「1万円札の肖像は中村哲にしろ!」アフガニスタンで長年人道支援を続け銃弾に倒れた中村医師を語る
『中村哲という希望――日本国憲法を実行した男』を著した評論家の佐高信さんが1月19日の大竹まことゴールデンラジオに登場。高世仁さんと対談した本の内容について伺った。
大竹「この本もテレビのドキュメンタリーも見させていただきましたけど、この中村哲という男、本当にすごいですね。」
佐高「唯一の日本の希望でしょうね。それと強調しておきたいのは、この本の中にもありますけれども、イラクに自衛隊を派遣すると言うことを決めた時に、中村さんが参考人として国会に呼ばれてるわけですね。そこで、イラクへの自衛隊派遣というのは有害無益だと断言したら、ものすごい野次られたんですよ。」
大竹「2001年と2008年。2008年の方が野次が酷かったですかね。」
佐高「当時の委員長の加藤紘一が静粛にお願いしますって言わざるを得なかった。その野次った奴らが裏金疑惑ですよね。」
大竹(笑)
佐高「全員じゃない。」
大竹「全員被ってるわけじゃありませんけども、まあそういう方もいらっしゃいます。」
佐高「だから、裏金疑惑という絶望的な状況と、中村さんの希望っていうのは対比されてあると言うことを強調したいですよね。」
大竹「日本は自衛隊って言ってますけど、向こうの国にしてみれば、軍隊が来るんだと。」
佐高「ジャパニーズ・アーミーですから。こっちだけが自衛隊って言ってるんですよね。」
大竹「身内で言ってるだけで、世界に出れば軍隊。それが来る、しかもアメリカの要請を受けているわけですから、哲さんたちは、そういうことがかえって不安定材料になってしまうと。」
佐高「哲さんはアフガニスタンの砂漠を緑地に変えて「生活」を作っていったわけです。砲弾飛び交う中でやってたわけです。当時、中村さん乗ってた車は日の丸が付いていて撃たれなかったそうです。」
大竹「本にもありますけど、高世さんが向こうに行ったら、当時の検問所はどこでも「おお、日本からか」って言ってパスポートも見ずに通してくれたそうですね。」
佐高「オー、ミスター中村って言われたってね。(笑)それが、自衛隊派遣が決まった途端に危険にさらされるということですよね。だから、中村さんを撃った弾っていうのは、何処から飛んできたのかっていう、具体的な問題と間接的な問題あります。軍備で平和は守れない、暮らしは守れないということを中村さんが実践したわけじゃないですか。それで今。「ナカムラ広場」っていうのがあって、そこには中村さんの肖像画が飾ってある。」
室井「それ見ました。」
佐高「偶像崇拝やめたのに、中村さんの写真だけを飾ってある。」
大竹「アフガンでは、人の写真だとか置いちゃいけないって文化になっている中で、中村哲の公園を作って、そこに写真を置いてることは、アフガニスタンの全員が許してる。」
佐高「でも日本に公園ないじゃないですか。」
大竹「本当だ。」
佐高「だから私は1万円札の顔は中村哲にしろって言ってるわけですよ。」