「splash out」と「swot」の意味とは? イギリス英語のスラング特集 (26)
イギリス英語はその独特の表現で知られているが、スラングはその文化の一端を映し出していると言える。今回は、日常会話でよく使われる2つのスラング、「splash out」と「swot」を取り上げ、それぞれの起源や用法を掘り下げていく。
【こちらも】「spend a penny」「spanner in the works」の意味は? イギリス英語のスラング
■Splash out
「splash out」とは、「派手にお金を使う」、「散財する」といった意味のスラングである。プレゼントや自分へのご褒美など、特定の目的のために多額のお金を使うケースで用いられる。「splash」が「(しぶきを)はねかける、飛び散らかせる」だから、日本語の「(お金を)湯水のように使う」という表現と同じようなイメージで捉えるとよいだろう。
「散財する」という意味で「splash」が使われるようになったのは、1930〜1940年代にさかのぼるが、それが「splash out」の形で定着したのは1970年代である。今でもビジネス関連のニュースなどで頻繁に見かける表現だ。
・After getting his first paycheck, he splashed out £300 on a brand new gaming console.(初めての給料で彼は新しいゲーム機に300ポンドも使った)
・I decided to splash out on a new car after getting my promotion.(昇進したので、思い切って新しい車を買うことにした)
このように、金額は「splash out」の直後に、お金を使う対象を示す場合は前置詞「on」を使う。
■Swot
「swot」は、「nerd」や「geek」に近い意味を持つスラングだ。日本語の「ガリ勉」に近いだろうか。ただし、軽蔑的な意味はあまりなく、真剣に勉強や仕事に打ち込んでいる人のことを指す。とはいえ、人に面と向かって「swot」や「a little swot」などと言うと、無礼だと受け取られることもあるので注意が必要だが。
「swot」の由来は「sweat」(汗)の方言に由来するが、オックスフォード英語辞典によると、最初に使用した人も明らかになっている。それは、サリー州にある王立陸軍士官学校サンドハーストにて数学教授を務めていた、スコットランド出身のWilliam Wallace氏だ。彼がかつて「It mades one swot」と言ったのが由来と伝えられている。
最初は名詞として使われていた「swot」だが、後には動詞としても使われるようになる。その意味は、「真剣に勉強や仕事に打ち込む」だ。
・Don't call me a swot just because I take my studies seriously.(私が真剣に勉強しているからと言って、ガリ勉なんて呼ばないで)・He's swotting for his exams, so he won't be able to join us tonight.(彼は試験勉強で忙しいから、今夜は一緒に来られないよ)