集合写真を撮る井上尚弥陣営とタパレス陣営【写真:鉾久真大】

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世界的プロモーターのボブ・アラム氏が取材対応

 ボクシングのWBC&WBO世界スーパーバンタム級(55.3キロ以下)2団体統一王者・井上尚弥(大橋)が24日、26日に行われるWBA&IBF世界同級2団体統一王者マーロン・タパレス(フィリピン)との4団体統一戦(東京・有明アリーナ)に向け、神奈川・横浜市内のホテルで会見した。両者は5か月ぶりの対面。共同プロモート契約を結ぶ米興行大手・トップランク社のボブ・アラムCEOも出席し、「エキサイティングな試合になる。ドネア1のようになるでしょう」と2019年の死闘を引き合いに展開を占った。

 会見に出席した92歳の世界的大物プロモーター、アラム氏は穏やかな笑みを浮かべつつ、日本のモンスターを絶賛した。「ここ60年、モハメド・アリ、シュガー・レイ・レナード、マービン・ハグラー、マニー・パッキャオらをプロモートしてきたが、イノウエは彼らにも劣らない」。歴史的なボクサーと比較しても遜色がないと称えた。

 さらに、井上の功績の大きさを「日本にボクシングの素晴らしさを伝えてくれた。その点でも誰よりも素晴らしいボクサーだと思います」と強調。タパレス戦の展開については「エキサイティングな試合になる。ドネア1のようになるでしょう。あの時は怪我でKOができなかったけど、あのような良い試合になる」と予想した。

「ドネア1」とは2019年11月にワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)決勝でノニト・ドネア(フィリピン)と繰り広げた激闘を指す。米専門誌「ザ・リング」など複数の海外メディアで年間最高試合にも選ばれた一戦。井上はドネアの代名詞の左フックを被弾し、鼻骨と右眼窩底骨折を負った。相手が二重に見えるなどキャリア最大の大怪我。それでも、判定勝ちを収めてみせた。

 この日、井上は「どんな展開になってもしっかり勝ちを手にする試合にしたい。その中でチャンス、流れがあれば逃さないように試合を決めたい。(10月の試合発表会見で)KO宣言したけど、その気持ちは変わらない」と気合い。タパレスも「準備万端だ。とにかくいい試合をしたい。同時に勝ちたいと思っている」と激戦を心待ちにした。

 アラム氏は「タパレスも良い選手。タフです。だけど、イノウエが勝てると自信を持っています」と胸を張って勝敗予想。「タパレスをKOできそうか」と報道陣に問われ、「イノウエの試合はほぼKOしてませんかねぇ」と返答した。25勝22KOのモンスターは、アラム氏の期待に応えられるか。

(THE ANSWER編集部)