東京で話題の新店5選。一杯3,500円の至高のラーメンも登場!
いま、東京の街を沸かせる話題店の中でも、押さえておきたい注目店5軒を厳選!
麻布台に移転オープンしたフレンチの実力店に、香港で人気のジャパニーズレストラン。
東カレ未踏の地のフレンチ、二ツ星店が手掛けたラーメン、神楽坂の焼き鳥……魅力あふれる新しき名店がこちら!
1.7年間でその実力を知らしめたフレンチが、麻布台の地でさらなる高みへ
『レストランローブ』@六本木一丁目
シャンパーニュの泡をイメージした壁のデザインは、東麻布時代と変わらぬ意匠に。卓上のオーナメントは、今橋さんが信頼を置く金沢のクリエイティブ集団「secca」の作品
料理も空間もソフィスティケートされ、感動高まる第二章へと引き継がれる
2016年に東麻布のマンションの2階にオープンし、2年目には早々に一ツ星を獲得するなど着々と評判を高めてきた『レストランローブ』が、創業8年目を迎えるタイミングで移転、グレードアップを果たした。
新天地は、六本木・虎ノ門・麻布台いずれにも近いエリアに立つオフィスビルという意外なロケーション。
だが、濃紺のファサードに出迎えられて店内に足を踏み入れれば、圧倒的な非日常感に包まれる。
広く、機能的になったキッチンで腕を振るう今橋さん。東麻布の店同様に、ほぼすべてのテーブルから厨房で立ち働くスタッフの姿を望め、ライブ感ある雰囲気に心躍る
緻密でありエレガント。ゲストを幸せにする皿の数々
オーナーシェフの今橋英明さん、パティシエの平瀬祥子さんのクリエイティビティにもより磨きがかかった。
自然の情景を皿に投影したかのような美しい品々がゲストを魅了。
そして、ソムリエの石田 博さんの選ぶワインがそれらの味わいをより深めてくれる。
「フォアグラ 柿」は、これまで以上に洗練されたスタイルを追求。
生、ペースト、ソースetc.と柿の味わいを多角的に引き出している。
「エイヒレ 秋レモン」は、伝統的なカスベのムニエルの再構築。
焼きパン粉や焦がしバターのエスプーマで味わいを表現。
「蝦夷鹿内もも肉 里芋」は、藁で燻した蝦夷鹿にコーヒーが香る里芋のピュレ、葡萄の葉の塩漬けを入れた鹿のパテを添えて。
デセールの美しさにも磨きがかかった!
クレームダンジュに、バラのアイスクリームやローズヒップのメレンゲ、黒イチジク。
さまざまな食材が織りなす深い色調を組み合わせた「イチジクと薔薇のヴァシュラン」。
料理はすべてコース(25,300円)からの一例。
店は、六本木1丁目に立つオフィスビル「仙石山森タワー」の1階に。存在を知っている人だけが訪れる、密やかなロケーションだ
店名の「L’aube(ローブ)」とは「始まり、夜明け、誕生」という意味を持つフランス語。
『レストランローブ』の新たな始まりは、華々しく開幕した。
■店舗概要
店名:レストランローブ
住所:港区六本木1-9-10 アークヒルズ 仙石山森タワー 1F
TEL:03-6441-2682
営業時間:ランチ 11:30〜(L.O.12:30)
ディナー 18:00〜(L.O.19:30)
定休日:日曜、月曜
席数:テーブル28席、個室1(8席)※要予約
2.香港から逆輸入の高感度なダイニングが、居酒屋の概念を変える!
『CENSU TOKYO』@外苑前
和の趣を感じさせる設えは、店の内外観に日本の木材が多用されている。郷愁を感じさせつつどこか新しい
杉の木を随所に使った店構えに真っ白な暖簾、とスタイリッシュでありつついかにも“和”な店構えの『CENSU TOKYO』。
実は、香港でオープンするやいなや、連日大人気を博しているジャパニーズレストランの東京進出店である。
コンセプトやメニューは本店譲りです!
最先端の店が集まる“SOHO”エリアの歌賦街(ゴフ・ストリート)にある香港の1号店は、2021年オープン。シンプル&スタイリッシュなインテリアやジャンルフリーな音楽、個性ある料理で話題に
和食やエスニックのメニューにフレンチのエッセンスを巧みに加えたり、「ポテトサラダ」「ほうれん草の胡麻和え」「焼きおにぎり」などといった、日本人になじみ深い料理を既視感のないスタイルに再構築したり。
世界各国のレストランで技とセンスを磨いたシェフ・佐藤 峻さんが打ち出す世界観は、他に類を見ないものぞろいだ。
さらに、東京店で腕を振るう金須郁幸さんは、『タテルヨシノ』などフレンチの名店での修業経験もあり、こちらならではのメニューも展開している。
香港のフーディも認めた、新感覚の味と空間がエキサイティング!
香港でも人気の「海南チキンパエリア」4,880円。
ドライエイジングさせた鶏もも肉は、パリッとした皮で旨みが凝縮。
「香港 WING」(1,380円)は、下味を付けて揚げた鶏手羽と朝天唐辛子がマッチしたスナック感覚の一品。
自然派ワインを多くそろえつつ、オリジナルラベルの日本酒(180ml 1,280円)など、アルコールも魅力。
キッチンのライブ感と一体化するかのようなカウンター席。2階には、一枚板のアイランドテーブルやテラスも
日本の伝統文化へのリスペクトと香港テイストが共存する空間で味わうイノベーティブな品々に、感性を刺激される新しきディナータイムを過ごせるはずだ。
■店舗概要
店名:CENSU TOKYO
住所:渋谷区神宮前2-12-9
TEL:03-6434-5883
営業時間:18:00〜(L.O.22:00)
定休日:日曜、ほか不定休あり
席数:カウンター10席、テーブル30席 ※要予約
3.東カレ未踏の“北区赤羽”に、見過ごせない上質なフレンチが現れた
『odorat』@赤羽
ごく控えめだが上品な店構え
赤羽の住宅街に誕生した、コージーなレストランに熱視線が注がれている
赤羽駅徒歩7分の閑静な住宅街に、今年7月にオープンしたのは、“赤羽=居酒屋”というイメージを塗り替える予感に満ちたフレンチレストラン『odorat』。
シェフの永瀬さんは生粋の赤羽っ子
この地で生まれ育ったオーナーシェフの永瀬友晴さんは、料理人の父と同じくフレンチの世界へ。
老舗『パリの朝市』できっちりと技術を蓄えたのち、『フロリレージュ』『オマージュ』といった星付きレストランで研鑽を積んだ。
29歳で『レストラン アロム』の料理長に就任し、3年間の勤務を経て今年ついに独立を果たした。
店名の「odorat(オドラ)」とは、フランス語で“嗅覚”。日本の風土が育む四季の食材にスパイスやハーブの香りを巧みに合わせ、ひときわ記憶に残る料理へと昇華させている。
ジビエの季節の到来を実感できる「鴨 天然きのこ」。
美しい焼き上がりの鴨に、長野・大鹿村から届くハナイグチ、ショウゲンジなどの天然きのこや、ネパール山椒が香るソースを。
「オオモンハタ カブ」は、カブのピューレやブルーチーズのソースを添えて“白”のひと皿に。香りのアクセントは希少な国産ベルガモット。料理は季節のおまかせコース(9,000円)の一例
スパイスの見識を深めるべく、押上の名店『スパイスカフェ』で研修もしたそうで、その経験を活かしてランチタイムには薫り高いスパイスカレーを提供。
こちらも、カレーマニアが認める本格的な味わいだ。
柔らかいナチュラルカラーで統一された店内は、心安らぐ雰囲気に満ちている
地元愛と料理への意欲に満ちた新星の登場に快哉を叫びたい。
店は、JR赤羽駅の西口から大型スーパーマーケットや商業ビルの立つ一角やバス通りを越えた住居エリアに。
生活圏に忽然と現れたカウンターフレンチは、地元でも注目の的だ。
2軒目は飲み屋街へ!?ディープな夜にするも良し
赤羽駅を挟んで反対側、東口には“呑ん兵衛の聖地”とも称される一大飲み屋街が。
1,000円でベロベロに酔える=せんべろを楽しめる店がずらりと立ち並んでいる。
■店舗概要
店名:odorat
住所:北区赤羽西4-23-5 赤羽西ガーデンハウス 102
TEL:03-6356-2227
営業時間:ランチ 11:30〜14:30
ディナー 18:00〜(L.O.20:00)
定休日:日曜、月曜
席数:カウンター8席 ※要予約(ランチは予約不可)
4.至高の出汁を操る和食の雄が創り出す、想像を超えるラーメンの世界
『麺や 紀茂登』@茅場町
2018年に神楽坂の住宅街で新たなスタートを切った『紀茂登』。最高の旬の食材を、そのポテンシャルを損なわぬよう潔く料理した木本流の品々は唯一無二との声多数。おまかせコース 55,000円〜
日本料理『紀茂登』といえば、京都の名店で修業を積んだ店主・木本泰哉さんが2010年に神戸で独立するやいなや、ミシュラン二ツ星に輝いたことで知られる。
その勢いは留まることなく、2018年には東京進出。最高級の素材を使ったダイナミズムある料理で、さらに名声を高めている。
そんな日本料理界の風雲児が新たに手掛けたのが、まさかのラーメン専門店『麺や 紀茂登』。
店の入口に掲げられた控えめな看板には、高級割烹さながらの趣が漂う。
余計なものが一切なく、目の前の一杯に集中できるシンプルな店内。
二ツ星店が本気で手掛けたラーメンは、ひと口ごとに驚きと感動がある
「特製」3,500円。さり気なく添えられた海苔も、三河湾産の「一番摘み海苔」と希少な「すじ青海苔」を使った最高級品。選びぬかれた逸品のみで形成される至高の一杯だ
意外だが、そもそも厳選した素材から取る上質な出汁を使った品々に定評がある木本さん。
それだけに、軟水を使って昆布やかつお、3種類の丸鶏から取った出汁に『紀茂登』クオリティーの高級食材から取る出汁を合わせる前代未聞のスープは、既存のラーメンスープとは一線を画する深みのある味わい。長い旨みの余韻が口いっぱいに広がる。
そのスープに合わせたなめらかな麺や、考え抜かれた具材の黄金比も素晴らしく、一品の料理としての完成度の高さに舌を巻くこと必至だ。
1杯 3,500円の価値はここに!『紀茂登』の美学を凝縮したラーメンの凄みを紐解いてみた
限りなくなめらかな口どけを実現。和の“チャーシュー”ここに極まれり
東京生まれのブランド豚「TOKYO X」のバラ肉と肩ロースを使用。
バラ肉は、塊の表面を焼いて、2種類の醤油や昆布で味付け。それをオーダーごとに焼く。肩ロース肉は、周りを焼いてから低温調理で煮豚に。
やはり注文を受けてからカットし、塩コショウする。
「たまごかけご飯祭り」で3年連続グランプリに選ばれた岡山産のブランド卵「夢王」を使用。
黄身が濃厚な卵は、半熟に茹でたら塩水に漬けて味を浸透させる。繊細なスープの味を邪魔しないよう、煮玉子にはしないのが木本さんの流儀だ。
利尻昆布と削りたてのかつお節をベースに、この日は3種の地鶏(天草大王・熊野地鶏・岡崎おうはん)の丸鶏スープに焼いたクエ、アワビなどの出汁を合わせる手のかけようだ。
温度が一定するスチームコンベクションを駆使して、澄んだ旨みを抽出する。
人気ラーメン店御用達の有名製麺会社「菅野製麺所」の数ある麺からセレクト。
スープとのバランスを吟味した結果、かんすいの少ない中太タイプのストレート麺を使っている。
サイドメニューの和え麺には、もっちりとした食感が特徴の小麦「もち姫」を使用。
店内奥に飾られている、彫刻家・籔内佐斗司さんの作品「大当たり童子」は木本さんのコレクション。88体限定で制作されたうちの、シリアルナンバー88番という縁起の良さ
■店舗概要
店名:麺や 紀茂登
住所:中央区日本橋茅場町1-12-6 FF日本橋茅場町 1F
TEL:非公開
営業時間:11:30〜(閉店時間は日によって異なる)
定休日:不定休
席数:カウンター10席、テーブル4席 ※完全予約制 ※45分制
5.“神楽坂でしっぽり”をライトに叶える、こんなテッパンな焼き鳥を待っていた
『124. KAGURAZAKA』@神楽坂
店は、神楽坂の路地裏に立った新築のビルの最上階に。いわばペントハウスなのでバルコニーもあり、窓からの景色も上々
無機質な外階段を上った先に、新たな切り札がある意外性
一説によると、神楽坂エリアには焼き鳥店が50軒以上あるという。
そんな密集地帯、しかもあまたの強豪がひしめくこの街に今年9月、新たに名乗りを上げたのが『124. KAGURAZAKA』だ。
間接照明が落ち着いた雰囲気を醸し出す店内。席の間隔がゆったりとしているから、料理と多種多様なお酒を寛いで楽しめる
店主の木村寿雄さんは、グランメゾン出身のベテランシェフが営むビストロでの10年近い修業をベースに、人気のスペインバルや居酒屋でもさまざまな経験を重ねてきた人物。
その仕事ぶりに引かれた焼き鳥店のオーナーからスカウトされ、30代後半で新たなジャンルに挑戦し、40歳で念願の独立を果たした。
おまかせコースでは、新鮮な「伊達鶏」の多彩な部位と野菜串、季節の一品料理が、計15〜16品登場。
「ささみ」は、日本酒と鶏油を塗りながら焼き、しっとりと仕上げている。
仕上げには香りの良い本わさびを添えて。
「レバー」も、表面に鶏油を塗ることで温度を高め、とろりとした食感が楽しめる火入れでありつつも中まできちんと熱が通っている。
歯切れの良い食感も楽しめる「ハツ」は、おろしショウガを添えることでクセを押さえて誰もが食べやすい仕上がりに。
料理はすべておまかせコース(6,600円)より。
アルコールの充実度も高し!
クラフトビールやナチュラルワインもあれば、希少な日本ワイン「Nasu Wine ソワレ 2017」(14,000円)や、垂涎の銘柄「アンリ・ジロー エスプリ」(23,000円)もありと多彩!
また、自身も「お酒は種類を問わず好き」というだけにアルコール類はシャンパン、ワイン、クラフトビール、日本酒と幅広く取りそろえており、料理とのさまざまなペアリングを体験できる。
中の様子が窺いしれない木製の扉には、屋号が堂々と。「124」は、店の番地、そしてスタッフ全員の誕生月が由来しているそう
早晩予約困難になりそうな新鋭、いち早く駆けつけたい。
■店舗概要
店名:124. KAGURAZAKA
住所:新宿区若宮町12-4 フィルパーク神楽坂若宮 3F
TEL:03-4400-2124
営業時間:17:00〜(最終入店 21:00)
定休日:不定休
席数:カウンター12席 ※要予約
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