診や健康観察を実施するようにしましょう。

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