巨人・門脇誠は「2年目のジンクス」を打破できるか 後半戦打率セ界3位の.320と攻守の柱に
門脇には走攻守すべての貢献が期待されている(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext
去年の今頃、この姿を想像できた野球ファンがいったい何人いたのでしょうか。
ルーキーイヤーを終えた巨人の門脇誠です。創価高1年夏から創価大4年秋まで、公式戦の全116試合、計999イニングをフル出場したという「伝説」を誇る男は、原辰徳監督から授かった「ストロング門脇」の称号通り、堅実かつ華麗な守備で存在感を発揮。後半戦はショートのレギュラーに定着し、巨人の遊撃の顔的存在だった坂本勇人がサードに回るという歴史的コンバートも実現しました。
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その坂本は守備面での負担が減り、打撃面でも復活を遂げたものですから、「門脇効果」は絶大でした。
門脇は安定した守備だけでなく、打撃も日を追うごとに急成長していきました。最終的に規定打席には達しなかったものの、126試合に出場し、打率.263、3本塁打、21打点の成績。後半戦の規定打席を満たしたセ・リーグの選手の中では、阪神・佐藤輝明、広島・小園海斗に続いて3位の打率.320と打撃面でも鮮烈な印象を残しました。
スポーツ紙の巨人担当記者は言います。
「メディアからそれほど注目されない東京新大学野球リーグの出身ということもあり、ドラフトでも事前にそれほど人気を集めた選手ではなかった。この年、大学生の内野手では天理大・友杉篤輝(ロッテ2位)や明大・村松開人(中日2位)、駒大・林琢真(DeNA3位)ら逸材が豊富でしたからね」
そんな門脇を巨人のスカウトは2年生の頃からチェックし続け、他球団の評価がさほど高くないという情報もキャッチ。4位での獲得に成功したと言われています。
スカウトの眼力にコーチングスタッフの指導、そして何より門脇本人の努力。全てが合致して、ここまでのインパクトを残せたと言っても良いでしょう。
2024年シーズンは遊撃のレギュラーとして、さらなる活躍が期待されます。となると、心配なのは「2年目のジンクス」。ルーキーイヤーを快調に飛ばした選手が研究され、弱点を攻められることで、ドツボにはまってしまうというプロ野球界の「あるある」です。
これについて、前述の記者は「門脇に限っては考えにくい」と語気を強めます。
「とにかくストイックに自らを追い込む“練習の虫”ですから、来季はさらなるレベルアップが見込まれます。足もあるので1、2番打者に定着して、3番の坂本や4番の岡本につなげていきたいところ。唯一怖いのはケガです。それさえなければ、来季は打率3割、2ケタ本塁打を放っても驚きません」
2年連続Bクラスの惨状から脱して、V奪回を目指す阿部新監督の船出。その牽引役として、若きリーダーは2024年も大いに暴れてくれることでしょう。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]