ハッブル宇宙望遠鏡で撮影された“おとめ座”の矮小不規則銀河「UGC 8091」

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こちらは「おとめ座(乙女座)」の方向約790万光年先の矮小不規則銀河「UGC 8091」です。矮小不規則銀河は数十億個以下の恒星からなる小さな銀河である矮小銀河の一種で、矮小銀河の中でも星やガスが不規則に分布しているものを指します。


【▲ ハッブル宇宙望遠鏡で撮影された矮小不規則銀河「UGC 8091」(Credit: ESA/Hubble, NASA, ESA, Yumi Choi (NSF's NOIRLab), Karoline Gilbert (STScI), Julianne Dalcanton (Center for Computational Astrophysics/Flatiron Inst., UWashington))】

この画像は「ハッブル宇宙望遠鏡(Hubble Space Telescope:HST)」の「掃天観測用高性能カメラ(ACS)」と「広視野カメラ3(WFC3)」で2006年から2021年にかけて取得したデータ(紫外線・可視光線・赤外線のフィルターを使用)をもとに作成されました。ハッブル宇宙望遠鏡を運用する宇宙望遠鏡科学研究所(STScI)によると、赤色の斑模様は若い大質量星から放射された紫外線によって電離した水素ガスが光を放っているHII(エイチツー)領域とみられており、その他の輝きは比較的年齢が古い星々とされています。


ハッブル宇宙望遠鏡によるUGC 8091の観測は、ビッグバン直後に電離していた水素が中性水素ガスになった後で再び電離した「宇宙の再電離」と呼ばれる出来事における矮小銀河の役割や、矮小銀河のような古い銀河と現在の宇宙に存在するような銀河の進化的なつながりを明らかにする研究などの一環として実施されたということです。冒頭の画像はSTScIから2023年12月20日付で公開されています。


 


Source


STScI - NASA's Hubble Presents a Holiday Globe of Stars

文/sorae編集部