井上尚弥、もう一つの“勲章”に期待の声 英メディアが老舗誌の年間最優秀賞候補を予想「匹敵するボクサーを見つけるのは難しい」

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タパレスとの統一戦を控える井上。4団体統一に期待がかかる(C)CoCoKARAnext

 プロボクシングのWBC・WBO世界スーパーバンタム級王者の井上尚弥(大橋)は12月26日、東京・有明アリーナで行われる、WBA・IBF同級王者マーロン・タパレス(フィリピン)との4団体王座統一戦のリングに立つ。

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「モンスター」井上にとってはバンタム級に続いての4団体統一王者が懸かる一戦。ホームリングでどんな戦いをみせるのか、試合まですでに1週間を切っており、世界中のボクシングファンの関心は高まり続けている。

 さらに、無敗を続ける日本人王者には海外から、もう一つの“勲章”を手にすることへの期待の声が伝えられている。米国の老舗ボクシング誌『The Ring』のファイター・オブ・ザ・イヤーが来年1月に決定することを受け、イギリスメディア『British Boxing News』が井上を有力候補の1人に挙げた。

『The Ring』のファイター・オブ・ザ・イヤーは、同誌により選出されるプロボクシング界の年間最優秀賞で、1928年から表彰が行われている。『British Boxing News』は現地時間12月19日(日本時間20日)のトピックの中で「タイトル獲得以外ではおそらくボクシング界最大の賞」と評している。

 同メディアは、井上を候補に挙げた理由を示す上で、挑戦者として臨んだ今年7月のスティーブン・フルトン(米国)とのタイトル戦を振り返っている。「キャリア最高のパフォーマンスを見せ、フルトンを8回KOで下している。体格もよく、力もあり、無敗のWBC・WBO王者を打ちのめし、全ラウンドを制し8回にとどめを刺した」と戦いぶりを絶賛。

 さらに、ファイトスタイルについて、「イノウエは1つのゲームプランに頼ることなく、適応力のあるファイターであり、いつでも望んだタイミングで、あらゆるアプローチを駆使し試合を終わらせることができるように見える」と分析。加えて、高いKO率にも言及しており、「これまで、88%の対戦相手を試合終了のゴングを聞く前に倒している。この日本のファイティング・マシーンは、今年のフルトン戦でその持ち味をいかんなく発揮した」と綴っている。

 また、12月26日のタパレス戦には「今年はもう1試合、アンディスピューテッド(統一王者)・スーパーバンタム級チャンピオンの座をかけてマーロン・タパレスと対戦する予定だが、イノウエがどのように今年を締めくくるのかはまだ分からない」と見通しながら、「とはいえ、現状ではイノウエの持つ才能に匹敵するボクサーを見つけるのは難しいだろう」として、比類のない強さであるとの見解を示した。

 トピックでは他にも、テレンス・クロフォード(米国)やジャーボンタ・デービス(米国)といったビッグネームが候補に並んでいる。やはり、井上の年間最優秀賞受賞の行方は、目前に迫ったビッグマッチの結果が大きく響くことになりそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]