夕暮れになるとソワソワ…「夕暮れ症候群」とは? 認知症の症状について【専門家に聞く】

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日中は穏やかなのに、夕暮れになるとソワソワしてしまう認知症の症状を「夕暮れ症候群」と呼びます。なぜ、夕方になるとソワソワするのでしょうか? 介護福祉士の青木さんに聞きました。

監修介護福祉士:
青木 直士(介護福祉士)

神奈川社会福祉専門学校卒業。卒業時に介護福祉士取得。卒業後は介護老人保健施設や特別養護老人ホーム(従来型・ユニット型)・認知症共同生活介護(グループホーム)で合わせて9年間勤務。2022年からWebライターとして活動。以降、介護に関する記事などの執筆を行う。

編集部

祖父・祖母が夕方になると、ソワソワしたり不安そうな表情をしたりするのですが、なぜでしょう?

青木さん

おそらく夕暮れ症候群でしょう。認知症の方に起こり、夕暮れ時になるとソワソワする、落ち着きがなくなる、徘徊をはじめるなどといった症状が特徴的です。ほかにも興奮や攻撃、叫び、介護拒否などの不穏行動も事例 として挙げられています。

編集部

日中は穏やかなのに、なぜ夕方になると症状が出るのでしょうか?

青木さん

見当識障害が関係しています。見当識障害とは、今の時間や場所がわからなくなる状態のことで、認知症の中核症状の1つです。脳細胞が壊れる事で真夏などにセーターを着るなどといった、介護をしている側からすると想像できないことが起こる場合もあります。

編集部

認知症の方によく見られる症状ということですか?

青木さん

そうですね。認知症は脳内で記憶障害が起きているため、最近の出来事は忘れてしまい古い記憶を維持している傾向があります。夕暮れ症候群は、介護者が忙しそうにしていることで(自分がいたら迷惑になる)と不安に感じ、起こるケースもあります。介護者は忙しい夕方の時間帯でありますが、認知症の方の気持ちを考えて接することが大切です。