2月1日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、木曜コメンテーターで京都大学大学院教授の藤井聡氏と寺島尚正アナウンサーが、大阪・関西万博に関するニュースについて意見を交わした。

藤井氏「成功する状況じゃないなら延期・中止したほうがいい」

2025年国際博覧会(大阪・関西万博)の運営主体、日本国際博覧会協会がりそな銀行から最大360億円を借り入れることが31日、関係者への取材で分かった。広告宣伝費や人件費などの運営費に充てるという。

協会は最終的に運営費の約8割を入場券販売で賄う計画で、チケット収入を得るまでの運転資金にする方針。入場券は計2300万枚の販売を目標に掲げるが、1月24日時点では前売り券販売は約42万枚にとどまっている。

開幕(25年4月13日)まで残り1年余りとなり、24年度からは会期中の業務を担う事業者との契約締結が本格化し、資金需要が増える見通し。今後はチケットの販売が着実に伸びるかどうかが焦点となる。仮に入場券の販売が不調に終われば支出が収入を上回り赤字となる可能性がある。赤字の補填方法は決まっていない。

また、2025年大阪・関西万博に行きたいと答えた人の割合が1年前の調査から7.4ポイント減少し、33.8%となったことが分かった。万博の開催費用が膨らんだことで、国民の負担が増えることなどが反映したとみられる。

寺島アナ「こういう動きになってきましたね」

藤井氏「そうですね。これ、データを見てると万博協会の23年度の『来場したい』って言ってる人の目標割合が55%だったんですけど、去年が40%で『40%だったけど、盛り上げて55%にするぞ』って言ってたのに37%に落ちてるんですよね。さらに言うと、2021年のときはまだ『万博楽しそうだな』みたいな形で50%あったんですよ。50%の人が行きたいと言ってたのに、開催が近づけば近づくほど『もうええわ、そんなの』ってなってる。いろんな問題があるじゃないですか。最大の問題は赤字になったら金を払わされるのかと」

寺島アナ「開催費用が膨らんじゃうと国民の負担が増えるんでしょうか」

藤井氏「絶対増えますよ。これ、360億円借りますけど返せないですよ。とりあえず収入で返すでしょうけど、そしたら万博協会が赤字になるでしょ? 絶対増税されますよ。あるいは緊縮されますね。まぁ一緒ですけどね、緊縮も増税も。公的な税金でやるしかしょうがないですよ」

寺島アナ「そんな中、高市大臣は『一年ぐらい延期したらどうなんですか』という意見を出したというニュースが先日ありました」

藤井氏「まったくもって真っ当なご意見ですよね。多くの国民はまさにそう思ってますよ。『無理してやらんでええやろ』って」

寺島アナ「それでもやろうとするのは日本の国家としてのプライドなんですか?」

藤井氏「プライドも一部はあるでしょうけど、国家にプライド持っている人らが関与しているとは思えないですよね。契約とかの違約金払いたくないみたいなことじゃないですか? ぼくは成功したらいいとは思ってますけども、成功する状況じゃないんだったら延期・中止したほうがいいですよ」

寺島アナ「冷静に分析していくと『う~ん?』というはてなマークがつくという段階ですね。それに国民も気付き始めているということですからね」

藤井氏「そうですよ。赤字を補填させられるんですから」