1月29日「西川あやの おいでよ!クリエイティ部」(文化放送)、特集コーナーのテーマは「人とモノの末永いお付き合い」。物価の高騰が続き、かつてのように身の回りのモノを頻繁に買い替えづらくなったこの時代に、ひとつのモノと長く付き合いながら生活の質を上げる方法を考えた。

西川あやの「2008~2009年ごろにいわゆるファストファッション、海外のファッションの大型店舗がバンバン、オープンしていましたよね」

山内マリコ「私も並びました」

西川「ブランドもどんどん増えて。いまも流行していると思いますけど、そうすると服はもちろん、いろんなモノが早いサイクルで買い換えられていく、という気もします。15年ほど前、どういう感想でした?」

田村亮「海外から来てオシャレな感じ(のお店)で、流行に敏感な人とかが先に行っているから、『こういうふうに変わっていくんだ。それで安いんだ』ぐらいの感じでした。僕としては『こういう流れになるの……?』と不思議な感じでした」

山内「90年代ぐらいまで服、しかもブランドものって高いものだったんですよ。いいモノだった。でもファストファッション(日本登場)のころ、日本は経済的に低調だったし、私自身の経済も低調だった(笑)。『ありがてえ、ありがてえ』という感じで買っていたんですけど、同時に『これ大丈夫なのかな?』という感じもあったんです」

西川「最近そういうファストブランドも服のリサイクルなどをしています」

特集のテーマ「人とモノの末永いお付き合い」のヒントを得るため、今回は事前取材を行なった。番組でも何度か話題に出ている「Soup Stock Tokyo」でおなじみ、株式会社スマイルズのゼネラルマネージャー・近江伸介さんに、リサイクルショップ「PASS THE BATON(パスザバトン)」、スタート時に掲げたコンセプト「NEW RECYCLE(ニューリサイクル)」について伺った。

西川「(取材音声)NEW RECYCLEというコンセプト、改めて、どういう取組なのか教えてください」

近江伸介「2009年に代表の遠山(正道)が、自分がいろいろ買ってきたドメスティックブランドからハイブランドまでいわゆる買い付け業者さんに出したところ、キロいくらみたいな単位で買われることにすごく寂しさを覚えて。すごく思い入れがあるのに、なんでキロ、単位で買われてしまうのかな、と。でも『じつは1個1個にストーリーがあって……』みたいなことを伝えてあげられれば、それに共感した方が次に大事にしてくれるんじゃないか、ということで。『寂しさのモノ』から、温かいモノに持っていくようなことができないか、と。『NEW』と掲げたのは、リサイクルショップのモノと金額があるような形のタイプから、個人の方のプロフィールの写真と、そこにまつわるストーリーを添えて販売する、という」

西川「(スタジオに戻って)PASS THE BATON、早い話がリサイクルショップなんですけど、以前の使い手の方の顔も見られるし、『パリの本店で買ったこのブラウス』『こういうときに着た』みたいなこともわかって、ストーリーを継承しているんですね。当初はいまほどネットのフリマサービスもなかった。山内さん、店舗に行ったことがあるんですよね?」

山内「行きました。表参道と丸の内にあって、どちらにも(現在、店舗はいずれも閉店)。すごくお店が素敵で、いいモノを売っているんです。リサイクルショップって安い、ジャンク品みたいなものもあるけど、そこはもともと品(しな)がいいもの、ブランドのもののバッグ、伊万里焼の焼き物とかもあったかな。見たことないアンティークの雑貨もあったし、行くだけで楽しくて好きでした」

西川「まさにモノのバトンリレーを実現したサービスだったんです」