フランスのピモダン少佐が19世紀末に写した澎湖諸島・媽宮(現馬公)の城門(国家撮影文化センター提供)

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(台北中央社)日本統治時代の1896(明治29)年にフランスの軍人が台湾の日常風景や伝統建築などを捉えた写真計35枚が、国家撮影文化センターのウェブサイトで公開されている。同センターは100年以上前の台湾の様子や文化の重なり、変化を見てほしいとしている。

同センターの報道資料によれば、写真を撮影したのは駐日フランス陸軍武官、クロード・ド・ピモダン少佐。日本がどのように植民地の秩序を保っているかを見学するために台湾を訪問。北部・基隆から上陸し、中部や南部を巡った他、離島の澎湖にも訪れた。軍の活動の様子よりも、農夫や水牛といった日常風景、伝統建築、廟(びょう)などを写した写真が多い。台湾から帰るとピモダンは写真帳「台湾と澎湖諸島の思い出」を作成し、彼をもてなした友人らに贈ったという。

写真帳のタイトルページには、出版者として写真家、小川一真の名前が記されている。写真はコロタイプと呼ばれる技法を使って印刷された。主に1870年代から1920年代にかけて用いられ、芸術的価値や希少性が高いという。

(王宝児/編集:田中宏樹)