70代、柏木由紀子さんの着こなし術。30年前の服も「お直し」して楽しむ
SNSに投稿する日々のコーディネートが話題を呼び、「シニア世代のファッショニスタ」「70代のおしゃれ番長」とメディアでも大注目されている女優・柏木由紀子さん(76歳)。昨年末、自身2冊目のスタイルブック『柏木由紀子ライフクローゼット』を上梓。柏木さんのおしゃれや暮らしについてつづったこの本の中から、ファッションへのこだわりを一部記事を抜粋、加筆してご紹介します。
体型コンプレックスを隠してくれるジャケットコーデ
若い頃からジャケットが大好き。ジャケットを着て、タイトなシルエットのパンツをブーツインした“ジョッキー(乗馬)スタイル”は私の大好きなコーディネートです。
なで肩を気にしている私にとっては、肩まわりをカバーできて、着るだけでシルエットが決まるジャケットは強い味方。着ると背筋が自然と伸びて、気持ちがしゃんと引き締まるのも魅力です。
最近のお気に入りが、ジャケットにベルトを締めるコーディネート。これは女優のダイアン・キートンさんのインスタグラムを見て、マネし始めたものです。私には長すぎる丈のものや定番デザインのもの、昔買ったものもベルトをすることで新鮮な気持ちで着こなせます。
私の定番となっているRALPH LAURENのチェックのジャケットをベルトでアレンジ。30年も前からもっているアイテムですが、太めのベルトを締めることで違った雰囲気に。秋冬に活躍するコーデュロイのパンツはmother、馬蹄形のベルトはRALPH LAUREN、ブーツはSARTORE(サルトル)のもの。
着こなしの工夫のほかに、昔買った服を活躍させるには、時代に合わせた“お直し”もおすすめです。ウインドウショッピングをしていると、「これ、昔、流行ってたのと同じじゃない? あれがまた着られるかも!」と思うけど、やっぱりどこか違うんですよね。とくにジャケットやコートの肩まわりは、今と30年前ではかなりシルエットが違いますから、そのまま着てしまうとどこか昔風に。そんなときは、お直しに出すんです。希望を伝えて、肩まわりや丈を直していただくと、古い服も“今風”のデザインによみがえって、フレッシュな気持ちで楽しめますよ。
クローゼットに眠っていたアイテムもベルトで復活!
30年ほど前にニューヨークのデパート「バーグドルフ グッドマン」で買ったジャケット。デザインが気に入って買ったのですが、うまく着こなせなくて眠っていたアイテム。こちらもRALPH LAURENのポシェットつきベルトをしてみたら、なんだかしっくり! 下はスキニーパンツですっきりと。
25年前のジャケットは「お直し」で今の着こなしに合うシルエットに
ワイン色のジャケットはDONNA KARAN(ダナ キャラン)。「最近はダブルのジャケットがまた流行っているようなので、25年前のものを引っ張り出してきました。とはいえさすがにシルエットが古くなっていたので、お直しに出すことに。肩の部分を詰めたら、違和感なく着られました。
30年前に雑誌で着用したコートとジャケットは今も現役
ピンクのコートとジャケットはMcDavid(マックデイビッド)。30年前の『婦人画報』で着用したものです。当時はグレーのタイトスカートにストッキング、パンプスでシックに合わせていましたが、今回は令和版の着こなしに。グレーのパンツ、グレーのロングブーツでカジュアルダウンさせています。
フォーマルなジャケットはデニムでカジュアルダウン
黒のスウェードジャケットは、燕尾(えんび)服のように後ろの裾が長くなったデザインがユニーク。あえてカジュアルに着こなしたらかわいいかも! とデニムを合わせてみました。ジャケットはTOKITO(トキト)、裾広がりのデニムはYANUK(ヤヌーク)、黒のメガネはlunor(ルノア)。
気に入って買った服だからこそ、手放さずに“お直し”します
しっかり肩パッドが入っていたジャケットの元の姿。肩まわりや襟が自然なシルエットになるようにお直し。丈も調整したのだそう。よくお願いしているのは銀座の『ミシン工房』。流行っている丈感やサイズ感をリサーチしたうえで、お直しに出します。
肩を詰め、着丈も短くしたDolce&Gabbana(ドルチェ&ガッバーナ)のジャケット。インパクトのある太い襟も、今の気分に合わせて細くしました。簡単なお直しは自分でやることも。二度と同じ服は手に入らないので、直しながら大切に着続けたいですね。
『柏木由紀子ライフクローゼット』(扶桑社刊)はただいま発売中。